ブッシュ大統領による一般教書演説が行われている頃、旧ソ連のグルジアでは首相が友人宅でガス中毒により死亡しているのが発見されている。今のところ他殺や自殺の形跡もなく、捜査当局は事故死の可能性が最も高いと発表しているが、この時期の現職の首相がこのような形で死亡するのはやはり気になる。イランや北朝鮮ほどでは無いけど、グルジアも国内政治をめぐってブッシュ政権から圧力をかけられていた国の1つであり、「事故」のきっかけとなった友人宅のガスヒーターは2日前に使い始めたばかりのものだったとか。穏健派としても知られていた首相は、領土問題をめぐる民族間の調停役もつとめていただけに、これからの情勢が気になる。
戦争観は個人によって様々だと思うが、自らの主張を公の場でする際には気をつけるべきだ。海兵隊の現役中将の公の発言が問題視され、この中将の進退に注目が集まっているが、現在のところ海兵隊は何らかの罰則を与えるつもりはないようだ。数々の勲章を授与されたベテラン軍人のジェイムズ・マティス中将は火曜日にサンディエゴで開かれたフォーラムに出席した際、アフガニスタンとイラクで戦う米兵に関するジョークを飛ばし、さらに「戦場で敵を射殺するのは実際には面白いものだ」と発言した。さらにマティス中将は「アフガニスタンでは何年もの間、現地の男たちが女性を虐げてきたが、そんな男らしさのかけらも無いやつらを撃ち殺すのはなかなかのもんだ」とも発言している。
聴衆の多くは発言に笑い、拍手を送っていたが、海兵隊の現役高官の公の発言にふさわしくないという声もあり、木曜日になってマイク・ハギー海兵隊司令官が声明を発表した。声明によれば、ハギー司令官はマティス中将に口頭注意を行い、中将も自らの非を認めたのだという。しかし、現在のところ特別なペナルティは計画されていない模様。
また、ウィンスコンシン州ミルウォーキーのマーケット大学では共和党の学生らが開始しようとした募金キャンペーンにクレームがかかり、大学側が学内での募金活動を禁じている。この学生らはブレスレットを販売し、その売り上げ金でイラクやアフガニスタンに駐留する米軍狙撃兵らに物資援助を行おうとしていた。しかし、このブレスレットには「一撃必殺:後悔の念はなし」とのメッセージが彫られており、カトリック系教育機関として知られるマーケット大学は学内での販売活動案を却下したようだ。
全米プロホッケーリーグ(NHL)のオーナーの1人が匿名を条件に明かしたところでは、オーナー側によるロックアウトが続く今シーズンのNHLの試合が全てキャンセルされる見通しになった。複数のメディアが報じたところでは、このオーナーは全試合キャンセルの発表が木曜夜か金曜日に行われると語っており、5ヶ月にわたって繰り広げられたロックアウトは最悪の事態へと展開しそうだ。
木曜午後に選手会側とオーナー側の交渉が再度予定されており、今回はNHLコミッショナーや労働組合トップも出席するとの事だが、事態の打開に向けての材料は何も見当たらない。今シーズン試合が全てキャンセルされても、問題の核心部分であるサラリーキャップ制の是非については何の結論も出ておらず、来シーズン開幕までに何も解決されていない場合も考えられる。選手会によるロックアウトが実行に移されてからすでに141日が経過し、全1230試合のうち762試合がキャンセルされている。
機構側は今後6年間の条件で、各クラブが選手の人件費に最低3200万ドルを使い、その上で4200万ドルまでという上限を設ける提案を出しているが、選手会側からの承認は得られなかった。機構側の発表によると、NHL全体の売り上げの約75パーセントが選手の人件費として使われており、機構側はこの比率を53~55パーセントにまで引き下げようと考えている。
アイスホッケー全米位置を決めるスタンレー・カップは1893年より開かれている歴史ある大会だけど、大会が1度だけ中止に追い込まれた事があり、それは1919年にアメリカでインフルエンザが大流行した際だった。今シーズンのリーグ戦中止の発表は間も無くかと思われるが、中止が正式に決まった場合、アメリカのメジャースポーツ史上初めて労使紛争によってシーズン全体が中止に追い込まれた例となる。スト後にアメリカで野球の人気回復が非常にハードなものだった事を考えると、プロアイスホッケーの将来には悲観的にならざるを得ない。僕が学生時代を過ごしたボストンでは路上でホッケーの練習をする子供達をよく見かけたが、ファンは今回の騒動をどう感じているのだろうか?
僕が北アイルランドのベルファストを訪れたのが1994年の夏。当時はIRAと英軍が「戦争状態」にあり、ほとんどの街角で装甲車に乗ったイギリス兵を見た記憶がある。ある晩、僕が眠っている間に、3ブロック先ではプロテスタント系活動家3人がIRAに「処刑」された事もあった。それから間も無くして停戦。これまで散発的なテロ活動はあったけど、ようやく和平に向けて歩みだしていた。少なくとも、多くの人がそう信じてた。しかし、IRAは2日に声明を発表し、その中で1998年の北アイルランド和平合意で定められた武装解除に当面協力しない事を表明している。また木曜日にはアイルランド国営放送にも声明が届き、「深刻な状況になるかもしれない」と英政府らに警告を発している。
昨年12月、IRAは完全な武装解除に応じる姿勢を見せていたが、同じ月にベルファスト市内の銀行で25億円以上が強奪される事件が発生し、捜査当局や英政府はIRAの仕業と非難していた。強盗事件での英政府の対応がIRAの協力姿勢を変化させたのかどうかは不明だが、和平プロセスの事実上の後退で、再びテロ事件が発生する可能性も出てきている。また、IRA側が求めている北アイルランド駐留兵士1万1000名の即時撤退に関してブレア首相は何のアクションも起こしておらず、これもIRA側のフラストレーションの一因になったと考えられている。タイタニック号が作られ、60年代最高のサッカー選手の出身地でもあり、(僕の意見だけど)ヨーロッパではザグレブに次いで美女が多く住むベルファスト。この町で背後を気にせずに歩ける日は来るのだろうか?
戦争観は個人によって様々だと思うが、自らの主張を公の場でする際には気をつけるべきだ。海兵隊の現役中将の公の発言が問題視され、この中将の進退に注目が集まっているが、現在のところ海兵隊は何らかの罰則を与えるつもりはないようだ。数々の勲章を授与されたベテラン軍人のジェイムズ・マティス中将は火曜日にサンディエゴで開かれたフォーラムに出席した際、アフガニスタンとイラクで戦う米兵に関するジョークを飛ばし、さらに「戦場で敵を射殺するのは実際には面白いものだ」と発言した。さらにマティス中将は「アフガニスタンでは何年もの間、現地の男たちが女性を虐げてきたが、そんな男らしさのかけらも無いやつらを撃ち殺すのはなかなかのもんだ」とも発言している。
聴衆の多くは発言に笑い、拍手を送っていたが、海兵隊の現役高官の公の発言にふさわしくないという声もあり、木曜日になってマイク・ハギー海兵隊司令官が声明を発表した。声明によれば、ハギー司令官はマティス中将に口頭注意を行い、中将も自らの非を認めたのだという。しかし、現在のところ特別なペナルティは計画されていない模様。
また、ウィンスコンシン州ミルウォーキーのマーケット大学では共和党の学生らが開始しようとした募金キャンペーンにクレームがかかり、大学側が学内での募金活動を禁じている。この学生らはブレスレットを販売し、その売り上げ金でイラクやアフガニスタンに駐留する米軍狙撃兵らに物資援助を行おうとしていた。しかし、このブレスレットには「一撃必殺:後悔の念はなし」とのメッセージが彫られており、カトリック系教育機関として知られるマーケット大学は学内での販売活動案を却下したようだ。
全米プロホッケーリーグ(NHL)のオーナーの1人が匿名を条件に明かしたところでは、オーナー側によるロックアウトが続く今シーズンのNHLの試合が全てキャンセルされる見通しになった。複数のメディアが報じたところでは、このオーナーは全試合キャンセルの発表が木曜夜か金曜日に行われると語っており、5ヶ月にわたって繰り広げられたロックアウトは最悪の事態へと展開しそうだ。
木曜午後に選手会側とオーナー側の交渉が再度予定されており、今回はNHLコミッショナーや労働組合トップも出席するとの事だが、事態の打開に向けての材料は何も見当たらない。今シーズン試合が全てキャンセルされても、問題の核心部分であるサラリーキャップ制の是非については何の結論も出ておらず、来シーズン開幕までに何も解決されていない場合も考えられる。選手会によるロックアウトが実行に移されてからすでに141日が経過し、全1230試合のうち762試合がキャンセルされている。
機構側は今後6年間の条件で、各クラブが選手の人件費に最低3200万ドルを使い、その上で4200万ドルまでという上限を設ける提案を出しているが、選手会側からの承認は得られなかった。機構側の発表によると、NHL全体の売り上げの約75パーセントが選手の人件費として使われており、機構側はこの比率を53~55パーセントにまで引き下げようと考えている。
アイスホッケー全米位置を決めるスタンレー・カップは1893年より開かれている歴史ある大会だけど、大会が1度だけ中止に追い込まれた事があり、それは1919年にアメリカでインフルエンザが大流行した際だった。今シーズンのリーグ戦中止の発表は間も無くかと思われるが、中止が正式に決まった場合、アメリカのメジャースポーツ史上初めて労使紛争によってシーズン全体が中止に追い込まれた例となる。スト後にアメリカで野球の人気回復が非常にハードなものだった事を考えると、プロアイスホッケーの将来には悲観的にならざるを得ない。僕が学生時代を過ごしたボストンでは路上でホッケーの練習をする子供達をよく見かけたが、ファンは今回の騒動をどう感じているのだろうか?
僕が北アイルランドのベルファストを訪れたのが1994年の夏。当時はIRAと英軍が「戦争状態」にあり、ほとんどの街角で装甲車に乗ったイギリス兵を見た記憶がある。ある晩、僕が眠っている間に、3ブロック先ではプロテスタント系活動家3人がIRAに「処刑」された事もあった。それから間も無くして停戦。これまで散発的なテロ活動はあったけど、ようやく和平に向けて歩みだしていた。少なくとも、多くの人がそう信じてた。しかし、IRAは2日に声明を発表し、その中で1998年の北アイルランド和平合意で定められた武装解除に当面協力しない事を表明している。また木曜日にはアイルランド国営放送にも声明が届き、「深刻な状況になるかもしれない」と英政府らに警告を発している。
昨年12月、IRAは完全な武装解除に応じる姿勢を見せていたが、同じ月にベルファスト市内の銀行で25億円以上が強奪される事件が発生し、捜査当局や英政府はIRAの仕業と非難していた。強盗事件での英政府の対応がIRAの協力姿勢を変化させたのかどうかは不明だが、和平プロセスの事実上の後退で、再びテロ事件が発生する可能性も出てきている。また、IRA側が求めている北アイルランド駐留兵士1万1000名の即時撤退に関してブレア首相は何のアクションも起こしておらず、これもIRA側のフラストレーションの一因になったと考えられている。タイタニック号が作られ、60年代最高のサッカー選手の出身地でもあり、(僕の意見だけど)ヨーロッパではザグレブに次いで美女が多く住むベルファスト。この町で背後を気にせずに歩ける日は来るのだろうか?