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うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

おもに運動に関して、気ままに話したいと思います。
のんびり更新しますので、どうぞ気長にお付き合い下さい。

「マー君vsハンカチ王子」に視聴率で敗れたラグビー日本代表

2011年09月12日 | 団体球技(屋外)
◆第7回ラグビーW杯(2011年9月10日 @ニュージーランド・オークランド/ノース・ハーバー・スタジアム)

予選プールA
フランス 47(25-11)21 日本

【フランス】
3 2  2 25 ∥ 3 2 1  22 ∥ 47
T G P 前 ∥ T G P 後 ∥ 計
1 0  2 11 ∥ 1 1 1  10 ∥ 21
【日本】

今大会の日本代表30名


〔写真はロイターより〕


                           *  *  *  *  *


9月9日、4年に1度のラグビーのナショナルチームの世界王者を決める大会であるW杯がニュージーランドで開幕しました。NZの英雄であるジョン・カーワン監督率いる現在世界ランキング13位の日本代表。10日にオークランドのノース・ハーバー・スタジアムで過去8戦全敗で世界ランキング4位(対戦時)のフランスと対戦し、21-47で敗れました。日本は、開始早々にトライを許すなど劣勢を強いられ、11-25で前半を折り返します。後半は序盤のフランスの猛攻を凌いだ後、日本は反撃。NZ出身のジェームス・アレジのこの試合2つ目のトライとPGで一時は4点差にまで詰め寄り、観衆を大いに沸かせます。しかし、残り15分過ぎに、フランスに3トライを立て続けに決められてしまい、万事休す。たしかにスコア上では大敗ですが、ラグビーは実力差以上にスコアに反映される競技の特性を考慮すると、日本は格上を相手に善戦したと言えるでしょう。

ただ、結果以上に本当にショックだったのは視聴率が物凄く低かったことです。この試合は日本テレビ系列で放送してましたが、なんと視聴率が僅か3.5%(関東地区)だけでした。土曜の昼間だったので在宅率が低い事情があったとはいえ、生中継だったのにこれだけしか数字を稼げないのは本当に残念ですね。おそらく世間一般的には、同じ時間帯にフジテレビ系列で生中継をしていたプロ野球・パリーグの楽天vs日本ハム(@Kスタ宮城)の方が、ラグビーW杯の日本代表戦よりも遥かに関心が高かったです。なぜなら、5年前の夏の甲子園決勝戦で戦った楽天の田中将大と日ハムの斎藤佑樹がプロ入り初の対決だったからです。やはり、この試合の方が話題性が高かったこともあり、視聴率は関東地区では斉藤のデビュー戦の7.2%を上回る7.8%をマークしました(なお、東北地区は23.4%、北海道地区は22.3%)。ちなみに、現在のラグビー日本代表には、国内に3年以上居住している外国出身選手が10人おります。ルール上は全く問題は無いですが、事情を知らない世間一般の方には実質的な“傭兵部隊”と映るので、感情移入するのはきっと難しいでしょうね。

しかし、注目を浴びた今回の野球の試合が面白かったのかというと、個人的には決してそうは思いません。というのも、明らかに両者の格が違い過ぎるからです。甲子園決勝では再試合の末に斉藤が勝利しましたが、全く異なる環境で育った4年間の差は歴然でした。早い話が、「給料を稼いでいるプロと、月謝を払って教わっているアマ」との差です。プロ入り初対決は田中に軍配が上がりましたが、最終9回に押し出しの四球を与えて完封を逃してとても悔しい表情を浮かべていたのが、2人の対決の全てを物語ってました。当初テレビ局は視聴率が2桁に達すると皮算用を弾いていたが、現時点での両者の力量ではミスマッチ同然だったこともあり、予想よりも数字は低かったです。しかも、放送時間の関係で、試合終了を待たずして中継を終わらせる、いわゆる“逆キセル中継”だったのには本当に憤慨しました。ただ、試合としては遥かに面白かったラグビーW杯の日本代表戦が、内容だけでなく中継手法にも問題があった野球に視聴率でダブルスコアをつけられて完敗を喰らったのは、世間一般のラグビーそのものへの関心が低い証拠でもあるので、日本のラグビー界は重く受け止めるべきでしょうね。

今回の試合を見て思い出したのが、5年前の2006年8月に日本で開催された男子バスケットボールの世界選手権です。あの大会は地元開催にもかかわらず、放映権を持っていたTBSは日本代表戦の殆どの試合を深夜の録画中継に回す前代未聞の暴挙を犯しました。ちなみに、同時期に国民の殆どが熱中していたのが夏の甲子園でした。そうです、再試合の死闘を演じた「マー君vsハンカチ王子」の最初の対決です。更には、同時期にゴールデンタイムでフジテレビで中継していたのが、女子バレーボールの「ワールドグランプリ」という世界大会もどきの大会です。2つのイベントに挟撃された状況下で、国内ではマイナー扱いのバスケットを盛り上げろというのは、さすがに無理だったのかもしれません。そもそも、日本の男子バスケは、プロ化を巡って国内リーグが分裂し、選手の体格や力量も著しく低いので、日本の全ての団体球技の中では最弱の部類です。言い方は悪いけど、日本の男子バスケは長身選手をスポイルさせるダメ競技です。しかも、この大会では13億円もの莫大な赤字を生み出し、のちにこの責任問題を巡って協会幹部同士の内部抗争に発展しました。格式ある大会を日本で開催すること自体が分不相応であり、そもそもの大間違いでした。

今回のラグビーW杯はNZでの開催ですけど、甲子園のスター選手の対決だったプロ野球に視聴率で完敗を喫し、ロンドン五輪アジア最終予選を首位通過して無事に本大会の出場権を獲得したなでしこジャパンに話題を完全に持っていかれるなど、ハッキリ言って世間一般はラグビーに関心が低いと言わざるを得ないのが実情です。しかも、今大会は日本よりも時差が3時間早いNZでの開催にもかかわらず、フランス戦以外の日本代表戦は全て深夜の録画中継なので、まるで5年前の男子バスケの状況とダブって映ります。ちなみに、今回のW杯は6年前の2005年11月18日に開催が決まりましたが、この時に招致合戦でNZに敗れたのが実は日本なのです。もしラグビーW杯が今年日本で開催されていたらと思うと・・・・本当にゾッとしますね(苦笑)。日本は8年後の2019年にW杯を自国で開催しますけど、日本代表の成績面や興行面で苦戦するのは目に見えているので、はたして大会開催が成功するのか今でも強い疑問を感じます。くれぐれも、男子バスケの二の舞にならないことを心から祈りたいです。



◆第7回ラグビーW杯(2011年9月9日~10月23日 @ニュージーランド)

・予選プール(9月9日~10月2日)  ※カッコ内は2011年9月12日発表の世界ランキング
A組:NZ(1)、フランス(5)、トンガ(12)、日本(13)、カナダ(14)
B組:イングランド(4)、スコットランド(7)、アルゼンチン(9)、グルジア(16)、ルーマニア(17)
C組:豪州(2)、アイルランド(8)、イタリア(11)、米国(18)、ロシア(19)
D組:南アフリカ(3)、ウェールズ(6)、サモア(10)、フィジー(15)、ナミビア(20)

<決勝トーナメント>
準々決勝:10月8日(土)または9日(日)
準決勝:10月15日(土)または16日(日)
3位決定戦:10月21日(金)
決勝:10月23日(日)



☆日本vsフランスのダイジェスト

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2 コメント

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腹が立つのは (こーじ)
2011-09-19 22:04:05
 腹が立つのは最近露骨にプロ野球中継を減らしているお台場TVが関東ローカルとはいえ、
仙台での試合を中継したという事ですよ。

 なにせBSでも神宮のS-G戦を‘義理’でやっているとしか思えないぐらいですからね。

 にも拘らず話題だけでも先行している試合を
急遽中継したものの逆キセル中継ですからね。
 ホントに腐っています。

 ちなみに私の地元の福岡ではOAされませんでしたので来客から‘野球見せて’と言われずに
ラグビーを見る事ができてよかったのですけど。

 一応ライブ中継でしたから後半の追い上げでは‘ラスト10分で引き離されるだろうな’と思いつつもハラハラしながら見てましたので。

 ちなみに8年前のフランス戦は録画だったので どこか醒めてましたけど・・・・

 それにしても たかだか甲子園での優勝投手という看板のみの男とパを代表する投手のMAなど海外なら‘なぜそこまで持ち上げる?’でしょうけどね。
 
 そして解説をしたのが鎖国主義者の元参議院議員だったのも、よくできた話ですよね。

 
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コメントありがとうございます (猫なべ)
2011-09-20 21:48:45
こんばんは、こーじさん

この日は、ラグビーをメインに野球とチャンネルを変えながら見てましたが、蛆テレビの中継手法には本当にウンザリですね。
なにせ、あと1人抑えれば試合終了だったのに、肝心の場面で中継が終わっちゃいましたから(笑)。
BSフジでのヤクルトvs巨人戦なんて、酷い時は20時で打ち切る時がありますね。

それにしても、「半価値王子」と揶揄される斉藤は所詮は4~5番手クラスの投手に過ぎないのに、ダルビッシュとともに球界を代表する投手と比較させるのは、斉藤にとってはかなり残酷ですよね(苦笑)。
スピードは無くて変化球ばかりなので逃げている印象があるし、プロ入り初の完投をしたことぐらいしか誉めることが無いですね。
それでも、マスゴミは「運命の対決」とか喧伝して、無理やり盛り上げようとする気がしますね。
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