もちつきうさぎ

ぺったんぺったん、もっちもち!
ハートのおもちつきでスマイル満開なエッセイブログ。

勢揃坂

2008-11-06 | お出かけ
          <勢揃坂~旧鎌倉街道でもあります。>

良く晴れた爽秋の土曜日、
母方の祖母の三回忌の法要に出かけた。

お寺とお墓があるのは、
おしゃれでハイセンスなブティックなどが立ち並ぶ青山。

外苑西通りから少し入ったところにありながら、
一歩足を踏み入れると、
古い井戸があったり、鳥たちのさえずりが聞こえたり…、
えっ!と思うほど、
都会の喧騒を忘れさせてくれる空気に出会うことが出来る。

お寺の入り口前の通りは旧鎌倉街道という古道で、
勢揃坂(せいぞろいざか)ともいわれる。

後三年の役(永保3年-1083)のときに
八幡太郎(源)義家が奥州征伐にむかうとき
ここで軍勢を揃えて出陣したといわれる坂である。

そんな史跡のある場所で、三回忌の法要を済ましたあと、
食事の場に向かって歩き出す。

                          
先頭を歩く私。

坂の下を見渡せば、めずらしく祖母にとっての孫たちが
全員顔を揃えていることに気がつく。

あの子もこの子も・・・。

ふと、

このいとこたちと幼い日、
鎌倉の祖母の家の裏山の道を歩いた日のことを思い出す。

先頭をきってどんどん歩く私のあとを、

幼いいとこをおぶったり、
手を引きながらあとをついてくる祖母。

「○○ちゃんの足は丈夫だね~。早い、早い。」

そういいながらついてくる。

初孫である私は(当然のことながら)
いつも一番年上で・・・、

いつも一番お姉ちゃんで・・・、

それがなんだかつまらなくて・・・。

「小さい子ばかり可愛がるおばあちゃんなんてキライ!」

と、年齢の近いいとこと、
走ってみたり、隠れてみたり、
いつも祖母を困らせるようなことばかりしていた。

でも祖母はいつも笑顔で
フウフウいいながら私たちのあとをついて来るのだった。

「丈夫な足だ。丈夫な足だ。」といいながら・・・。


いじわるしたい自分の気持ちとは裏腹に
いつも追いかけてきてほしい幼い自分がそこにいた。

あのレンゲやタンポポの花を摘みながら上った山道の傾斜に
どこか似ている勢揃坂。

               
振り向くと、

あの子もこの子も
もう一人前の大人になってあとをついてくる。

秋風のいたずらだろうか・・・?

「丈夫な足だね~。早い、早い。」

微笑みながら、
フウフウいいながら、
きっときっと、
祖母は追いかけて来てくれるだろう・・・。

そんなあのころと同じ淡い期待を抱きながら
坂の下を見ている私がいた・・・。



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ふと、祖母を思い出した秋の日でした・・・。



Comments (14)
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