IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

20代最後の肉離れ…、であってほしいですけど

2005-08-16 13:56:11 | スポーツ
が学会に出席するため、明日の朝ワシントンに来る。今回は4泊5日の滞在予定で、我が家の近くのホテルに泊まるので、時間があれば一緒にワシントン観光なんかもしたいなぁと思っているのだ。よく考えれば、初めてのワシントン観光もうちの姉と一緒で、その時は2人でアーリントン国立墓地にあるケネディ大統領の墓を訪れた記憶がある。姉と一緒にアーリントン国立墓地に行く1年前、僕は一緒にGRE(大学院に入るための共通試験)を勉強していた友人らとボストンから夜行列車に乗って、2泊3日の旅行に行っているけれど、その時は国会議事堂からそれほど離れていないアイリッシュパブでドイツ人の学生と仲良くなり、次の日も朝からアイリッシュパブでサッカー談義に終始してしまったのだ。1回目のワシントン旅行で撮った写真といえば、ボストン行きの列車が出発るギリギリの時間で撮影した国会議事堂の写真が何枚かだけ。本当のワシントン観光は翌年まで待たなければならなかった。

姉が博士号を取得する際に担当教官だった教授夫妻もセントルイスから遊びに来るようで、水曜夜に計画しているディナーが今から楽しみだ。僕がアメリカに来る前の98年4月頃、日本に旅行に来た教授夫妻と僕の3人で長崎に旅行した事があったけど、長崎ちゃんぽんを3人で食べながら原爆や隠れキリシタンの話を夜遅くまでしたのが懐かしい。旦那さんのジョーにはボストン時代にも御世話になっていて、まだどこの大学院に行くか決めかねていた頃、ミズーリー大学コロンビア校のジャーナリズム・スクールの説明会に行った事がある。セントルイスのジョー夫妻宅に1泊してから、翌日朝にミズーリーとカンザスのちょうど真ん中にあるコロンビアの町までジョーが自家用車を運転して送ってくれた。その日の朝は雷を伴ったえらい雨模様で、草原地帯の真ん中に作られた道路を走っていると、叩きつけるような雨のために前がほとんど見えない状態。そんな中、ジョーさんは「説明会に遅れたらイカン」と、時速120キロのスピードをコロンビアまで落とすことは無かった。70代パワー、おそるべし。

週末に見た映画がもう一本あって、ビリー・ボブ・ソートン主演の「ジ・アラモ」という歴史物。1836年にテキサス州で実際にあった「アラモ砦の戦い」を描いた作品で、これまでにも何度も映画化されている話だ。現在のテキサス州サン・アントニオにあるアラモ砦を占領したテキサス軍(野球チームみたいな名前だけど、実際にあった)とメキシコ軍が13日におよぶ戦闘を繰り広げ、アラモ砦のアメリカ人はほとんど全滅してしまうけれど、その後テキサス軍はメキシコからテキサス共和国の承認を取り付けている。やがてアメリカ合衆国の一部となるテキサスだけど、1836年からの9年間は実際に「テキサス共和国」が存在した。「テキサスはアメリカの中でも特殊な町」といった話を時々耳にするけれど、アメリカの一部となるまでの歴史を見れば、一目瞭然だ。ちなみに、テキサス州ヒューストンは、メキシコ軍を打ち負かした部隊の指揮官サム・ヒューストン(映画ではデニス・クエイドが演じている)にちなんで付けられた名前なんだとか。

全米プロフットボールリーグ(NFL)の新シーズン開幕を控え、それぞれのチームが炎天下でトレーニング・キャンプを行っているが、ミネソタ・バイキングスのキャンプ地ミナカト(ミネソタ州)では、グランド近くに生えた1本の木に飾り版が付けられている。「ビッグKを追悼して」とメッセージが書かれた飾り版は、チームの人気選手だったコーリー・ストリンガーに敬意を表して作られたもので、ストリンガーは4年前の7月に行われたキャンプ中に熱射病で死亡している。ストリンガーの死亡事故は当時のNFL関係者にも衝撃を与え、現在ではバイキングスを含む幾つかのチームが、選手に特別な錠剤を与えている。チームドクターは錠剤を服用した選手の中核体温をモニターでき、これによって真夏の練習中に熱射病などの事故を未然に防ぐ事が期待されている。

中核体温をモニターするための特別な錠剤は、1980年代後半にフロリダ州のHQ社によって開発されており、この数年間でスポーツ選手やチームからの需要が急増している。HQ社のスーザン・スミス広報担当はAP通信の取材に対し、炎天下で練習を行うフットボールやテニス、陸上競技の選手達からの需要が特に高いと語っている。NFLではバイキングスの他に、ジャクソンビル・ジャガーズとフィラデルフィア・イーグルスも錠剤を選手に投与しており、真夏日にパッドやヘルメットを着用して練習しなければならない選手達の体調管理に必死だ。2001年7月31日、バイキングスのキャンプ地マンカトの熱指数は摂氏43度に達しており、その年で最も暑い1日だった。練習中から体調に異常を感じていたストリンガーは、最後の練習終了から15時間後に近くの病院で死亡している。死亡直後のストリンガーの体感温度は摂氏42度を超えていた。

ストリンガーの死は現在も当時のチームメイトの記憶から離れることは無く、センターのコリー・ウィスローは「当時の記憶は今でも鮮明に覚えていて、それこそ1日中でも頭に浮かんでくる」と語っている。現在はバイキングスでプレーするパット・ウイリアムズは、ストリンガーが熱射病で死亡した事故を聞いた瞬間、体調管理を真剣に考え始めたそうだ。ストリンガーとほぼ同じ体重(317パウンド)のウイリアムズは、食生活を改め、体重にも気を使うようになり、現在はチームから支給されているHQ社製の錠剤を練習前に必ず服用している。NFLの歴史上最も悲劇的なケースとして知られるストリンガーの死亡事故だが、この事故がきっかけで各チームが夏のトレーニングキャンプのメニューの安全性を真剣に考慮し始めたのも事実だ。すでに各チームでは体格の大きな選手が炎天下でハードトレーニングを行った場合の危険性が議論されており、HQ社の錠剤を使用するチームはこれからも増えそうだ。

12日付のロサンゼルス・タイムズ紙は、カリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事と不倫関係にあった女性が、知事と関係の深い出版社から「口止め料」を渡されていたと報じた。同紙が報じたところによると、タブロイド紙「ナショナル・エンクワイアー」を発行するアメリカン・メディア社が、元コマーシャルモデルのジジ・ゴエットに2万ドルを支払っていた模様だ。ゴエットさんは以前にもシュワルツェネッガー氏との不倫関係が取りざたされており、2001年にナショナル・エンクワイアー紙は2人の7年間に渡る不倫関係を記事にしている。アメリカン・メディア社からゴエットさんへの支払いは、シュワルツェネッガー氏がカリフォルニア州知事選に出馬を表明した数日後に行われており、ゴエットさんの友人にも1000ドルで「口止め契約」が交わされたとロサンゼルス・タイムズ紙は報じている。ゴエットさんは2万ドルの受け取りについて否定しているものの、彼女の友人のジュディ・モラさんは1000ドルを受け取ったことを認めている。

アメリカン・メディア社とモラさんの間で「口止め契約」が交わされたのが2003年8月8日の事で、8月14日にはカリフォルニア知事候補となったシュワルツェネッガー氏とフィットネス関係の雑誌の出版も手がけるアメリカン・メディア社が、シュワルツェネッガー氏のフィットネス雑誌編集主幹就任についての話し合いを行っている。シュワルツェネッガー知事の広報担当責任者であるロブ・スタッツマン紙はロサンゼルス・タイムズ紙の取材に対し、アメリカン・メディア社が2人の女性と「口止め規約」を交わしていたことを知事は知らなかったと語り、同社の行動に知事候補だったシュワルツェネッガー氏が関与していた可能性を真っ向から否定した。知事就任直前にアメリカン・メディア社のフィットネス雑誌で編集主幹も務めることになったシュワルツェネッガー氏は、知事就任後にカリフォルニア州のサプリメント産業に対する規制法案に拒否権を発動している。

2人の女性が「口止め契約」にサインした頃、シュワルツェネッガー氏の知事候補としての支持率は伸び悩みを見せており、女性スキャンダルが明るみになれば、支持率の低迷は確実なものとなっていた可能性もある。12日に知事の女性スキャンダルが初めて報じられると、カリフォルニア州で11月に予定される特別選挙でライバルとなる民主党からは、さっそく非難が噴出している。「もう何回目なのかすら覚えていませんが、シュワルツェネッガー知事はまたも真実を隠し通せなかったようですね。あとどれだけの秘密が知事にはあるんでしょうか」、カリフォルニア民主党のボブ・ムルホランド氏は皮肉を込めてそう語った。2003年の知事選挙期間中、ゴエットさんはシュワルツェネッガー氏との関係について一切公言する事が無かったが、複数の女性がセクハラを受けたと名乗り出ていた。

今日は今からもう寝ます。夜から参加したサッカーの練習で右足に軽い肉離れを起こしてしまい、友人から借りたスプレーをその場で何度も吹きかけてみたけれど、明日は大丈夫かな。肉離れなんて、いったい何年ぶりでしょうか?今は全然大丈夫だけど、肉離れの瞬間には本当に歩けなくなったほどで…。でも、そんな時にチームメイトが肩を貸してくれたり、グランド横に座る僕のところにペットボトルの水を持って来てくれたりして、少しばかり嬉しい気分に。みんな、本当にイイ奴だよ。