思考の踏み込み

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形影神42

2014-10-21 06:01:13 | 

「お待ち下さい!私はまだよくわからない!」

"意識" の声。

「統合という力、それが "永遠" に通じると?それは具体的にはどういうことなのです?
死によって散じ果てる摂理から逃れられるとでもいうのでしょうか?」

「なんじゃ、その答えはもう出たような気がするが…。」


すでに立ち上がり、その場を去ろうとしていた淵明は動きを止めた。
そして困ったヤツよ ー そう言って意識の為に、その最後の言葉を話し始めた。




「…生物、無生物問わず、あるいは有機物、無機物 ー もしくは虚も実も、全てのモノには "完全" を志向する方向性が備わっている。
それは常に少しでも良くなろう良くなろうとするものだ。

これを "高昇性" と呼ぶ。

だが、多くのモノはその方向性において順逆を忘れ、主体性を間違えがちなのだ。それ故にみな迷走しては余分に苦しんでおる。

だが!

しかと聞くがよい。
既に "完全" な世界は出来上がっておるのだよ。
天地にして然り。形という名の "身体" 然り。
後はそれに気付くことの出来る "正しき存在" がそこに加わるだけでよいのだ。みなそれを待っていたのだ。」


「それは…?」


「君のことだ!顕在意識よ!」


「!!」





「心せよ!汝が成長はこの宇内が "完全" に到達する為の最後のピースだ。
汝が正しくそこに至って世界に初めて "往" と "還" が完成する。

汝無くしてなんの世界ぞ!」


「……………。」


「もっとも… 実際のところ、ここまでうまくいくとは、始めの段階では思ってはいなかったようだ。
無方向にしか進めなかった "力" が、やがて方向性を持ち、それが往きて還る循環性を獲得したときー 、考えもしなかったことが起きた…。

"力" は垂直に跳ね上がり、そこで永遠と繋がったのだ。そこまでの結果はなんぴとたりとも予測していなかった。





だが…その思わぬ果報も、気を整え、形を統合し、霊魂を高昇性にのせて精神を完全に向かわせる作業を経なければ得られぬもの…。


だから ー 虚無の世界には極めて高次元で複雑な人体が必要だったのだ。
その人体が在る為に天地が必要だったのだ。
果たして天地があって人が生まれたか、人が生まれる為に天地が先んじたか…。」


「 … 。」

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