IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

事件は冷蔵庫でおこっている

2005-02-24 15:40:18 | ニュース
朝から電話取材を一本こなし(伝記作家の方へのインタビューだったが、お世辞抜きに「いいひと」オーラを電話の向こうから感じた)、別件のリサーチを終わらせて、少し遅いランチを食べて…。ここまでは普段とあまり変わらない生活なんだが、この2~3日は夕方になると新しいアパートに少しずつ荷物を運ぶ作業があるので、夜の9時ごろには疲れて眠くなってくる。今日は服や本をまとめて運んだが、友人がトラックを出してくれる3月5日までには細かなものを全て運び終えておきたいと思っている。冷蔵庫の中の醤油やケチャップなども新しいアパートに持って行こうと、冷蔵庫を開けてみると、そこには「この世の終わり」を暗示するような凄まじい光景が…。

ちょうど2日前、僕はキッチン周辺での異臭に気が付いた。チーズとヨーグルトの中間に位置するような臭いが気になって仕方なかったけど、時々食べているテイクアウトのインド料理についてくるヨーグルトかなと思い(事実、2日前に食べた時のプラスチック容器がキッチンのゴミ箱の中にはあったから)、その日は全く気にしなかった。2日前に冷蔵庫を何回か開けているが、注意して中を見回すわけでもなく、冷蔵庫の中で問題が発生しているとは考えもしなかったのだ。昨日は昨日でスポーツバーに行ったり、昼間は出先で外食だったため、冷蔵庫を1度も開けていなかった。結論を言います…。異臭の原因、それは冷蔵庫奥に長い間放置してたプラスチック製の小型牛乳ボトルがメルトダウンしていたんです。

新しいアパートに以降と思った矢先、どえらい物を目撃してしまい、仕方なく掃除をする事に。CSIのドラマじゃないけど、手袋(適当なのが無かったのでスキー用のもので)をはめて、風邪用マスクもつけて事故現場の処理を行った。これで1日のエネルギーの8割が使われたんだろうなぁ。うちの冷蔵庫の下の段にはトマトジュースやオレンジジュースが入っているが、牛乳も時々飲むので、同じ場所に入れている。そういえば、3週間くらい前にその牛乳を買った覚えがあるけど、トマトジュースなどの陰に隠れて、奥にそのまま放置されていたのだ。長期間の放置で、ボトルの中の牛乳が発酵して、なんらかの力でプラスチック製のボトルから漏れはじめたようだ。これからは、買った牛乳はその日に飲む事にシマス。

今日のロサンゼルス・タイムズ紙に面白い記事が出ていた。セントルイスにあるESSI社はイラクでの復興事業で莫大な利益をあげているが、ブッシュ大統領の叔父にあたる(ブッシュパパの弟)ウィリアム・ブッシュ氏が先月ストックオプションで得た同社株を売却し、45万ドル(約4800万円)を手にしていた事が判明した。ブッシュ大統領から「バッキーおじさん」の愛称で呼ばれるウィリアム氏は、イラク駐留米軍に防弾チョッキなどの軍用品を納めているESSI社の役員をつとめており、前線の兵士の間で防弾服不足が叫ばれる中で同社の株価は急激に上昇している。(ESSIのサイト:http://www.engineeredsupport.com/)

イラク戦争に関連したビジネスで利益を得るといえば、チェイニー副大統領とハリーバートンの関係が真っ先に浮かんでくるが、ブッシュ・ファミリーにも色々とあるようだ。現職大統領の身内がイラクでの戦争によって利益を得る事に対してモラルを問いたくもなるけど、ブッシュ家に職業倫理を求める事自体が「馬の耳に念仏」なのかもしれない。

証券取引委員会の調べでは、ウィリアム氏は先月18日に8438株を売却している。インタビューに答えたウィリアム氏は、株売却で約45万ドルを得た事を認めている。証券取引委員会が火曜日に発表した報告書では、ESSI社の収益は前年度よりも20パーセント増加しており、年間で1000億円近い数字になると見られる。現在66歳のウィリアム氏はセントルイスにある銀行や投資会社の重役を務めたのち、2000年にESSI社の役員に就任した。過去に受けた取材でウィリアム氏は、ESSI社のイラクでのビジネス展開に大統領のコネクションを使った事は無いと語り、役員就任前には法的な問題の有無も確認してきたとの事。ESSI社の副社長はウィリアム氏の役員としての起用は、同じ町の財界人として同氏をよく知っていたからだと答えている。

しかし、ESSI社のペンタゴン関連の仕事の中には、入札無しで受注した契約がいくつもあり、同業者の間からはブッシュコネクションを疑う声も出ている。複数の国防総省高官が先週ロサンゼルスタイムズ紙に明かしたところでは、ESSI社が2002年にペンタゴンから受注した総額1億5800万ドルの大型事業の詳細がペンタゴン内の特別監査官らによって捜査される見通しなのだという。この事業の監督をつとめたペンタゴン高官は、最近になってボーイング社を巻き込んだ汚職事件で有罪判決を受けて服役中だ。

ステロイド使用が噂されるサンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズ外野手は火曜日、春季トレーニングが行われているアリゾナ州スコッツデールで記者会見を開いたが、いつものボンズ同様にトゲのある態度で会見に臨み、薬物使用に関してはコメントを避けている。昨年12月にサンフランシスコ・クロニクル紙が報じたスクープ記事では、ボンズはすでに連邦大陪審で自らの薬物使用を証言している(バルコ社から提供された薬を、「禁止薬物とは知らずに」使ったと語った模様)。

会見が始まってすぐ、ボンズは記者たちを嘘つきどもと呼び、ステロイドよりも深刻な問題が世界中には存在するという持論を展開した。記者会見に100人以上の報道陣が詰め掛ける中、ボンズは「あんたらは同じ話を何回も繰り返すばっかりで、ドラマの再放送を見てるような気分だ。僕にジェラシーでも感じてるんじゃないの?」、と記者達に挑発を繰り返している。メジャー通算で703本のホームランを放ってきたボンズが、ベーブ・ルース(714本)とハンク・アーロン(755本)の記録を抜き去るのも時間の問題と見られている。

ステロイド使用はインチキかとの質問に、ボンズは「ステロイドでバッティングの技術が向上するわけでは無いので、個人的には関係が無いと思う」、と語っている。暴露本の出版が話題になっているホセ・カンセコとの関係については、「挨拶を交わす程度のもの」とコメントしており、出版の動機が小金欲しさのものだったのではと批判している。ベーブ・ルースの話題でボンズの持論は最高潮に達し、記録更新が近づくにつれて人種差別の影が見え隠れすると、彼独特の表現で語っている。「ベーブ・ルースは史上最高の選手だったけど、彼は黒人じゃない。僕ら黒人選手達の前には壁があるんだ。僕は人種主義者ではないけど、現実の世界に生きている人間の1人だ」、数十台のテレビカメラの前でボンズはそう語っている。

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