<皆既月食ご覧になりましたか?>
我が家の家の前には
ほとんど車が通らない道がある。
そして、
その道を挟んだ向かい側には
広くて大きな空き地がある。
家が建つのか?建たないのか?
よくわからないのだけれど、
いつもは公園がわりに小学生がボールを蹴ったりして
遊んでいるようなただただ広い空き地である。
12月10日の土曜日の夜、
月の明かりに魅せられて
なぜかその空き地はにぎわいをみせるのだった・・・。
<月食のはじまりは21時45分くらい。>
次男が学校でもらってきたプリントを熟読し、
その時間がくるのを楽しみに待つ我が家。
<欠け始めました。>
欠け始めたくらいから空き地にどんどんご近所の人たちが集まってくる。
望遠鏡とカメラも持って勇んで出るも
寒いんですよ~これが!と、出たり入ったりを繰り返す我が家。
どちらもみんなそんな感じ~。
<22時を過ぎたころからますますどんどん欠けていってます。>
空き地では家からキャンプ用のチェアーを持ち出し、お酒も飲みながら
本格的な写真撮影に入るご近所さんも!
<あたりがますます暗くなり星たちがよりいっそう輝きだしました。>
このころ、
ふたつお隣さんのご夫婦が車で帰宅。
空き地のにぎわいに驚いたご様子で声をかけてくる。
「こんばんは~。皆既月食ですね~。」
「え~そうだったんですか~!知らなかった~!」
ご主人さんはあわてて家からカメラを持ち出し、撮影開始。
<こんなにも細くなってしまうのね~~!>
月がどんどん空高く上がっていくものだから
カメラを構える私もどんどん上を向いていく。
気が付けば、
まわりはすぐ裏のおばさんや娘さん、
またその奥のご家族とどんどん人が増えてきた。
「こんばんは~。」
「こんばんは~。」
なんだかお祭り気分で楽しくなってくるのであった。
<さあ~皆既月食のはじまりです!>
時間にして23時5分くらい。
ここからが皆既月食天体ショーの本番。
皆既になった赤銅色の月を囲むは1年中で最も美しい冬の星座たち。
プロキオン、シリウス、ペテルギウスの冬の大三角をはじめ、
オリオン座、おうし座、
「アルデバランもよく見えるぞ~。」と長男感激。
真っ暗な空き地から見える澄み切った夜空に輝く赤い月と星たちの共演は
まさにファンタジックな世界。
ステキ!ステキ!とシャッターをきる私。
ところが赤い月をとらえるのは意外と難しく・・・、
(ここからは『妖怪人間』ベラさんの口調でお楽しみください。)
<あ~ら、なんだっていうのさ~!落ちてきてるじゃないか~い!?>
<遊んでんじゃないよ~!皆既月食だろ~。まじめにやっておくれよ~。>
<えっ、アンタのせいじゃないって!?じゃあ、誰のせいなんだい~!?>
<シャッタースピードと露出のせいだって言うのかい~!?アンタも大変だね。>
<でもご覧よ。アンタのおかげでニーナさんは大人気さ~。>
はい!
「月、うまく撮れてますか?」なんてご近所のみなさんに聞かれて
「あ~こんな感じなんですよ~。あはは。」とお見せすると、
これが大好評でして~。
慣れないシャッタースピードと感度のせいで、
(三脚も使ってないし~)月が踊る!踊る!
「月がダンスしちゃってこまっちゃうんですよ~。」などと言っちゃう私であった。
次回の好条件皆既月食は
2014年10月8日だという。
それまでお目にかかれないと思うと、
息子たちやご近所さんたちと楽しみながら月を眺めたこのひとときが
とても輝いていた時間のように思えてくる。
ほんとうにほんとうに
心の通うロマンチックな夜だったなあ~♪
<すばらしいコミュニケーションにも出会えた夜でした。>
おまけの話
皆既月食も終わり、
空き地にいたみなさんも寝静まるころ、
長男が「満月にちゃんと戻ってるか見てこよう~♪」と言って外に出てみた。
(私は入浴中)
すると、
「赤い月なんかみえないな~。」と、おじいさんがブツブツ歩きながら話していたそうな。(ひとりごと?)
そのあと、そのおじいさん、
空き地のほうに向かって歩いていき、
「はて?ここはどこじゃろ~?」とつぶやいていた・・・らしい!!
え~!
そのおじいさん、大丈夫かな??
『妖怪人間』でなくとも人間(おじいさん)の行方が気になる私でありました・・・・。