思考の踏み込み

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線の美2

2013-11-22 10:07:45 | 
"線"とは点の延長であり、即ちそれは時間の経過を意味している。

当然そこには速度があり、速度を決定する力が存在する。
力もまた質の差があり、波もみてとれる。
かくて同じ様な線であっても、鋭さや柔らかさ、しなやかさや力強さといった内容の違いが出る。

またこの"力"を実際に表現するには、迷いのない心が必要であるし、その心を持つために鍛えられた身体と、それに伴った技術が要求される。

これは描線に限ったことではない。
構造物の曲線美を作り出すこととて同じであろう。
古来、名刀と呼ばれてきた大業物たちの反りやツバ元の曲線の美しさ、あるいは二天宮本武蔵の「古木鳴鵙図」における枯れ木の線の鋭さ。



ー これらは女性美への憧憬という構造など遥かに超越している。

そもそも機能美というも、そこに秘せられるは線が内包している"力"を有しているところにある。

静止している中にもそこに機能性を感じれば我々は美を想う。
もちろん、命そのもの、形ある事象全てを美しいと観ることも人間の心の豊かさにあっては可能なことだが、ここでは対象としていることは、例えば四肢の短いポニーよりサラブレッドの方に美を感じる我々の心理のことである。

早く走るという機能性だけを観ればサラブレッドの美しさは他を圧しているといえる。


(武田信玄の騎馬隊がサラブレッドをみたら、美しさより弱々しさを感じるかもしれないが)

ただ、ここでいえることは比率の問題である。

線の美

2013-11-22 08:45:06 | 
茶器のヘリや高台、腰の部分の線の美しさ ー あるいは車やバイクの構造美、チーターの疾走する姿の無駄のない体線美。
または女性の体のライン、書が表現する線の美しさ、そして、日本刀の曲線美……。

"線"が持つ美しさには様々な内容があるが、その根底にあるものは何だろうか?

(2ハン最強ホーネット。
その名もスズメバチ。
いろんなバイクに乗ってきたがホーネットを超えるバイクはまだない。
生半可な400ccならホーネット250を選ぶ。しかしコストパフォーマンスは悪い。ニンジャはフォルムが好き。以上余談。)




全て、美的なモノの根底には性エネルギーが存在し、その昇華作用によって美へと変質してゆくものだが、"線の美"には原始的昇華の形がちらつく。

機械的なだけの直線には美としての完成がない。
いわゆる曲線の持つ美しさには及ぶべくもない。
冒頭で挙げた線の美のいくつかの例も全て曲線を有している。
これらに共通するものは結局女性的な線の形、つまり女性的な曲線の美ではないだろうか?

女性的な曲線はしかし、ただの曲線ではない。それは機能性を伴った美である。
つまり出産を可能にするために進化した体線の美である。



真に美しい曲線美には全てこの機能美が内在している。
はじめから曲線だけを追求したアートや建築には不自然さと、時には不快ささえ感じてしまうのはそのためだと思う。

だが、線の美しさとはそれだけではないようにも思う。