トウモロコシが食べ頃になると、タヌキが畑に出没する。私の住む地域では、トウモロコシをモロコシ、タヌキをムジナと呼んでいる。
私自身は、ムジナが畑に来て実際にモロコシを食べているところを見たことはない。地元の人が、ムジナの仕業だと言うので、それをそのまま信じているだけ。夜になって奇妙な声を聞いて外をみると、ムジナが庭でじゃれあっていたり、日中に、毛が抜けて灰色の皺だらけの皮膚を露出したムジナがヨロヨロと庭を突っ切っていたりする姿を見ているので、ムジナが犯人だろうと想像はできる。幹が引き倒され、モロコシが幹についたまま食べられている状態からも、ムジナ犯人説は納得できる。
毎年そろそろ収穫と思っていると、先を越される。近所ではトタン板やネットで周囲を囲ったりして防いでいる。我が家では、昨年までラジオを夜中つけていたが、今年はモロコシの育ちがよくないので、そのまま何の対策も採らずにいた。
ところが数日前に荒らされた。ただ不審なのは、幹からモロコシがもぎとられ、畑の隅に運ばれて、そこで食べられていたこと。ムジナの仕業にしてはおかしい。最近は、近くに猿や猪が出没するようになっており、「猿にジャガイモを食われた」、「猪に竹の子や山芋を食われた」という話を聞いている。それから推察すると、遂に猿がうちの畑にも出没したのではないかと思われる。数日前にうちから200メートルくらい離れたところでジャガイモを抱えた猿を見ているし、仲間を呼ぶ独特な声も時々聞こえる。
そんなことから、今回は、余っていた蝋燭を畑に点けることにした。写真は、台風7号の通過した後の夜空と蝋燭の光を撮ったもの。
今日で3日目になるが、その後の被害はない。お盆で息子たち家族が帰ってくるまで、何とか温存させたいものだ。
しかし、猿は夜寝るのではなかったか。もしそうだとすると、昼間にハグレ猿が密かに畑にやって来たということだろうか。地元の人にもいろいろ質問してみたが、判然としない。夜中起きていて、現場を見ていた人はおらず、私も含めてみな想像でものを言っている。世の中って、結構こんなことが多いのかも。