IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

暴露本

2005-02-15 15:57:07 | ニュース
カナダに住むロシア人の友人と数ヶ月ぶりに電話で話をした。電話の向こうでは奥さんと娘さんが楽しそうに喋っていたようで、カナダ生活をなかなかに満喫しているようだった。僕がこの友人と彼の奥さんと知り合ったのが1999年頃、そう考えてみると自分のアメリカ生活も長いもんだなぁとあらためて感じてしまう。「今日はな、ちょっといいニュースがあるんだ」とその友人が嬉しそうに言うもんだから、僕はてっきり宝くじでも当たったのかと思い話を聞いてみると、僕の予想よりももっともっとハッピーな内容だった。どうも、この夏からフィラデルフィアで勤務医として働く事が内定したらしい。まだ幾つもペパーワークが残ってるらしいが、6月にはフィラデルフィアに引っ越してくるらしい。

電話では何度も話しているものの、僕が4年近くこの友人にはあっておらず(仕事の関係で彼がロシアとカナダを生活の拠点にしていた事もあって)、ロシア大使館に用事があってワシントンを訪れた彼の奥さんと1回だけ食事をしたのが最後だった。この時、彼はロシアに滞在しており、それから間も無くしてカナダに移り住んでいるので、本当に長い間会ってない事になる。娘さんがまだ幼いこともあり、治安が悪化するロシアよりはアメリカカナダで教育を受けさせたいと常に語っていた友人だが、どうやら願いはかないそうだ。彼が勤務医としての生活をスタートさせる前に、フィラデルフィアに行ってみようかと思う。ワシントンからだと、車で2時間。意外と近くにある。

厄介な事件が発生している。レバノンの首都ベイルートにある商業地域の一角で14日、自動車爆弾を用いた大規模な爆破事件が発生し、爆発によってラフィク・ハリリ前首相を含む10人が死亡、100人以上が負傷する大惨事となった。捜査当局の話では、650ポンド以上のTNT火薬が使用され、現場には深さ9メートルほどのクレーターができるほどのものだった模様。レバノンの貧しい地域に生まれたハリリ氏は、しばらく教師を務めたのち、サウジアラビアで建設業を立ち上げ、一代で巨万の富を築き上げた人物としても知られる。総資産は38億ドル以上ともいわれ、レバノン内戦の復興事業ではハリリ氏の関連会社が中心になって欧米諸国から多額の投資を得ている。

14年間で5度首相に選出されたハリリ氏だが、同国に駐留する1万5000人のシリア軍撤退問題などを巡って、親シリア派のラフード大統領と激しく対立してきた経緯があり、ハリリ氏は昨年10月に首相を辞任していた。レバノンでは5月に総選挙が予定されており、ハリリ氏はシリア軍の撤退を求める野党側と共闘する姿勢を明らかにした矢先の事件だった。

ホワイトハウスのマクレラン報道官は今回のテロ事件に関して、現時点では誰が犯人なのかといった情報は入っていないとしながらも、レバノンはシリアによる占領から解放されるべきだとコメントした。報道官はさらに、テロ事件の首謀者を罰し、外国軍に占領されるレバノンに再び民主主義と自治権を取り戻すために、アメリカが他の国連常任理事国と協議を行うだろうと語っている。イラク問題ではアメリカと袂を分かち合ったフランスも、シラク大統領が今回の事件で国際的な捜査を要求している。一方、シリアのアサド大統領は犠牲者に哀悼の意を表すと共に、テロ事件を厳しく非難する声明を発表している。

真田広之と桜井幸子もビックリの「禁断の愛」か…。シアトル近郊にある小学校教師だったメアリー・レトノーは1996年に自分の教え子だった小学6年生の男子児童ビル・ファーラウと性的関係を持ち、翌年に「2級児童強姦罪」で逮捕された際には児童の子供を妊娠していた。ビルの最初の事件が発覚した時、32歳のメアリーはすでに結婚して4児の母親でもあった。半年間の服役を終えてから1ヵ月後、彼女はビルと再び車の中で性的関係を持ち、今度は2件の児童強姦容疑で懲役7年が科せられた。彼女は2回目の服役期間中に、ビルとの間にできた2人目の子供を出産している。

メアリーとビルとの間にできた2人の娘は、ビルの家族が育てる事になり、裁判所側はビルとメアリーが会うことを禁じる命令を下している。昨年8月にメアリーが出所すると、支持者らはメアリーとビルの面会を禁じた裁判所命令に対する署名活動を開始し、しばらくしてから裁判所も2人の自由な面会を許可している。そして、昨年の秋頃に2人は婚約している。

2人の結婚式はいつ頃になるのかとメディアが注目していた矢先、インターネット上結婚贈り物台帳から、2人の結婚式が4月16日に予定されている事が判明した。結婚式には友人・知人のほかに支援者らも参加する模様で、200人以上に招待状が配られるようだ。メアリーは現在無職、そして22歳になったビルはアーティストとして展覧会の準備におわれている。2人の娘は6歳と7歳に成長している。関係者の話では、カップルはシアトル周辺にこれからも住み続けたいと語っていたそうだ。

開幕をひかえたメジャーリーグだけど、80年代後半からアスレチックスで強打者として活躍したホセ・カンセコの暴露話が話題になっている。13日はCBSテレビの報道番組「60ミニッツ」でステロイドを使用したメジャーリーグ選手(現役選手も含む)を実名で暴露し、翌日には野球界のステロイド汚染にスポットをあてた暴露本を出版している。まぁ暴露本なんてよくある話だし、大リーグ関係者らが言うように過去に数々のトラブルを引き起こしてきたカンセコが「カネと一時の名声」を求めて、今回の出版に踏み切ったとしても僕は全く驚かない。暴露本にはマグワイアーや中日入りが噂された事もあるイバン・ロドリゲスらの名前もあるそうだが、仮に書店の一番いいロケーションに山積みされていても、僕はページをめくる価値すらない気がする。

少し前、元ニューヨーク・タイムズの黒人記者が自伝を書いたことがあった。彼は捏造記事を連発した事が理由で解雇されているのだが、この記者は自伝の中で人種差別とたたかうプレッシャーが原因だったと自分の捏造記事の正当化に終始している。出版社側は大々的なキャンペーンを行ったが、消費者の判断は厳しく、結局この本は数千冊しか売れなかったそうだ。テーマは違うものの、僕は今回のカンセコによる暴露本が本質的には同じではないかと思う。それにしても、CBSもどうしたの?「60ミニッツ」といえば、硬派な報道番組というイメージがあったのに、いつの間にか変わってしまって…。同局の名物アンカーと同じように思考回路が錆びついてきているのかもしれない。