サブカルチャーマシンガン

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【アルバムレビュー】POP AND DECADENCE/MOON CHILD

2024-01-27 | アルバム感想












1.joy of life
2.快適な生活
3.フリスビー
4.ミスター・スプラッシュマン
5.ドンファンの食卓
6.ケ・セ・ラ・セ・(ラ)・ラ・バ・イ
7.マリーのコーヒーカップ
8.サン サン サン
9.requiem for the man of nomad
10.自称ルースター男の懺悔
11.太陽とシーツ
12.朝焼けの唄
13.グロリア
14.INTERLUDE
15.STAR TOURS







「選ばれて生まれてきたんだ僕は」
とてもそんなふうには思えない日常さ
(サン サン サン)











99年の1月27日に出たアルバム。
つまり、今からちょうど25年前に発売になったんですよね
実は
カレンダーにも記入してて、
本作の四半世紀経過をお祝いしようと前々から企んでいました
自分はその頃小学6年生でしたけど
なんとか
このアルバムをコンスタントに聴きながら25年間生き抜く事が出来ています

本当にありがとうございます
(まあこんな場末のブログなんて見てないでしょうが笑 インフルエンサーでもねぇし)。

「POP AND DECADENCE」はMOON CHILDの3枚目のアルバムであり最後のアルバムでもあります
本作が出たタイミングで解散を発表し当時めざましテレビ等のニュース番組でも報道されていました
個人的には、
ファンだったバンドが解散する~という出来事を一番最初に体験したのがMOON CHILDだった気がする
その後、一時的に再結成して念願のライブに行けたのは今でも素晴らしい思い出の一つ...ですね
確かサポートにSOPHIAの都さんが居て自分にとっては堪らない公演でしたね。


子供の頃は、
MOON CHILDのファンで
かなりの頻度でCDを聴いたり歌番組の出演等をチェックしていました
その中でも一番聴き込んでいる.....いや、今でも普通に聴いたりもしてるので
最早「懐かしい」という感覚すら無いのが本作でありMOON CHILDで一番好きなアルバムです。
しかも、
このアルバムは
記憶が確かならば増えて来たお年玉かなんかで自費で購入したはず
当時住んでいた横浜市戸塚駅のTSUTAYAで・・・
その光景と、
ちょっと大人になった感は未だに脳裏に焼き付いていますね

正直、
本作に関しては
思い入れが強すぎて
自分の中では簡単に語れない。

ある種人生に寄り添ってもらってるアルバムでもあるので・・・
ただ、
「POP AND DECADENCE」という
直訳すると❝ポップと退廃❞ってタイトルは
自分の趣向そのものだと思うし、
そして、
当時のMOON CHILDが置かれていた状況が生々しく刻まれている様にも思う。



スリーサイズとか
歩幅より
やさしさ量るメジャーが欲しいよ
(ケ・セ・ラ・セ・(ラ)・ラ・バ・イ)




基本的に、
曲目のところで赤字にしてる曲が特におススメの楽曲~という事なんですが
本作に限ってはそれもあてにならないというか、ぶっちゃけ収まりが付かないんで。
はっきり言って殆どの曲を赤字にしたいくらいお気に入りの曲だらけなんです
ジャンル的にもバラエティ感たっぷりで
アングラなロックから
ポップス、
ギターロック、ファンク、バラード、ピアノロックに退廃的なロックナンバー、
オールディーズのエッセンスを取り込んでいる楽曲もあったりと
今考えれば
この一枚でこの世には様々な音楽がある。という事を学んでいたのかな。と思う
誰にでもそういう作品はあると思うけど、自分にとっては本作だったのかもしれないですね
この超カラフルなアルバムを聴き込んだお陰で今様々な音楽に対応出来る様になっている感覚もあり、
そういう意味では自分の音楽人生を引っ張ってくれた感謝すべき一枚なんですよね。
例えば、
「joy of life」で日本のコアなロックバンド(じゃがたら、DMBQ等)を素直に好きになれる土壌が出来て
「requiem for the man of nomad」の性急なピアノロックっぷりが今ずとまよを好きな土壌なのかもしれない。
大げさではなく、
自分にとっては(冷静に考えると)音楽の教科書の一つだったんじゃないかな、なんて風に思います。

ただ、
本作は音楽への限りない探究心が垣間見えるアルバムであると同時に、
タイトルに偽りなく一つのバンドが終わっていく様を生々しく描いたドキュメント性にも満ちています
そういう意味では
コンセプチュアルな側面もありますね
勿論、
(これもタイトル通り)ポップに突き抜けている楽曲もありますが、
全体的に漂う哀愁だったりやりきれなさ、退廃的な匂いが物心付いた自分にとっては刺激的だった
今考えれば本作に触れていた事で後にsyrup16gやART-SCHOOL等の世界観を素直に受け入れられたのかも
正直、
ブレイク後のチャートアクション的には恵まれてない時期の作品の為
知る人ぞ知る~というポジションの作品だとは感じますが、
それでも
MOON CHILDの(ガチめな)ファンは本作を最高傑作に挙げているイメージです
なので、絶望と哀愁と混沌と希望が入り混じる人間そのものの様な本作を
機会があったら是非触れてみて欲しい・・・ですね
出来れば、
一枚通して...ってのも今の時代はわがままになってしまうのかね
ただ、「joy of life」から始まって「STAR TOURS」で終わるトコがこの作品のすべてだとも思うし。
解散に向かって行くバンドの雰囲気とそこからの想いがここまで如実に出てるアルバムも早々無い
そう考えると、色々な意味合いで唯一無二のアルバムなのかも、、、しれません。

先述の通り、
思い入れが深すぎて
長い年月聴き過ぎて
中々自分の中では気ままに語れない重い想いがある作品だったんですが
コンスタントに聴いてるからか今月で25周年な事に気付いたので
良い機会でもあるし少ない語彙力で頑張ってみました。



僕は僕なりの
夢に死ぬのさ
(ミスター・スプラッシュマン)



楽曲に関して語ると、
いきなり自暴自棄になってる心境を歌っているアナーキックな「joy of life」から始まる
当時は小学生ながら「この人、大丈夫なのかな・・・?」とドキドキしながら聴いたものだ
のっけからMOON CHILDのイメージには無いオルタナティブなロックナンバーから始まるので、
全体もそういう雰囲気かと思いきや、
軽やかなポップナンバー「快適な生活」で早くも裏切られる
続く「フリスビー」も爽やかなメロディが聴いてて気持ちの良い小気味良いロックナンバー
(この辺も赤字にしたかった.....)

本格的なファンク「ドンファンの食卓」と
哀愁が滲む「ケ・セ・ラ・セ・(ラ)・ラ・バ・イ」も名曲
「ケ・セ・ラ・セ・(ラ)・ラ・バ・イ」に関しては未だに悲しい気分になった時に聴くので、
この曲も最初は赤字候補だったくらい
そうそう、
ケセラセラって言葉も多分一番最初はこの曲で(自分は)知ったんじゃないかな?
「マリーのコーヒーカップ」も良い・・・
しっとりとした王道のバラッドで
J-POPに対する愛情が感じられる素敵な一曲。
軽快で明るいメロディが聴いてて楽しい「サン サン サン」は
雰囲気はブライトなものの、時折滲み出て来る哀愁にヤラれてしまう一曲
冒頭に引用した「「選ばれて生まれてきたんだ僕は」
とてもそんなふうには思えない日常さ」
という歌詞は自分自身ずっと思っている事であり、
本作の歌詞の中でもトップクラスに好きなフレーズだったりもする。

バラードと言えば、
80年代後期~90年代前半の硬派系J-ROCKバンドの匂いがする「自称ルースター男の懺悔」も好き
ぶっちゃけ小学生が聴くには渋すぎる曲なのでリアルタイムでは唯一好きじゃない曲だった笑
(でも飛ばさなかった)
ただ、
この曲は大人になるにつれて良さが分かって来たし、
実際孤独を抱える大人に向けて作られてる曲だったんだとも思う。
限りなく退廃的で本作のシンボルとも言える「太陽とシーツ」も大好きで
これが赤文字じゃないのは自分自身に対して憤りを感じるほどだ💢
冷めきった声で「啼けない鳥が翼ひろげてうたうのさ」と歌うこの曲の退廃的な雰囲気は
リアルタイムの時はある種の憧憬を抱きながら聴いていた覚えがある。
そして、
名曲「朝焼けの唄」も忘れてはいけない。
絶望から立ち上がろうとする人間の心境がシリアスに歌われているミドルチューンで
個人的にはシングルカットしてても良いんじゃないか?と思える出来だと思う
「何がいけなくて 何が正しいの?教えて 誰もが口をつぐむだろう」ってフレーズが大好き。
当時はCMソングとして流れていた往年のロックのオマージュにも思える「グロリア」
「思春期注射で立派なロマンス娘」って歌詞に昔はドキドキしてたな(笑
そう言えばエロスも忘れてないアルバムでもあったんだった。
今でもワクワクしながらこの曲を聴いてた感覚を即座に思い出せる。














僕等はまだ
夢果てる場所を知らない
(STAR TOURS)



最後に、
赤字にした3曲について語る。
「ミスター・スプラッシュマン」はシンプルなギターロック
ノリの良いボーカルと疾走感溢れるバンド演奏でかなり聴きやすい曲だと思う。
この曲は、報われない人生を背負いながらも、腹括って駆け抜けようとする心境が歌われていて
「なにか手に入れるたびに涙が少しこぼれただけさ」とアッパーなノリの中にも
ふとしたペーソスが感じられるトコが昔から大好きだったし、
この曲に憧れて
自作のポエムをノートに書き、
それを家族が見て笑われたりしたある種めっちゃ思い出深い一曲です(笑
自分自身、いつでもはじけ飛ぶくらいの心持ちで生きていたいと想う。
バンド自身がメンバー各々を鼓舞してる曲にも聴こえる。
 「requiem for the man of nomad」はシングル曲で、
この曲のシングルは当時母親にねだって買ってもらった記憶がある
この曲は当時の人気番組「HEY!×3」のエンディングテーマだったので
(リアルタイム世代には)この曲まではメジャーだったんじゃないかな.....って思う(たぶん)。
この曲も多少難解で時折意味不明な歌詞に乗せてハイテンションで駆け抜ける、
性急なピアノの音色も印象的なロックナンバー
ロックバンドの持つ、
整合性だけではないやんちゃなエネルギーを体験した最初期の曲の一つ
だったと思う
空耳もしやすい曲で当時は「little bit harder」の部分が「トロピカーナ」に聴こえていた(マジ)
MOON CHILDの中では最も弾けている曲と言っても過言ではない勇敢な名曲
この曲を生で聴けた時は心から感動したものでした。。
「僕が電話してる場所が分かんない」ってフレーズは
当時痺れたし、
今でも大好きなフレーズですね。
この曲は未だに口ずさんでいます。

最後、ラストシングルとなった「STAR TOURS」。
この曲は外せなかった・・・
初めて聴いた時、
サビメロの美しさに感動したのと、
当時仲良かった二人の友達と三人でカラオケに行って
その時にこの曲を熱唱したんですよね
その記憶が忘れられない
今は、
当時の施設なんて跡形も無くなってしまったけど、
その中で自分を貫いてこの曲を歌って(ぼんやりとだけど)「いいね」みたいな事を
友達のRくんに言ってもらった事は今でも自分の礎になっている。
「惰性!もぉやだ!」と歌う「joy of life」で始まって
「僕等はまだ夢果てる場所を知らない」と歌う「STAR TOURS」で終わるのが
このアルバムの本質であり、そして何よりも素晴らしい部分なんじゃないのかな、
って感じました
小学生なんて歌詞の意味が分かるのってほんの一部分でしかないけれど、
それでも、
「僕等はまだ夢果てる場所を知らない」というフレーズは、
本当に大好きだった。

餞の一曲としても会心であると同時に、今でも聴いて励みになっている大切な曲です。
2013年の再結成ライブに行った時の一曲目がこの曲で本気で感動した記憶がある。
今は実質活動休止状態だと思いますけど、
いつかまた、
バンドとしてのMOON CHILDに再会出来たら良いなぁ・・・という願いも込めて。
これからもずっと聴き続けてゆく人生の名盤の一つです。




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