日本料理「宮本」ブログ

千葉市若葉区富田町で里山料理を提供する日本料理店「宮本」店主の日記

久々にNHKをみました。

2011-10-04 23:31:41 | 日記

普段はめったにテレビを見ない宮本ですが、昨日たまたまNHKで放送されていた、食品に含まれる放射性物質を取り上げた番組を見ました。

3月の原発事故以来、政府と大手マスコミは国民に軽微な事故であるかのような錯覚を起こさせるために躍起になっているとしか思えない内容の報道を続けてきました。(たとえば3月にすでにメルトダウンしていたのに、5月になって初めてメルトダウンを認め、しかもメルトダウンという言葉を使わず、メルトスルーなどと報道していた。)

食品の汚染に対しても、暫定基準値などといういかがわしい基準を設定し、わが子をを必死で守ろうとする親を風評被害を出す加害者として扱ってきたました。要するに保障する金や、除染する金、福島の子供を集団疎開させる金が無いから適当にごまかして、とりあえずしばらくはがんになったりしないだろうからそのうちになんとか国民に忘れてもらおうという事でしょう。

事実、宮本の周りでもすでに千葉は関係ないとか、セシウムの事は忘れて暮らすことにしたとかいう人が多くなってきました。思うつぼです。恥ずかしながら、飲食店業界では放射能汚染の事にはほぼ無関心。そのことに触れるのはタブーの様な空気になっています。宮本ではなるべくセシウムの入っていない食材を使うよう心がけていますが、仕入れた食材をすべて検査してから調理するわけにもいかず、地方自治体の行う検査結果のデータのみが頼りです。

さて本題に戻りますが、昨日のNHK。自治体の検査体制の不備や、限界を特集するとあったので、それなりに期待して見たのですが、結果は残念。国の暫定基準値を超えないようにするにはどうするか、というのがテーマの様で、暫定基準値の正当性や、今後基準値をどう見直すべきといった議論はスルー。政府御用達の学者を一人出演させ、もっともらしくしゃべらせていましたが、今回の事故の影響については科学者たちの間でも大きく意見が分かれているのに、政府の方針を支持するタレント学者ばかり出演させてどうするのでしょうか?

検査体制うんぬんで、国がまじめに取り組んでいる姿を印象付けるのは良いですが、検査の根拠となる基準値について突っ込んだ議論を国民の前で行う必要があるでしょう。