ピーター・ジェニングス死去のニュースから24時間あまり、僕はあのカナダ生まれのスタイリッシュなアンカーがまたニュース番組に戻ってくるんじゃないかと今でも思ったりするけど、各局が朝から流している彼の追悼番組を目にすると、やはりジェニングスはもうこの世にいない事をいやでも認識させられてしまう。ジェニングスがABCニュースのアンカーになったのが1965年で、彼はこのときまだ26歳の若さだった。肺癌で亡くなったジェニングスだが、一説には13歳の時から愛煙家だったようで、1988年になって禁煙に成功している。26歳の若さでネットワークテレビのアンカーに抜擢された話も凄いけど(おそらく、この記録が破られる事はないだろう)、高校と大学をそれぞれ中退して(学校よりもラジオの世界に進みたかったらしい)、4回の結婚を繰り返した人間味溢れるところが、僕がジェニングスを好きだった理由かもしれない。エドワード・マロウしかり、オールドスクールなブロードキャスターには破天荒なジェントルマンが多いのだ。
アメリカのニュース・ラジオ界で伝説となっているマロウ、彼にまつわるエピソードはいろいろとあるけど、第2次世界大戦中のロンドンでの仕事が最も有名かもしれない。戦争勃発前にCBSラジオの特派員としてロンドン入りしていたマロウは、やがてドイツ軍によるロンドン空襲が始まると、空襲の様子をラジオで実況中継したのだ。1991年の湾岸戦争で、ピーター・アーネットやバーナード・ショーが多国籍軍による空爆を実況中継したのは記憶に新しいけど、その50年近く前にマロウはすでに空襲の実況中継を行っていた。彼の第一声「こちら…、ロンドンです」は、ジャーナリズムの教科書なんかにも出てくる有名なフレーズだ。新しい事へのチャレンジが好きなマロウだったけど、唯一変えなかったスタイルが右手にはさんだタバコで、テレビの世界に移ってからもこれは同じだったようだ。僕も大学院時代にマロウの記録フィルムを見たが、大統領候補にインタビューする間も、何本ものタバコが消費されていた。
マロウよりもスタイリッシュなジェニングスは、これまでも国内の保守派から「リベラルすぎる」と批判されてきたアンカーだけど、26歳で抜擢されたアンカーの仕事も波乱万丈そのものだった。カナダなまりの英語や、文法の間違い、さらにはアメリカ文化についての知識の乏しさまで指摘され、ジェニングスは3年でアンカーの座から降ろされる。しかし、海外特派員としてABCに残ったジェニングスは、第4次中東戦争やレバノン内戦といった中東地域のニュースを度々カバーし、ヨーロッパでもミュンヘン五輪テロ事件の現場実況をつとめたりしている。特派員生活で強さと経験を得たジェニングスは、やがてABCニュースのアンカーに復帰している。「同僚は彼を愛し、ライバルは彼を尊敬した」-今日のニュース番組の中で、ジェニングスについてそう語る報道関係者がいた。「規格外」のバイタリティで世界中を走り回ったジェニングスの死、ひとつの時代が終焉を迎えたんだなと思う。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所で行われている原油先物相場で、月曜日に原油価格が一時1バレルあたり64ドルにまで達し、終値は1バレル=63.94ドルまで値を下げたものの、先週金曜日の62.31ドルから最高値を大幅に更新する格好となった。3営業日連続で原油価格が最高値を更新した背景だが、関係者らがAP通信に語ったところでは、アメリカ政府がテロ発生の恐れからサウジアラビアにある大使館を閉鎖した事が大きな原因となっているようだ。また、アメリカ国内の石油製油所が火災などのために操業停止状態になっており、これが将来的なガソリンなどの供給不足を生むのではという懸念が発生していた。
エネルギー省の発表では、原油価格の高騰はアメリカ国内のガソリン価格にもすでに影響を与え始めており、先週だけでレギュラー・ガソリンが1ガロンあたり8セント値上げされて2ドル37セントにまで上昇した。アメリカ国内のガソリン価格(1ガロンあたり)は、今年だけですでに全国平均で49セント上昇している。全米における7月のガソリン消費量は1日当たり910万バレルとの事で、前年よりも約1パーセント増加している。石油アナリストのマーシャル・スティーブス氏はAP通信の取材に対し、国内の石油需要が著しく低下するか、もしくは経済成長が低速化しない限りは、石油やガソリンの価格はこれからも上昇を続けるだろうと語っている。「当分の間は、そういった事が起こるとは思えませんが」、スティーブス氏はそう付け加えた。
月曜日に原油価格が一時64ドルまで上昇した背景だが、在サウジアラビア米大使館の閉鎖やアメリカ国内の石油精製施設での火災(先週、フィラデルフィアにあるスノコ社所有の精製所で火災が発生している)などに加え、さらに幾つかの不安定要素の存在が挙げられている。石油輸出国機構(OPEC)でサウジアラビアに次いで発言力のあるイランは8日、イスファハン近郊の核施設でウラン転換作業を再開している。アメリカやEUはイラン政府がウラン転換作業を再開すれば、国連安全保障理事会のもとで制裁活動を行う可能性があると以前から警告しており、この動きが市場に少なからず影響を与えたと指摘する関係者もいる。また、インド北部の石油パイプラインも反政府勢力によって攻撃を受けており、復旧にはしばらく時間がかかりそうだ。
43年前に薬物中毒で死亡した女優マリリン・モンローだが、当時の捜査官の中には彼女の死因が自殺とは考えにくいと公言するものもいる。ロサンゼルス郡検察官としてモンローの死因を調査したジョン・マイナー氏は、モンローが死の直前に心理学者のラルフ・グリーンソン博士とのセラピーで将来の夢を語っていた事に注目し、彼女が自殺をする原因が見当たらないと語っている。マイナー氏によれば、グリーンソン博士とモンローとの会話のやり取りはテープに録音されており、過去にこのテープを聞いたことがあるのだという。マイナー氏がその存在を主張するテープでは、モンローがうつ状態でなかった事や、シェークスピアの作品にトライしたい希望を持っていたことなどが語られているそうだ。マイナー氏はテープの内容をトランスクリプトにまとめたが、グリーンソン博士はすでにこの世を去っているため、テープが本当に存在したかを示す証拠はない。
マイナー氏がABCニュースに見せたトランスクリプトでは、セラピー中のモンローが「シェークスピアの作品を何度も読んで、セリフの練習もしたわ。(ロミオとジュリエットの)ジュリエット役に挑戦したいと思ってる」とグリーンソン博士に語っているとされる。「こんな会話をしている人物が、はたして自殺などするもんですかね?」、マイナー氏はABCニュースの取材にそう語った。トランスクリプトの別の箇所では、モンローはアカデミー賞女優であったジョアン・クロフォードとの同性愛関係についても語っており、彼女自身はクロフォードとの関係を楽しんではいなかったようだ。テープそのものが現在は存在しないため、マイナー氏の作ったトランスクリプトの信憑性を確かめる術はないが、ケネディ大統領の弟で司法長官をつとめたロバート・ケネディとの間にもロマンスが存在したと、マイナー氏は語る。テープでは、ロバートとの関係を清算したいモンローが、彼を傷つけるのを恐れて別れ話を持ち出せずにいる様子を語った部分が存在していたとの事。
作家のマシュー・スミス氏は2003年に発表したモンローの死に関するミステリーを扱った本の中で、マイナー氏のトランスクリプトにも触れている。スミス氏はこれまでの調査からモンローが自殺を考えるようなタイプでは決して無かったと結論付け、実際の彼女が非常に前向きな性格だったことに注目していると語った。スミス氏はモンローは自殺ではなく、当時のCIA工作員によって殺害されたというセオリーを語った。「ケネディ兄弟がモンローの死に関係していたという説ですが、僕には信用できない話ですね。僕は当時のケネディ政権の政策に幻滅したピッグス湾事件の生き残り、つまりCIAが関与したと確信しています」、あくまでも仮説を強調するスミス氏だが、ピッグス湾事件の怒りが収まらないCIA内部の人間がケネディ兄弟とモンローとの情事を利用しようとしたのだと力説する。モンローの死によって、3人の不適切な関係が公になる事を望む勢力が存在したと語るスミス氏は、「これは完全な策略だったんです」とコメントした。
読売ジャイアンツとニューヨーク・ヤンキースのファンという日本の友人からメールがあり、阪神タイガースとボストン・レッドソックスのファンである僕はこのパレスチナとイスラエルのような関係を楽しんでもいるんだけど、メールの内容はやはりレッドソックスへのイヤミそのものだった。まぁ、どういうことかと説明すると、レッドソックスのロースターには元巨人のゲーブ・キャプラーとロベルト・ペタジーニが名前を連ねており、メールは「巨人で成功しなかった選手を使うなんて、レッドソックスもヤキがまわったな」みたいな内容。天邪鬼な僕はすぐにメールを返信し、「そうじゃなくて、実力のある選手でも、巨人に行けばダメになる。事実はそういうことでしょう」と言ってやった(ご心配なく、これでも昔からの友人です…)。でも、これって意外と的を得てると思うんだけどなぁ。おそらく、現役時代のテッド・ウイリアムズでも、今の巨人で活躍するのは難しいんじゃないかな。
アメリカのニュース・ラジオ界で伝説となっているマロウ、彼にまつわるエピソードはいろいろとあるけど、第2次世界大戦中のロンドンでの仕事が最も有名かもしれない。戦争勃発前にCBSラジオの特派員としてロンドン入りしていたマロウは、やがてドイツ軍によるロンドン空襲が始まると、空襲の様子をラジオで実況中継したのだ。1991年の湾岸戦争で、ピーター・アーネットやバーナード・ショーが多国籍軍による空爆を実況中継したのは記憶に新しいけど、その50年近く前にマロウはすでに空襲の実況中継を行っていた。彼の第一声「こちら…、ロンドンです」は、ジャーナリズムの教科書なんかにも出てくる有名なフレーズだ。新しい事へのチャレンジが好きなマロウだったけど、唯一変えなかったスタイルが右手にはさんだタバコで、テレビの世界に移ってからもこれは同じだったようだ。僕も大学院時代にマロウの記録フィルムを見たが、大統領候補にインタビューする間も、何本ものタバコが消費されていた。
マロウよりもスタイリッシュなジェニングスは、これまでも国内の保守派から「リベラルすぎる」と批判されてきたアンカーだけど、26歳で抜擢されたアンカーの仕事も波乱万丈そのものだった。カナダなまりの英語や、文法の間違い、さらにはアメリカ文化についての知識の乏しさまで指摘され、ジェニングスは3年でアンカーの座から降ろされる。しかし、海外特派員としてABCに残ったジェニングスは、第4次中東戦争やレバノン内戦といった中東地域のニュースを度々カバーし、ヨーロッパでもミュンヘン五輪テロ事件の現場実況をつとめたりしている。特派員生活で強さと経験を得たジェニングスは、やがてABCニュースのアンカーに復帰している。「同僚は彼を愛し、ライバルは彼を尊敬した」-今日のニュース番組の中で、ジェニングスについてそう語る報道関係者がいた。「規格外」のバイタリティで世界中を走り回ったジェニングスの死、ひとつの時代が終焉を迎えたんだなと思う。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所で行われている原油先物相場で、月曜日に原油価格が一時1バレルあたり64ドルにまで達し、終値は1バレル=63.94ドルまで値を下げたものの、先週金曜日の62.31ドルから最高値を大幅に更新する格好となった。3営業日連続で原油価格が最高値を更新した背景だが、関係者らがAP通信に語ったところでは、アメリカ政府がテロ発生の恐れからサウジアラビアにある大使館を閉鎖した事が大きな原因となっているようだ。また、アメリカ国内の石油製油所が火災などのために操業停止状態になっており、これが将来的なガソリンなどの供給不足を生むのではという懸念が発生していた。
エネルギー省の発表では、原油価格の高騰はアメリカ国内のガソリン価格にもすでに影響を与え始めており、先週だけでレギュラー・ガソリンが1ガロンあたり8セント値上げされて2ドル37セントにまで上昇した。アメリカ国内のガソリン価格(1ガロンあたり)は、今年だけですでに全国平均で49セント上昇している。全米における7月のガソリン消費量は1日当たり910万バレルとの事で、前年よりも約1パーセント増加している。石油アナリストのマーシャル・スティーブス氏はAP通信の取材に対し、国内の石油需要が著しく低下するか、もしくは経済成長が低速化しない限りは、石油やガソリンの価格はこれからも上昇を続けるだろうと語っている。「当分の間は、そういった事が起こるとは思えませんが」、スティーブス氏はそう付け加えた。
月曜日に原油価格が一時64ドルまで上昇した背景だが、在サウジアラビア米大使館の閉鎖やアメリカ国内の石油精製施設での火災(先週、フィラデルフィアにあるスノコ社所有の精製所で火災が発生している)などに加え、さらに幾つかの不安定要素の存在が挙げられている。石油輸出国機構(OPEC)でサウジアラビアに次いで発言力のあるイランは8日、イスファハン近郊の核施設でウラン転換作業を再開している。アメリカやEUはイラン政府がウラン転換作業を再開すれば、国連安全保障理事会のもとで制裁活動を行う可能性があると以前から警告しており、この動きが市場に少なからず影響を与えたと指摘する関係者もいる。また、インド北部の石油パイプラインも反政府勢力によって攻撃を受けており、復旧にはしばらく時間がかかりそうだ。
43年前に薬物中毒で死亡した女優マリリン・モンローだが、当時の捜査官の中には彼女の死因が自殺とは考えにくいと公言するものもいる。ロサンゼルス郡検察官としてモンローの死因を調査したジョン・マイナー氏は、モンローが死の直前に心理学者のラルフ・グリーンソン博士とのセラピーで将来の夢を語っていた事に注目し、彼女が自殺をする原因が見当たらないと語っている。マイナー氏によれば、グリーンソン博士とモンローとの会話のやり取りはテープに録音されており、過去にこのテープを聞いたことがあるのだという。マイナー氏がその存在を主張するテープでは、モンローがうつ状態でなかった事や、シェークスピアの作品にトライしたい希望を持っていたことなどが語られているそうだ。マイナー氏はテープの内容をトランスクリプトにまとめたが、グリーンソン博士はすでにこの世を去っているため、テープが本当に存在したかを示す証拠はない。
マイナー氏がABCニュースに見せたトランスクリプトでは、セラピー中のモンローが「シェークスピアの作品を何度も読んで、セリフの練習もしたわ。(ロミオとジュリエットの)ジュリエット役に挑戦したいと思ってる」とグリーンソン博士に語っているとされる。「こんな会話をしている人物が、はたして自殺などするもんですかね?」、マイナー氏はABCニュースの取材にそう語った。トランスクリプトの別の箇所では、モンローはアカデミー賞女優であったジョアン・クロフォードとの同性愛関係についても語っており、彼女自身はクロフォードとの関係を楽しんではいなかったようだ。テープそのものが現在は存在しないため、マイナー氏の作ったトランスクリプトの信憑性を確かめる術はないが、ケネディ大統領の弟で司法長官をつとめたロバート・ケネディとの間にもロマンスが存在したと、マイナー氏は語る。テープでは、ロバートとの関係を清算したいモンローが、彼を傷つけるのを恐れて別れ話を持ち出せずにいる様子を語った部分が存在していたとの事。
作家のマシュー・スミス氏は2003年に発表したモンローの死に関するミステリーを扱った本の中で、マイナー氏のトランスクリプトにも触れている。スミス氏はこれまでの調査からモンローが自殺を考えるようなタイプでは決して無かったと結論付け、実際の彼女が非常に前向きな性格だったことに注目していると語った。スミス氏はモンローは自殺ではなく、当時のCIA工作員によって殺害されたというセオリーを語った。「ケネディ兄弟がモンローの死に関係していたという説ですが、僕には信用できない話ですね。僕は当時のケネディ政権の政策に幻滅したピッグス湾事件の生き残り、つまりCIAが関与したと確信しています」、あくまでも仮説を強調するスミス氏だが、ピッグス湾事件の怒りが収まらないCIA内部の人間がケネディ兄弟とモンローとの情事を利用しようとしたのだと力説する。モンローの死によって、3人の不適切な関係が公になる事を望む勢力が存在したと語るスミス氏は、「これは完全な策略だったんです」とコメントした。
読売ジャイアンツとニューヨーク・ヤンキースのファンという日本の友人からメールがあり、阪神タイガースとボストン・レッドソックスのファンである僕はこのパレスチナとイスラエルのような関係を楽しんでもいるんだけど、メールの内容はやはりレッドソックスへのイヤミそのものだった。まぁ、どういうことかと説明すると、レッドソックスのロースターには元巨人のゲーブ・キャプラーとロベルト・ペタジーニが名前を連ねており、メールは「巨人で成功しなかった選手を使うなんて、レッドソックスもヤキがまわったな」みたいな内容。天邪鬼な僕はすぐにメールを返信し、「そうじゃなくて、実力のある選手でも、巨人に行けばダメになる。事実はそういうことでしょう」と言ってやった(ご心配なく、これでも昔からの友人です…)。でも、これって意外と的を得てると思うんだけどなぁ。おそらく、現役時代のテッド・ウイリアムズでも、今の巨人で活躍するのは難しいんじゃないかな。