高橋是清は第20代の首相だが、7回務めた蔵相としての評価の方が高い。あまり知られていないが官僚時代には知財権の制度整備に尽力した。現在の特許法の前身である「専売特許条例」が初代特許庁長官高橋のもとで公布されたのが1885年4月18日。
それに因んで昨日は発明の日。この日を含む今週は科学技術週間として、啓蒙啓発のためのセミナーや多様な行事が全国で催される。最近は小中学生向けイベントが充実してきた。体験学習やスーパーサイエンススクールの高校生による化学実験などが人気を呼び、会場となる各地の科学館や博物館が賑わう。
ビジネスにおいては、発明の多くは権利化してこそ価値を生む。その前提は知財制度が整備されていること。と同時に、発明者自身あるいはその所属組織が制度とその活用法を理解しておく必要もある。さて、日本経済の活性化には中小企業の成長が不可欠だと強調され、資金面をはじめ各分野での支援策が講じられている。
最近、経済産業省が重視しているのが知財分野のテコ入れ、特許出願に占める中小企業の割合は約13%。これを19年度に約15%に引き上げるのが目標だ。ワンストップの総合支援窓口を設置して活用を促す。中小企業はイノベーションの一翼を担う。知財戦略と一体化した経営支援で底上げにつなげたい。近い将来、「発明の日」が国民祝日の日にならないかな。