過労で心の病、最多498人=昨年度、自殺・未遂は84人―若い世代増加・厚労省
6/30(金) 15:03配信
時事通信
過労や仕事の強いストレスが原因でうつ病など精神障害を発症し、2016年度に労災認定された人は、前年度比26人増の498人に上ったことが30日、厚生労働省のまとめで分かった。
5年連続で400人を上回り、統計の残る1983年度以降で最多となった。
このうち過労自殺(未遂含む)は9人減の84人で、過去4番目に多かった。労災認定、自殺ともに20代以下の増加が目立ち、電通の新入社員で15年末に自ら命を絶った高橋まつりさん=当時(24)=も16年度に労災認定されている。
厚労省職業病認定対策室は「職業による精神障害が労災対象と周知されたことで、認定件数が過去最多となった。労働時間より職場での人間関係が原因となったケースが目立った」としている。
労災申請は71人増の1586人と、4年連続で最多を更新した。
労災認定を年代別に見ると、30代(136人)と40代(144人)、50代(82人)でわずかに減ったが、20代(107人)は20人増、10代(9人)で7人増だった。過労自殺も20代が14人から22人に増え、ゼロだった10代は2人いた。
認定された人の月の平均残業は、20時間未満が84人、160時間以上が52人、100時間以上120時間未満が49人など。発症要因は連続・長時間勤務など「仕事の質と量の変化」が149人と多く、いじめや上司とのトラブルといった対人関係の100人、事故・災害体験95人、仕事の失敗やノルマの30人が続いた。