電脳くおりあ

Anyone can say anything about anything...by Tim Berners-Lee

「球界の未來のドアを開けたのは、ライブドア」

2004-11-03 17:50:30 | スポーツ・ゲーム
 11月2日の球団審査によって、「楽天」が選ばれた。不思議なことに、私は選ばれた「楽天」より、選ばれなかった「ライブドア」のことばかりが気になった。若い堀江社長の悔しい気持ちがよくわかる気がした。どの新聞も、「ライブドア」に同情的な書き方であるが、「堀江社長悔し、貢献強調も今後は白紙」という日刊スポーツの記事は、いい記事だと思った。

 球界は今年、近鉄、オリックスの合併問題から球団数を削減しての「1リーグ制」へ動いた。だがライブドアの近鉄買収、新規参入表明で、流れは変わった。世論を動かすきっかけとなったのは、その行動力だった。「売名ではないか」と中傷する声も出たが、堀江社長は「プロ野球を一企業体として見れば、リーグで何十億も赤字を出して何年も放置するダメ企業。改革には外部の力が必要です」と持論を展開し続けた。

 「東北楽天ゴールデンイーグルス」(通称・楽天イーグルス)が、仙台市の県営宮城球場を本拠地として新球団としてスタートすることになった。新しい球団ができたことで、①プロ野球2リーグ制が守れたこと、②オリックスと近鉄の合併によりリストラされる選手を救えること、③野球空白地域(以前の一度失敗しているが)の東北に球団を持ってきたことの3つのことが実現できた。その流れを作ったの「ライブドア」だと思う。その意味で、「ライブドア」の新球団の監督に内定していたオマリー氏のコメントは、的確なコメントだと思った。

 熱意、行動力が、地元では楽天より上の支持率につながっていた。小島暫定GMがファンの声を代弁するかのような、監督に内定していたオマリー氏のコメントを紹介した。「若いつもりだったが、もっと若いスタッフと共有した時間は有意義だった。結果は残念だったが、球界の未来のドアを開けたのは、ライブドアである」。

 決まってしまった以上は仕方がないと思うが、「楽天ありき、の審査だったと思うか」という問いに、「妄想し始めたらきりがない。新球団ができたことはうれしいこと。皆さんはすっきりと今までのことは忘れて、応援していただきたい」と堀江社長は答えていた。堀江さんには、ご苦労様としか言いようがない。

 「ライブドア」は、「楽天」を抜いて、さらに「ソフトバンク」に迫るIT事業の位置をこれから築いていって欲しいと思う。赤字の球団を日本の大企業はどこも支援しようとしなかった。選ばれなかったとはいえ、新しい日本のプロ野球のために果敢に挑戦した「ライブドア」の勇気に心から拍手をしたい。何事につけそつのない「楽天」三木谷浩史社長ことだから、今後の球団経営のことは大丈夫だと思うが、「我々のようなベンチャー的なやり方という新しい血が入ることが、球界にとってもいい影響があると思う」という気持ち大切にして、頑張って欲しい。

 仙台市ではライブドア人気の方が高かった。感想を求められた三木谷社長は「一番重要なのは、東北・仙台にチームができること。楽天かライブドアかか問題じゃなく、ファンもそれを望んでいると思う」とかわした。
 同席した田尾安志・新監督は「堀江社長が最初に手を挙げてくれたのは、野球関係者として、とてもありがたかった。ライブドアの分まで頑張る」と語った。

 「スポーツマン精神に則って、正々堂々と」という言葉があるが、今年の日本プロ野球の姿は、いろいろな意味で考えさせられた。最後の田尾新監督の言葉は、爽やかな言葉だ。

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2 コメント

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Natsuさん、こんばんは。 (りつ)
2004-11-03 20:18:42
Natsuさん、こんばんは。
今頃ですが、静岡で会社の休日をおすごしいただき、歓迎の気持ちを表します。
(いや、別に私は観光業界とは無関係ですが)

さて、野球。
実は私はNatsuさんとほぼ同視点でこの新規参入の一件を見ていました。

ライブドアへのアンフェアな視線を感じつつ結果を見ていましたが、やはり、という結末です。

田尾新監督や古田会長のコメントを見聞きすると、彼らが一番純粋な野球ファンの感想のような気がします。

選出された人が、その責任を自覚して初心を忘れず新風を吹き込んでいただきたいと願うのは政治家への期待と変わりません。
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>りつさんへ (Natsu)
2004-11-04 13:21:08
>りつさんへ

静岡は、いいところでした。
とにかく、暖かでした。

「楽天」も「ライブドア」も、IT企業としてみれば、そんなに好き嫌いがあるわけではありません。堀江さんの下で働けと言われたら、多分断ります。人使い荒そうだし、私なんかすぐ、老害といって捨てられそうです。

それでも、なお、「ライブドア」に同情してしまうのは、たとえ今回のことが「ライブドア」の売名行為であったとしても、混迷しそうな日本のプロ野球を救ったことは確かだからでしょうね。
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