最近、フリー(無料)のビジネスが注目されている。一瞬、それで商売やっていけるのかと思う。
しかし、他のところで儲けるようにできている。
タダでもらうとうれしいことはうれしいが、ある種の負い目を負うことは否定できない。もちろん与える側は意識的にまたは無意識的にそれを狙っているわけだ。
モースの贈与論では「贈与」が義務感を中心とした集団のコミュニケーションとして考えられている。贈与を受けることによって霊的な絆が生まれる。
フリーの商品には現実の物だけでなく接客サービスなども含まれると考えるべきだ。アメリカなどのチップは、接客は有料だということを意味している。また、中国などは、お金を払わないのならサービスをしないという感じの接客だ。
それに対して日本の接客のレベルは相当高い。チップをもらわないことを考えると日本の接客はフリービジネスだといえる。人はいい接客を受ければ無意識的にある種の負い目を負うことになる。
贈与は人と人を結びつける社会的コミュニケーションである。コミュニケーションのうまいところに人が集まる。フリーのビジネスは、思ったより合理的といえそうだ。