
1.中毒
2.人間
3.警報
4.明日はない
5.君の目も鼻も口も顎も眉も寝ても覚めても超素敵!!!
6.かわいい
7.明日の夜は何が食べたい?
8.ドライブ
9.はなればなれでも
10.壊したんだ
11.ごめんね
12.通り雨
13.夢で逢えても
みんな嘘をついてるんでしょう?
(真っ白なフリ上手いやつばかりだな)
みんな自分が可愛いんでしょう?
(笑えないんだよ君のその冗談は)
みんな嘘をついてるんでしょう?
(くだらなすぎて笑っているだけだよ)
みんな無理して笑ってるんでしょう?
(みんなだってきっとそうでしょう?) (人間)
今年の6月末に出たアルバムかな
感想を書くタイミングとしてはかなり遅いんですけど、
そもそも前作である「6」の全曲レビューが終わって無かったので・・・
自分の中で、
それ終わらせずに新作のレビューを書いてしまったら、
なあなあのまま最後までやれてなかった気がしてたんで仕方無いですね
まあ、syrup16gの全曲レビューとかも全然終わってないし(爆
今作はね、
はっきり言って最高傑作ですね。
それはもう、前作を聴いた時も同じ事思ったんですけど笑
最新作が一番良いと思えるというのは健全ですよね
前作は、
正当に音楽性が深化した傑作だと感じてたんですけど、
今作はよりロックバンドっぽくなって来た作品と言えるんじゃないですかね
曲目を見て下さい
のっけから「中毒」「人間」「警報」って、
一体何が起こったの?って感じじゃないですか笑
でも、
これが最近のSHISHAMOのモードなんだと思います
半分ぐらいポップである事を放棄してよりロックバンドらしい音を求め始めたというか。
でも、
「はなればなれでも」はオシャレなシティポップ風の曲調だし、
「明日の夜は何が食べたい?」は従来のシシャモらしい楽曲だと思うし、
「通り雨」もNHK-FMミュージックラインにゲストで来た時に流してましたけど、
これまたシシャモらしい切なくてメロディが凝ってる王道のラブソングに仕上がってると思います
ちなみにMr.Childrenにも「通り雨」って曲があってそっちも個人的には大好きですね笑
シシャモの方はちょっと大人びたテイストでもあってそれもまた沁みましたね。
そう、
全部殺伐とした感じの曲にするんじゃなくて、
きっちり従来のファンにも刺さる様な楽曲も入ってるんですよね
そのバランス感覚というか抜け目の無さもまたニクいアルバムになってます
結構、
序盤の曲目がイカつくはあるんですが、
新旧のSHISHAMOの良さがフルボリュームで詰まってる新譜になってるので、
そういう意味合いでは入門にも相応しい印象の作品かもしれません
一方で、
サウンドデザイン的には
今までのポップロック路線から一転して
「警報」「人間」「壊したんだ」「夢で逢えても」みたいな、
所謂インディーロックみたいなアレンジが増えててそこも面白いです
なんというか、
良い意味で変わったなというか、
純然たるロックバンドとしての音の気持ち良さを追求してる曲も多くて、
そういう意味だとこの先も益々音の感じが変化しそうでワクワクした作品でもありました
マニアックなアレンジが増えそうというか、「壊したんだ」なんて打ち込みも解禁してますからね
ああいうのもアリなら、今後もっと(良い意味で)変化球なアレンジも増えそう、とか。
ロックもポップも全部飲み込んで一まとめにしたような豪快さが素敵な作品でした。
兎角、純粋に良い曲、素晴らしい楽曲が頭から終わりまで詰まってるので、
個人的には今年を代表する傑作の一つ・・・とまで思っています。
みんなに大事にしてもらえる
あの子の顔で生まれれば
心もこんなに汚く醜くならず
まっすぐに生きていけたかなぁ (かわいい)
中でも、
この「かわいい」の歌詞は抜きん出てますね
正直ここまであからさまにルックスの良し悪しについて歌った曲は初めて?聴いたので、
そういう意味合いだとある種の❝発明❞にも感じられるくらい素晴らしい曲
というか、
歌詞の内容が最後まで何一つ報われる事もなく、
完全に他人に対するコンプレックスの吐露でしかないので、
歌詞をそのまま受け取るのではなく自分が劣等を感じてる何かに置き換えても聴けちゃうんですよね
(それは「中毒」にも同じことが言える)。
なので、
自分にとっては堪らない曲ですし、
でもメロディとかアレンジは超ポップかつ疾走感溢れる爽やかなアレンジになってるんですよね
ぶっちゃけ、この歌詞の内容に付ける曲調じゃないだろ(笑)とも思いつつ、
でも、それでもやっぱりこのアレンジがベストだったとも思いますね
これでディープな曲調だったら逆にくどくなってただろうから。
それとは別に、
ポップスとして今まで作って来た楽曲の中でもピカ一の完成度だと感じた「ドライブ」も素晴らしい
この曲、サビのメロディラインがあまりに良すぎて初めて聴いた時は衝撃を受けました
物凄く練り込まれたメロディかつナチュラルなアレンジもよく似合っていて、
SHISHAMO流ポップスの一つの到達点とも言える名曲でした
実は、
今までの苦悩ですら人生の色だよ。と言わんばかりの、歌詞と乖離した明るいギターフレーズが光る
「夢で逢えても」を赤字にしようとか、
怒りのエネルギーをそのまま曲にしたような「明日はない」も聴いてて泣いた経験もある曲なので、
どれを赤字にするかは相当悩んだんですよね・・・・・
でも、
「ドライブ」のメロディラインは際立って素晴らしいので、
正直そのメロの良さだけで推しの3曲に選んでしまいました
「ドライブ」の歌詞に関しては理想のデートを歌った妄想ソングなんですが、
ところどころファニーなフレーズが出て来るセンスも含めて聴いてて可愛い歌詞だと思います
個人的には、これフィジカルでシングルカットして良かったんじゃ。。とも感じました笑
分かって欲しいだなんて
とっくに思っちゃいないよ (人間)
最後、
個人的に大好きな「人間」という楽曲、
SHISHAMOの楽曲とは思えない位にただただダークで、
もう物語ソングでもないしラブソングでもないしメッセージソングでもない
歌詞の全部が絶望で構築されており、
他人への不満、
自己否定、
虚無感・・・と何一つポジティブな要素が無い攻撃的なロックンロールに仕上がってます
この曲は今作では~とかそういう以前にSHISHAMOの楽曲としてめちゃくちゃ異質で浮いてると思うんですが、
同時に「SHISHAMOって凄まじいロックバンドなんだな。」と再認識した曲でもある
ひたすらに冷めた目線とアンニュイなアレンジ、
独特のゾクゾクっとするようなコーラス、
失望のフレーズの数々、、、と
日々苦悩や欲求不満を抱えてる人ほど刺さる曲になってて個人的に最推しの楽曲です
ある意味syrup16gや初期アートスクールにも通じるセンスの楽曲なので、
こういう曲をSHISHAMOが作ってくれた事が嬉しかったですね。。
この曲はロックファンに届いて欲しいです。

