猫のやぶにらみ

こよなく猫にあこがれる中年オヤジのブログです

パヴァロッティ

2006-03-06 | 音楽
トリノオリンピックは荒川静香さんのおかげで、素晴らしいオリンピックだったと記憶に残るものになりました。

私にとってはもう一つ、開会式に登場したパヴァロッティの圧倒的迫力に感動し、初めてこの偉大なオペラ歌手のCDを買うきっかけになった大会でもありました。

オペラというのはずっと敬遠してきたのです。どうもあの歌唱法と大げさな身振り手振りになじめなくて、ニューヨークに勤務していた頃でさえ、ついに一度も行かずじまいでした。

ワインとオペラというのは、どういう訳か、それに入れ込んだ人は皆、どうしても薀蓄を傾けたくなる、という共通点があるようです。若い頃、さんざんそんな聞きたくもない薀蓄を聞かされたおかげで、へそ曲がりな私は、フランスワインとオペラは敬して遠ざけることに決めたのでした。

それがどうしたものか、あの開会式でパヴァロッティが堂々たる体躯で登場し、歌い始めると、「ビビッと電気が走って」ただちにAmazonにアクセス。サクッと検索して購入したのが、これです。「グレイテストヒッツ パヴァロッティ 」。CD二枚組で、一枚目はオペラの名曲集、二枚目はぐっとポピュラーでおなじみの曲が収録されています。私は別にオペラファンという訳ではないので、こういう親しみやすいベスト版がお手頃です。

しかし、これは予想外のお買い得でした。うちのステレオセットで普段より数段上の大音量にして聴いてますが、素晴らしい歌声です。その体格とひげ面から、朗々と野太い声を響かせるのが専門かと思っていましたが、思いのほか高い声で歌います。時にはその繊細さにも驚かされます(「カーロ・ミオ・ベン」の出だしなど)。人は見かけで判断してはいけません。

パヴァロッティが開会式で歌い、荒川静香さんが金メダルを決めた演技の時に使った曲、プッチーニのオペラ、トゥーランドットの中の「誰も寝てはならぬ」は、もちろん、第一曲目に収録されています。同封の解説によるとこの曲は、

「今やパヴァロッティのシンボルともいえる名曲」であり、「パヴァロッティのコンサートの定番中の定番で、お客さんもこの曲を聴かなければ納得しない」

ということだそうです。つまりパヴァロッティにとってこの曲は、荒川さんにとってのイナバウアーみたいなものだったんですね。世界的人気を誇るテノール歌手パヴァロッティ、オペラに対する理解と好みは別にして、やっぱりいいものはいいと納得させてくれるCDでした。

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
誰も寝てはならぬ (eimy)
2006-03-07 15:54:42
・・・というと、私が思い出すのはマリオ・デル・モナコの絶唱です。

私はドイツ歌曲のオタクなので、正直イタリア系は余り聴きませんが、でもやっぱりすばらしいと思います、パヴァロッティ。

すばらしい演奏家は、世阿弥(でしたっけ?)が言うところの「花」がありますもの。

音楽の女神に選ばれた人なんだろうな~、と思います。
返信する
誰も寝てはならぬ (やぶ猫)
2006-03-08 08:50:29
と言われても困るわけですが、いい歌であることに変わりはないですね。洋楽を楽しむ場合、「歌詞の意味が分からなくてどうして楽しめるのか」などと外国人が不審そうに言うことがありますが、歌詞の意味が分からないというのはハンデなのかどうか、一概に言えないのではないかとすら思うときがあります。
返信する
Unknown (Ravioli)
2006-03-15 06:59:37
1999年にパバロッティ&フレンズというチャリティライブを彼の故郷のモデナで観たんですが、圧倒的な声量で感動でした。そして2年前に最後の世界ツアーで来日したときに、張り切ってチケットを取ったんですが、全く声が出てなくてガッカリ。若いソプラノに負けてましたし、ヨボヨボで一人で歩くことすら出来ず、座るかピアノにもたれて歌う始末。ブラボーなんていう日本人の気が知れなかったんですが、東京だから気を抜いてたのかも知れません。だからオリンピックのも生声じゃないなと思って聞きました。水を差してすみません。
返信する
おかえりなさい (やぶ猫)
2006-03-15 09:26:54
ご無事でなによりでした。

さて、2年前の来日公演、うちの奥さんも福岡ドームまで聴きにいきました。で、その感想は・・・同じようなものでした。そういう先入観があっただけにトリノ開会式でも特に期待してませんでしたが、実際は、「ビビッ」ときて驚きました。ツアーでがんがんやるのと、さらっと一曲うなるのとは随分違うんだろうなと、私は思いましたが...。
返信する