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サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

もぐささん 3巻/大竹利朋

2014-10-18 | 単行本感想










「おかわりどですかBBA」っていう言語センス半端ないですね。










ヤングジャンプ掲載作品ですがヤングの匂いがまったくしないというか、
性的表現も暴力描写もなく小難しい内容があるわけでもないむしろ少年誌でやってもいいくらいの漫画になってます
ただ、これを少年誌でやってたら多分今とは別の・・・具体的に書けば百草さんだけのワンルート漫画にならなかった可能性があるので
結局は読者に大人が多くゆっくりと展開出来る青年誌のがやっぱ向いてるのかなあ、とかそういう結論になっちゃいますね
私自身ワンルートでない切なさも絡む三角関係ものとかも普通に好きな訳ですけど
でもこの漫画は本当に小口くんと百草さん「だけ」のワンルートジュブナイルラブコメに仕上がっていて
その潔さっていうか順当に二人の関係にニヤニヤ出来る真っ直ぐな感じがこれはこれで素敵だなと思う訳です
少年少女特有の異性を無暗に意識しがちなあの感じや好きな子を前にしてドギマギしちゃうあの感じだとか
そういうものが真っ直ぐに表現されてるので読み手としてもストレートにニヤニヤ出来て「いいなあ。」って思える
懐かしくも今となっては逆に目立つ類の純正ラブコメに仕上がっていて3巻目も気分良く読ませていただきました
っていうか本誌以外で今作の感想書くのは初めてなんでそれもあって説明的な出だしになった訳ですけど(笑

勿論本作特有の「笑い」も忘れてません
小口の母ちゃんが良い具合に不細工で味のある顔なのが良いな、って思いましたが
性格もおかわりの鬼で傍から見ればすっごく滑稽な駆け引きを楽しむ事が出来ます
でも意外と小口に似て誠実な部分もあったり結局は小口親子いいな~という流れになってたのが見事でしたね
相変わらずのステルス食いは健在なんですがそれが見抜かれてヘビに睨まれたカエル又は観音様に叱られる猿のように縮こまり
下手な悪あがきをする百草さんのシーンはかなり笑わせてもらいました 屋台での妹をダシに使った食いまくりテクニックも面白かったですし
「くだらない事に全力を尽くす漫画」としても変わらない面白さを保てていると思います

そんな中で委員長である新キャラちぐみさんも登場(百草さんのステルス食いを見抜いた人)
百草さんとは対照的にかなりの偏食家でありこっちはこっちで如何に苦手なものを我慢して耐えられるか、という
これはこれである種滑稽かつ不毛なチャレンジを繰り広げていて中々にクスクス出来る仕上がりになってました
私自身昔は今よりずっと偏食が酷かったのでちぐみさんの気持ちも分かりますし、苦手なものを何とか流し込むテクニックも読んでて気持ち泣ける
確かにコーヒー牛乳ほど甘くて味の強いものだったらなんでも流し込めるわなあ。この子もこの子で今後色々と掘り下げられそうなので期待です
でもキャラの性質からすると所謂成長要員として描かれそうな予感もありそれはそれで楽しみだったりしますね
次はどういう偏食っぷりが見られるのかに期待、です(笑


それにしてもやっぱり百草さんはめちゃくちゃ可愛いし小口くんは素直で良い子だし
この二人の関係性は本当に読んでて読み手を和ませる力があると思います
りんごをむしゃむしゃ美味しそうに食べる百草さん、
白米を食べて色気すら含む恍惚の表情を見せる百草さん、
自分を卑下するあまり自分の可愛さを指摘されてしどろもどろな百草さん
思わず小口くんの近くに顔を近づけてしまってドギマギしちゃう百草さん
恥ずかしながらも美味しそうに色々なものにパクつく百草さん・・・と確かに見てて素直に可愛い、と思えるくらいに
スレてなくて純真で、子供っぽくも女性らしくもある魅力的なキャラクターとして彼女を描けてるな~と
毎回表情にも気合いが入ってるのを感じますが回を増す毎にちょっと色っぽさも含むようになってるのにも注目です
特に最後の夏祭りのお話に於ける百草さんのしんみりとした表情は彼女の等身大の大人っぽい部分を表現出来てて素敵だと思いました
そして子供時代の百草さんがこれまためっちゃ純真であいらしい美少女として描かれてるのでそれもまた注目ですね
今よりもずっと明け透けに思ったままに食べまくる豪快さがとても印象的でした(笑
チューペットを頬に充てて涼んだりするちょっとした描写も可愛いと思える内容になってるのでそういう細かいリアクションも楽しんで欲しい
そういう女の子らしい仕草だったり羞恥心は徹底されてるのでより百草さんというキャラを深く味わえる3巻目になってたと思います
個人的に唐揚げを食す時の本当に幸せそうな表情と
小口の妄想の中の田舎で一緒にトマトを食す時の素朴な可愛さ満点の百草さんが最高でした

でも、小口は小口で百草さんを必死で庇ったり男らしい一面もあったりして、彼は彼で素敵な男の子かなあ、と。
そんな風に男子もいいね、と感じられるのがまた嬉しかったりします。
大胆なギャグセンスと段階を踏んで仲良くなるラブコメっぷりを同時に味わえる良作。













美味しそうに食べる可愛い女の子を見たい!って人ならドンピシャだと思いますが
それと同じくらいワンルートで徐々に徐々に仲良くなる青春模様を見たい、って人にも合う作品だと思う。
今回も今回で百草さんの食べっぷりにお腹が空いて来ちゃう内容にもなってたのが見事です(笑
とても素敵な漫画なのでもっと多くの方に読まれて欲しいですね。本誌でも応援中。