地方小都市暮らし@寧舎

25年に亘る山里暮らしを経て人口7万人弱の地方の小都市に移り住みました。そこでの新しい暮らしを綴ります。

色即是空(私は自然と一体、風も鳥も私の中を吹き抜ける)

2013-11-05 11:42:05 | 木刻画
 これは「色即是空」と名づけた第65作目の木刻画です。F20号シナベニヤキャンバス、ミクストメディア、60.5×72.5cm。

 司馬遼太郎の時代小説「峠」のなかに、主人公河井継之助が刺客に襲われたとき、己を無にして自分の中を風が吹き抜けると感じて窮地を脱出する場面がありますが、そこを読んでいて着想した作品です。

 柳澤桂子・堀文子の「生きて死ぬ智慧」を読む機会があって、私は般若心経の一節「色即是空、空即是色」を次のように解釈するようになりました。
 即ち、ビッグバン理論によれば、137億年前にビッグバンがあって、これにより宇宙が出来上がったそうです。そのときに発生した膨大な量の元素粒子が次第に寄り集まって自然界の形あるものを構成しました。そうした自然界の形あるものは分解されて元素粒子に戻ったり(色即是空)、戻った元素粒子が別の形あるものを再び構成したりします(空即是色)。この科学的事実を般若心経は言い当てているように思われます。

 私達の肉体もそうした形あるものの一つですから、肉体は滅びてもそれを構成していた元素粒子は無くなりません。つまり酸素や水素、炭素・・などに分解されて残ります。そして、そうした元素粒子はまた形あるものを構成します。元素粒子レベルで見れば、私の肉体も自然の一部、自然と一体のものであり、互いの間に一時的な境界があるに過ぎません。

 こんなことから、自然と一体と感じたときの主観を、私の中を風が吹き抜け、鳥が通り抜けると表現してみました。

 また、自分という3次元の実体を、異なる2つの方向から見た2次元像の合成によって象徴してみました。

夏の思い出

2013-09-29 10:08:23 | 非日常
 このブログをあまりにも長く更新しなかったので、アップロードの仕方が分からなくなりそうでした。一応、呆けずに(自分の認識だから怪しいのですが)健康で幸せに生きております。

 この1ヶ月余、県の美術展に初めてF20号の作品を出展することにし、その準備で忙しくしています。とは言っても、ちょっと描いては、ウーンと唸って眺めている時間が殆どで、傍から見れば何もやっていないように見える筈です。私としては頭の中でいろいろ考えており、夢の中まで絵が出てくる始末です。でも、これが実に楽しいのです。

 ところで、今年の夏は北海道と東北に25日間のドライブ旅行をしてきました。家内と二人で、ユースホステルを主に使って、殆ど予定なしの気まま旅でした。仙台から太平洋フェリーで苫小牧に渡り、札幌、層雲峡(大雪山登山)、旭川、上富良野、吹上温泉、帯広、二風谷、日高、洞爺湖、支笏湖、小樽、積丹(長男家族と合流して海水浴)、岩内、ニセコ、五色温泉、島牧、長万部、そして函館。ここで津軽海峡フェリーで青森に渡り、奥入瀬、十和田湖、八戸、盛岡、花巻、遠野、仙台、山形、福島を経て帰宅しました。走行距離が3,380キロでした。もう二度とこんな気まま旅行はできないだろうと思いながらの旅でしたが、途中で出会った同世代の元気な人達から旅の話を聞くと、まだまだ再挑戦も可能かもしれないと励まされる旅でもありました。

 前置きが長くなりましたがやっとここで、アップした写真の説明です。旅の間、結果的にほとんど靴を履かず、サンダルで通しました。その結果、サンダルの穴の部分を通して焼けた足の甲の日焼け跡が、今になっても消えません。ビキニの日焼け跡のように、一夏のプチ冒険の甘く酸っぱい(?)思い出となっています。

思い出は尽きず

2013-07-04 14:16:54 | 木刻画
 これは「思い出は尽きず」と名づけた第64作目の木刻画です。シナベニヤ、ミクストメディア、12.0×18.0cm。

 

自分って、何者?

2013-06-30 14:26:25 | 木刻画
 これは「自分って、何者?」と名づけた第63作目の木刻画です。シナベニヤ、ミクストメディア、12.0×18.0cm。

 あと2ケ月で68歳。今までの越し方や、これからの老後などを考えることが多くなってきました。身体のあちこちに人並みに老化が現われ、今のところはお陰さまでまだ元気とは言え、平均寿命まで僅か10年ちょっとです。いまの時間の進み方からすれば、10年は直ぐにたってしまいそうです。

 周囲の同じくらいの年齢の多くの人たちに比べて有難いことに、私は心配事が少ないほうだと思っています。心配事を多く抱えて生きている人たちからは「何を暢気なことを言っている」と叱られそうですが、私は残りの人生に対してこんな具体的な2つの目標を立てました。

 1. 県展に絵を出品して、入選する。
 2. サイクリングで100kmを走破する。

 こんな目標を立てたのは、先日エベレストに80歳で登頂した三浦雄一郎さんのテレビ番組に触発された結果です。

未練-鐘楼付きの小さな教会を建てたかった!

2013-05-27 11:39:20 | 木刻画
 これは「未練」と名づけた第62作目の木刻画です。シナベニヤ、モデリングペースト、アクリル絵具、墨、オイルパステル、22.4×29.8cm。

 閑散とした駅に降り立ち、そこから明るい森を1時間ほど歩いて森を抜けるとありました。堀に囲まれた美しい城とそれに隣接した緑一面の広大な馬場。その馬場に接した森の端にポツンと石造りの小さな小屋が建っていました。この小屋から得た印象を基に描いた作品です。

 実は半年ほど前に市民美術展というものがあり、生まれて初めて自分の作品(「悲嘆」)を出展してみました。ところが何の弾みか、優秀賞を頂いてしまいました。そして今回、前回誘ってくれた人が、別の美術展にまた出展しろと誘ってくれました。それでビギナーズラックをエネルギーにして描き出したのですが、これが思うように描けません。いつもなら投げ出してしまうところですが、出展期日が迫っているので、これが自分の実力と諦めて筆をおきました。

iPad

2013-03-17 09:34:32 | 非日常
 夫婦とも未だ元気なうちに旅行をしよう、それも海外へということになり、来月下旬にイタリアのローマとフィレンツェへ行くことになりました。そこで、空港、駅、ホテル、トイレ、ATM、食事場所などを調べて、その位置などの情報をプリントしようとしましたところ、プリンタの調子がよくありません。

 一方、私はスマートホンやタブレット端末というものを必要とするような生活をしていません。それどころか、家にいることが多いので、小さな画面の古いタイプの1台のケイタイを家内と共用しているような状態です。巷では、iPad, iPod, iPhone, アンドロイド・・などと耳慣れないカタカナ用語が氾濫していますが、煩わしいものくらいにしか思っていませんでした。

 しかし今回、プリンタの不調が切っ掛けで調べていくうちに、また息子がいじっている iPod を見ているうちに、旅行先でタブレット端末の利用価値がありそうだと思うようになりました。それというのも、最近は多くのホテルで WiFi 接続が可能となっており、また予めネットで調べた地図や案内情報をタブレット端末に画像として保存しておけば、それをオフラインでも充分見ることができそうです。

 そんなことから、携帯性がよくて画面の大きさが程々のものとして iPad mini (WiFi 接続のみ)というものを入手しました。プリンタを買い換えることは止めました。

 ところで案の定、 iPad mini の操作に慣れるのに苦労しています。タッチパネル方式というのは感覚的な操作ができて使いやすいのですが、今だWindows XPのパソコンを使っている人間にとっては慣れるのに一苦労です。

 旅行というは非日常的な体験を味わいに行くものと思っていますが、既に行く前から頭の中は非日常的な体験でパニック状態です。それにしても、この iPad mini って、面白いものですね。

旧居売却

2013-02-03 16:51:17 | 日常生活
 ご無沙汰をしました。実は旧居の売却で、心ここにあらずの状態でした。

 昨年の後半から、旧居を売りに出しました。

 別荘として維持するには、夏の草刈、冬の水道凍結対策など、煩わしいことが多く、自分達の年齢を考えると、また息子達も旧居を維持することに消極的だったこともあり、手放すことにしました。いろいろな人達から「もったいない」とも言われ、気持ちがぐらつくこともありましたが、売却する方向で突き進みました。

 家内の「都会の人のほうが興味を示すのでは」という意見を入れて、地元の不動産屋には依頼せず、ネットの個人売買のサイトに登録しました(写真は、そこに掲載された表紙です)。

 その結果、10件近い引き合いがありました。殆どが首都圏からでしたが、遠くは京都の人からもありました。その都度、1時間半をかけて現地に行き、掃除をしたり、お茶の準備をしたりして、2~3時間の案内をすることになり、結構疲れました。

 そうした中で、昨年末ギリギリになって見に来た最後の人との間で、1月末に売買契約が成立しました。この契約に先立って、中古物件を売却する場合のいろいろな問題点が顕われて、素人の不動産売買の難しさを実感しました。例えば、物件状況報告書を作成しなければならなかったり、未登記物件が含まれていたことに無頓着だったことに愕然としたり、登記簿上の住所が未変更であったことに気付いたり、瑕疵担保責任の扱い方に困ったりと、初めて見聞きするようなことばかりでした。それでも、ネットから知識を得ることで何とか乗り越えました。また幸い、買主がこうしたことに詳しい人だったので、順調に契約書を作成することができました。

 一方で、売却はもう少し先のことだろうと想定していたため、別荘として暮らすのに必要な布団や炊事道具、衣類などが残っており、その後始末にも忙しい日々を過ごしました。そうした間に、家内の妹の不幸などが重なり、心安らかざりし時間を過ごしました。

 きょう現在、準備すべきことは殆ど完了し、電気、LPガス、水道、浄化槽などの停止手続も済み、ようやく今月中旬の引渡に臨める手筈となりました。もう少しで完了です。数日したら旧居の近くの親しくしていた人たちに会いに行き、引き払いの挨拶をしてこようと思っています。

キース・ヘリング

2012-12-05 15:41:49 | 木刻画
 これは「キース・ヘリング」と名づけた第61作目の木刻画です。シナベニヤ、水彩絵具、22.6×29.8cm。

棚田

2012-12-03 11:53:49 | 木刻画
 これは「棚田」と名づけた第60作目の木刻画です。シナベニヤ、水彩絵具、22.2×16.9cm。

来年の見通し

2012-12-02 14:27:44 | 木刻画
 これは「来年の見通し」と名づけた第59作目の木刻画です。シナベニヤ、アクリルメディアム、アクリル絵具、15.5×11.9cm。