地方小都市暮らし@寧舎

25年に亘る山里暮らしを経て人口7万人弱の地方の小都市に移り住みました。そこでの新しい暮らしを綴ります。

マンサク

2008-02-29 15:03:41 | 自然
 まだ雪が残る山里に、春の使者マンサクが咲きました。
 口にくわえて息を吹き込むと、丸まっていた細長い紙筒がシュるシュると延びる、あの昔からある玩具のような黄色の花びらが愛らしい風情を醸し出しています。
 今年もちゃんと春がきました。冬のあとは必ず春が来るなんて、当たり前と言えば当たり前ですが、なんかとてもありがたい気もします。これも歳のせいでしょうか。

宮本武蔵

2008-02-15 09:34:46 | 日常生活
 独立した息子が残しておいた本を整理していたら吉川英治の「宮本武蔵」の文庫本がでてきました。
 私も高校生の頃、友人たちの間でこの小説が話題になり、学校の図書館から借りて夢中になって読んだものでした。当時は受験勉強の最中であったので、その妨げになると思いながらも止められず、赤い布表紙のそれらの長篇本を次々と借りては読んだ思い出があります。
 今になってゆっくり読む時間ができ、もう一度読んでみようという気になり、今回読み始めました。
 爽やかでポジティブな武蔵という好漢の成長物語であり、又八というネガティブな青年を周囲に配した比較的シンプルで分かりやすい登場人物の性格や人間関係が展開されます。かつて希望に溢れた高校生の心を捉えたのは無理もないように思えます。そして、話の筋が次々に展開していくので、先へ先へと読み進めたくなる痛快活劇としての側面ももっています。
 さらに随所に、抜書きしたくなるような人生観や処生観が出てくることも魅力です。例えば、今読んでいるあたりでも次のような文章がありました。
 「人間の眼に映って初めて自然は偉大なのである。人間の心に通じ得て初めて神の存在はあるのだ。だから、人間こそは、最もおおきな顕現と行動をする-しかも生きたる霊物ではないか。
 -おまえという人間と、神、又宇宙というものとは、決して遠くない。おまえのさしている三尺の刀を通してすら届きうるほど近くにあるのだ。いや、そんな差別のあるうちはまだだめで、達人、名人の域にも遠い者といわなければなるまい。」
 「俗生を救うためにある霊山が、人を救うどころか、却って俗生の人に飼われて、からくも布施経済の習慣によって生きているという現在の風を思いあわせると-武蔵は無言の碑の前にあって、無言の予言を聞かないではいられなかった。」
 「危かしくってはらはらさせられるが、ほっておいても決して危なくないのが酔っぱらいである。しかしそれを、危なくないからといって、見ている世の中では面白くない。やはり危がったり、危なそうに見せたりする中が、世の中の至妙であるし、遊戯の世界の滋味でもある。」

 写真は、「武蔵」とは何の関係もありません。前掲の「凍結滝登攀」で撮影した雪の中の焚き火です。


火事

2008-02-13 09:53:34 | 日常生活
 我が家から外を見ると異様な黒煙が立ち上がっていました。集落から少し離れた森の中から立ち上がっているように見えました。枯れ木などを燃やしているにしては黒い色をしており、その付近にある住宅や物置などを思い浮かべているうちに防災無線のサイレンがなりました。わが集落の字名に続いて「Mさん宅で住宅火災が発生」とのアナウンス。しかしMという名前は初めて聞く名前であって、どこの家で火災が発生しているか分かりませんでした。
 幸い風がなかったので黒煙が真っ直ぐ上昇していましたが、それでも我が家の庭に4-5センチの燃えカスが落ちてきました。息苦しい臭気も少し感じられました。消防自動車やパトカー、消防団員の車が沢山到着し、付近が騒然となりました。まもなく、住宅は全焼したようですが、森林に燃え移ることなく、煙が白くなりました。
 未だ確かな情報は入ってきていませんが、年寄りの暮らしていた別荘からの出火とのこと。おばあさんが最近入院し、おじいさんが一人で暮らしていたらしい。我が家の付近には大規模に開発された別荘地というようなものはありませんが、最近あちこちに山小屋風の家が散見できるようになってきました。そして、地元に住民票を移していないが事実上定住している人や、住民票を移しても地元の自治会に入らない人などがいて、役場でも対応に苦慮していると聞いています。郵便や宅配便の配達人も家が見つからず困っているようで、我が家にも時々訊きに来られます。そういう新住民のなかでも、地元民に挨拶して充分コンタクトをとっている人も沢山いますが、なかには地元民と摩擦を起こして地元民から顰蹙をかっている例もあります。
 煙が白くなりだしてまもなく、集落の人から、炊き出しをするので、各家でおにぎりを用意して欲しいと電話がありました。昼飯時に重なるので、未だ後始末をしている消防団員に食べて貰うためのもののようです。炊き出しとは思い付きもしませんでしたが、なるほどと思いました。
 無償のボランティアとしての消防団員の活躍や、こうした消防団員を支えるための後援会費の徴収、自治会負担による防火水槽の設置など、税金では賄えない部分に対しての自助努力が田舎生活では不可欠のもののようです。
 

凍結滝登攀

2008-02-12 10:31:57 | 自然
 連休をねらって行ったところ、今年はクライミングしている人たちに上手く遭遇しました。
 全く知られていないが大きな滝が近くにありこれが凍結するので、家内を連れ4WDの軽トラを駆って雪道を登って今年も行ってみました。
 地元のクライマーたちとのことでしたが、若い人が数人いるだけで多くが白髪の混じった人たちだったので驚きました。和やかな雰囲気が好ましく、我が団塊の世代もなかなかやるじゃないかと思った次第です。