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商標の広場

弁理士の福島が商標のお話をします。

TPPの貿易ルールって

2015-10-24 11:10:57 | 日記
政府は、TPPの大筋合意のなかで、関税の取り扱い以外の貿易のルールについてその内容を公表しました。日本企業が海外に進出しやすくなったり、アニメなど日本が得意とするコンテンツの保護が強化されたりすることになります。
今回のTPPの大筋合意では、日本が輸入する農産品や工業品など9018品目のうち、95%の関税が撤廃されます。

具体的には、サービス業の市場開放では、外国企業への制限が多いマレーシアやベトナムで規制緩和が進められます。ベトナムでは小売企業が2店舗目以降を出店する際に必要となる政府の審査制度が廃止されるなど、日本のコンビニエンスストアなどが海外進出しやすくなります。また、金融分野でもマレーシアやベトナムで外国企業の出資制限が緩和されます。マレーシアではATMの設置制限が原則、撤廃されることになりました。また、「政府調達」の分野では公共事業を行う政府の機関は、一定額以上の規模の事業を行う場合には原則、公開入札とすることなどがルール化され、日本の建設会社などが大規模な開発プロジェクトに参加しやすくなることが期待されています。

一方、知的財産のうち著作権の保護については現在、日本では文学や音楽などの著作物の保護は「作者の死後から50年」となっていますが、今回の大筋合意で保護期間を少なくとも70年とすることが決まりました。また、模倣品や海賊版などの取締りも強化されます。著作権侵害の疑いのある商品がTPP域内で輸出入された場合などでは権利を侵害された当事者の申し立てがなくても、当事国の政府が差し止めできるようになります。アニメなど日本が得意とするコンテンツの保護が強化されることになります。さて、国内法の改正でどうなるか?