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青春疑似体験コミック。 山田シロ彦「凛とチア。」2巻

2017-12-20 | 山田シロ彦
                               
                               買いました。









毎週単独感想を書いている本作
2巻は表紙にも映っている女の子真央編と千尋編、それと凜の家庭の問題編、、、の序盤まで収録されています
各話感想では、文字通り一話一話掘り下げて記述していく為その話その話のテーマを語っているんですけど、
こうやってまとめて読んでみると、絵に描いたような甘酸っぱい“青春”を
漫画という媒体を使って疑似体験させてくれる作品なのかな、って思いました。

みんなで一つの目標に向かって頑張ったり、一歩一歩進んだり、かと思えば問題が発生して色々躓いたり、
そういうのを繰り返してようやっと「見れる景色」があったり・・・
多分、性同一性障害とか挫折とか裏切りとか
様々な観点からネタを拡げて器用に楽しませてくれている印象の本作ですけど、
結局やりたいのは“青春”ただ、それだけなんだと思います
その描き方が酸いも甘いも隠さずそのまんまに描くタイプの漫画なので、
ただ明るいだけでもない
ただ暗いだけでもない、
曖昧、
だからこそ、ハッキリと“青春”だと思える・・・
そういう漫画に仕上がっていると感じる
例えば、「青のフラッグ」とか好きな人は(恐らく)これも好きだと思います。多分。


なんかね、
大雑把ではなくてね、
あの時期特有の多感で悟り切ってないセンシティブな感覚、、、が
ありとあらゆる角度からよく出てるんですよ。それはリアリティ、ってよりは
ドラマ的な魅せ方に近いと思うんですけど、なんかそこに「あー分かる分かる」って頷きを紛れ込ますのが上手い、というか・・。
青春って結構「いいこと」のように思われがちですが、偏見に傷付いたり理解の無さに嘆いたり、
それでいちいち落ち込んだり。。と、割と苦くていや~な部分も強かったりする
そういう部分と、
ただ純粋に甘い部分とをバランス良く混ぜ込んでるので、
「あー分かる分かる」と「こういうの羨ましいなあ。」が同居してる感じというか・・・
そういうのを含めて正しく楽しく面白く“青春”を疑似体験出来る漫画だなー。と思いました
一つ一つのエピソードがドラマ化出来そうなくらいに粒ぞろいでクオリティが高いと感じるので、
結構雑誌で「暗い漫画」みたいな印象を抱いてる方にこそまとめて読んでもらいたい
まあ、2巻は表紙からしてダークなんで勘違いもされそうなんですけどね(笑
でも、個人的には青春漫画としてピカ一の出来だと思ってます
まだまだ推して行くつもりの本作、
ジワジワでもいいので良さが伝わって行って欲しいです。

それにしても、要所要所でたまちゃんが良い味出してるなあ、と(笑
それを見守るあやちーの視線も後々の伏線っぽくて今後も楽しみです。







そして、
おまけ漫画がまた青春の「失敗」をサラッと深く描いている・・・
そんなシロ彦さんのセンスの高さが感じられるものでとってもよろしかったです
たった3ページなんですけど、これがめっぽう切ない(笑
特に男子はキュンと来るはず。なので、是非。
先述の通り各話感想もよろしくです!