旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

広徳寺のイチョウと秋川渓谷と喜正の冷酒と 五日市線を完乗!

2023-12-09 | 呑み鉄放浪記

発車のチャイムがハモって流れてる。08:13の拝島駅は青梅行きと武蔵五日市行きが同時発車。
こういう光景ってなんだかワクワクするね。五日市線がやや先行して緩やかな左カーブに消えていく。

先週に続いて「休日おでかけパス」を握りしめ、都会の裏庭を乗って呑んで遊ぶ。
なかでも路線距離11キロと最も短い五日市線がこの週末の遊び場だ。
4路線が乗り入れる拝島駅は、6方向に鉄路が延びてなかなかの要衝ぶりなのだ。

08:32発、飛び乗った後続の6両編成は、ほどなく多摩川橋りょうを渡る。
朝の凜とした空気に遠くの山並みもよく見える。平地に降りてきた紅葉もそろそろ見納めかもしれない。

畑中を疾走する都会の通勤電車E233系は抜群にクールだと思う。
ボクはプシュッと季節限定の “キリン氷結®︎国産りんご” を開ける。青森りんごのほのかな甘味が美味い。

武蔵増戸を過ぎると秋川の谷は急に狭くなって、鉄路は左右にくねり勾配をアップダウンする。
大きな左カーブを描いてコンクリート製の橋を渡ると、E233系は錦に染まった武蔵五日市駅に終着する。

6両編成を埋めていたクライマーやハイカーは足速に改札を抜けて、今度はバス停に列をつくる。
藤倉行きとか、数馬行きとか、20〜40分で数多ある登山口まで運んでくれる。

臨済宗建長寺派の古刹広徳寺を訪ねた。2本の大イチョウが境内を黄金色に輝かせている。
墨絵のような山門とシャンパンゴールドのコントラストがなかなか美しい。

武蔵五日市駅駅からは徒歩30分、秋川の河岸段丘を降りて登るから、なかなか歩きごたえがある。
でもこの情景を切り取るなら歩く価値があるなぁ。黄金色の絨毯を踏みしめて思うのだ。

駅に背を向けてもう少し歩いてみようと思う。
せせらぎをたてて浅く流れる秋川、左右から覆い被さる木々が色付いて美しい佳月橋の辺り。

清らかな秋川が流れる山里に「喜正」の野崎酒造、城山から湧き出る伏流水で酒を醸している。
酒林を吊った門をくぐると蔵の玄関先に直営販売店、仕込み時期は土曜日も営業しているので訪ねるといい。

武蔵五日市駅に戻ったら、あきる野うどんの匠「初後亭」を訪ねる。
100%自家製、あきる野産の小麦粉で打った名物うどんが食べられる。

先刻訪ねた “喜正” を一杯、定番の普通酒だけどほどよく冷やしてあって美味い。やわらかな酒だね。
「お任せのおつまみ(300円)」は、板わさ+柚子胡椒、奴+味噌だれ、しめじのお浸し、の優れもの。

うどんを鍋から引きづり出すように食べるから “引きづり出しうどん” だって。
温野菜をトッピングして納豆をつけて土鍋が登場、いい感じで湯気を噴いているね。
うどんちょこに鰹節と醤油を調合したら、熱々のうどんを引きずり出し、茹で汁を少し。
ズズっと啜ると素朴で優しい味が、口いっぱいに広がって美味しい。

遠出をしなくても、錦繍を愛で旨いご当地料理とお酒を愉しんで、穏やかな秋晴れの週末なのだ。

五日市線 拝島〜武蔵五日市 11.1km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
15の夜 / 尾崎豊 1983



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