「それにしても "記憶" よ。貴殿の正体はいったい何か?その存在の本質は如何?ここで語るわけにはいかないだろうか?」
"直感" は突然 "記憶" に声を投げかけた。
「 ……。」
記憶は無言のままでいる。
「記憶の本質?」
何を言っているのです?そう言って "知性" が問うた。
「君らは普段、このモノを便利使いしてまるで自分達の支配下にある様に勘違いしているが、大きな間違いだということさ。」
「どういうことです?」
「考えてもみるがよい。我々は日々細胞が生まれては死に、新しくなって生きている。それでも我々が我々であることが変わらないのは何故だろうか?」
「…。」
「数年で体中の細胞は全て入れ替わるという。だが我々は別人になるわけではない。なぜか。」
「そんなことは考えた事もない…。」
「まあよい。しかしもっと端的なのが、妊娠だ。
女性が受胎するとその瞬間から十月後の出産に向けて体が変化してゆく。
知性君、君の優秀な能力でもってそれを計画し、可能にしているのだろうか?」
「とんでもない!出産とかいった本能に近い現象は私が関わればかえって経過を妨げる。だからできるだけ身を潜めております。」
「それは賢なるかな。ともかくも "本能" というは "形" が受け継いで来た "記憶" のこと。
そしてその "記憶" は魂魄にもある。
それは全ての始まりのときから全て繋がっている。
君たちはその膨大な "記憶" の海に、僅かに出入りする能力を持っているが、それが記憶の全てだと思うは愚かなこと。
君たちの考えている "記憶力" というものは正確には "思い出す力" と言うべきだ。
記憶という果てしない海から戻る力とでも言おうか。
君たちが動かなくとも、いや寝ていようが脳に障害があろうが、"記憶" の偉大なる働きは毛ほども止むことはない。
そしてそれはこの世界が… 全て "一" しかなかった頃から続いている。
その頃からの記憶の全てが、今この、我々には共有されている。
だからこそ我々はそこに耳を済ませれば、実際には聞こえなくとも、目には見えなくとも…、世界がいかなる願いによってできたのか、いかなる仕組みで成り立っているのか、知ることができる…。」
「 ー 。」
「なんとなれば、我々も元をたどれば "一" であったのだ。この "世界" と我々は同じなのだ。それは今も変わらない。その事に気づくか気づかないかの違いは大きい。」
「で、では ー 記憶の本質とは…?」
「大いなる "無意識" の別の在り方よ。
それは "力" と言い換えた方がわかりやすい。」
「記憶が "力" ?!」
「そうだ。その力のおかげで我々は存在し得るのだ。その "力" の性質とはそれ即ち "凝" 。
そしてその力の動きのことを "気" という。それは形無きモノにさえ影響を及ぼすことができるもの。
"死" してなお、残存して働くことのできるもの…。」
「!!」
"直感" は突然 "記憶" に声を投げかけた。
「 ……。」
記憶は無言のままでいる。
「記憶の本質?」
何を言っているのです?そう言って "知性" が問うた。
「君らは普段、このモノを便利使いしてまるで自分達の支配下にある様に勘違いしているが、大きな間違いだということさ。」
「どういうことです?」
「考えてもみるがよい。我々は日々細胞が生まれては死に、新しくなって生きている。それでも我々が我々であることが変わらないのは何故だろうか?」
「…。」
「数年で体中の細胞は全て入れ替わるという。だが我々は別人になるわけではない。なぜか。」
「そんなことは考えた事もない…。」
「まあよい。しかしもっと端的なのが、妊娠だ。
女性が受胎するとその瞬間から十月後の出産に向けて体が変化してゆく。
知性君、君の優秀な能力でもってそれを計画し、可能にしているのだろうか?」
「とんでもない!出産とかいった本能に近い現象は私が関わればかえって経過を妨げる。だからできるだけ身を潜めております。」
「それは賢なるかな。ともかくも "本能" というは "形" が受け継いで来た "記憶" のこと。
そしてその "記憶" は魂魄にもある。
それは全ての始まりのときから全て繋がっている。
君たちはその膨大な "記憶" の海に、僅かに出入りする能力を持っているが、それが記憶の全てだと思うは愚かなこと。
君たちの考えている "記憶力" というものは正確には "思い出す力" と言うべきだ。
記憶という果てしない海から戻る力とでも言おうか。
君たちが動かなくとも、いや寝ていようが脳に障害があろうが、"記憶" の偉大なる働きは毛ほども止むことはない。
そしてそれはこの世界が… 全て "一" しかなかった頃から続いている。
その頃からの記憶の全てが、今この、我々には共有されている。
だからこそ我々はそこに耳を済ませれば、実際には聞こえなくとも、目には見えなくとも…、世界がいかなる願いによってできたのか、いかなる仕組みで成り立っているのか、知ることができる…。」
「 ー 。」
「なんとなれば、我々も元をたどれば "一" であったのだ。この "世界" と我々は同じなのだ。それは今も変わらない。その事に気づくか気づかないかの違いは大きい。」
「で、では ー 記憶の本質とは…?」
「大いなる "無意識" の別の在り方よ。
それは "力" と言い換えた方がわかりやすい。」
「記憶が "力" ?!」
「そうだ。その力のおかげで我々は存在し得るのだ。その "力" の性質とはそれ即ち "凝" 。
そしてその力の動きのことを "気" という。それは形無きモノにさえ影響を及ぼすことができるもの。
"死" してなお、残存して働くことのできるもの…。」
「!!」
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