像としての母型
生きていくことにまったく受け身で無力な状態を助け出す母の愛は、乳児にとっては、その後、他の人物と接していくにあたっての人間関係のイメージの原型を形成していく。自分を同じように愛してくれる像を重ねて相手を見るようになる。つまり母の像の延長として、自分への細やかな愛情や評価を性愛と同一視する。性感帯から絶えずあふれ出る興奮と満足の源泉であり、母は育児とともに性対象の代理を演じているからだ。その強い性欲動の準備は、性器領域の刺激だけではなく、心的生活の影響で異性愛の原型が形成されるということになる。その逆に、乳児期に母の愛情が不十分な場合には、その原型はゆがみ、その後の性愛に負の大きな心的要因を為政されることになる。また、その像と食い違う場合、その像を無意識に拒否れたことになり、ときには失望の欠落感から神経症の症状を発症することもある。
生きていくことにまったく受け身で無力な状態を助け出す母の愛は、乳児にとっては、その後、他の人物と接していくにあたっての人間関係のイメージの原型を形成していく。自分を同じように愛してくれる像を重ねて相手を見るようになる。つまり母の像の延長として、自分への細やかな愛情や評価を性愛と同一視する。性感帯から絶えずあふれ出る興奮と満足の源泉であり、母は育児とともに性対象の代理を演じているからだ。その強い性欲動の準備は、性器領域の刺激だけではなく、心的生活の影響で異性愛の原型が形成されるということになる。その逆に、乳児期に母の愛情が不十分な場合には、その原型はゆがみ、その後の性愛に負の大きな心的要因を為政されることになる。また、その像と食い違う場合、その像を無意識に拒否れたことになり、ときには失望の欠落感から神経症の症状を発症することもある。