電脳くおりあ

Anyone can say anything about anything...by Tim Berners-Lee

中津川に行って

2009-09-23 13:20:12 | 生活・文化

 この連休を利用して、中津川に帰る。中津川では、いろいろな問題が山積していて、そのために親族で打ち合わせをしたり、土地の測量のやり直しの件もあったりして、とにかくいちばん道路が空いていそうな21日・22日に中津川に行く。かみさんが同行してくれることになり、車で中津川に向かった。21日の朝4時に飯能を出て、圏央道、中央高速を利用して中津川に向かう。途中3カ所で休憩したが、渋滞に巻き込まれることなく、9時10分に中津川の一つ先にある恵那インターに着く。恵那市には、父がケアハウスに入っている。

 恵那市にあるそのケアハウスには、父が3ヶ月の予定で入所している。夏に熱中症になり、市民病院に入院していたが、退院後も1人では生活が困難だということで、ヘルパーさんの紹介で、そのケアハウスに入った。まだ新しいところで、私たち夫婦と、弟二人で父親を一泊二日帰宅させることにしていたのだ。認知症の老人もいたりするので、セキュリティーはしっかりしていて、無断では外に出ることができないようになっている。まだ、1ヶ月しか入っていないが、父は、同部屋の人に手を振って出かけるという身振りをしていた。同部屋の人は、横になったまま小さく手を振っていた。

 そのケアハウスには、高速道路で購入したお菓子を挨拶代わりに渡し、父にはカステラを部屋の仲間と食べるようにと机の上に置いておいた。父は、その部屋の中でいちばん年上(89歳)だが、いちばん元気そうだった。とにかく、急いで、父を連れて中津川の実家に戻る。そのケアハウスから20分くらいで実家についた。実家では、我が家の土地と境を接する人たちが集まっていた。従兄弟のMさん、裏の大地主のNさん(弟の同級生)、隣に家を建てた、Aさん、Hさん、Sさん、私道を造ってくれたTさん。我が家は、五人兄弟のうち1人欠席したので、4人の兄弟の参加だった。

 父の立ち会いのもと、先ほどの隣人たちと境のマーカーになる杭を順番に打った。この杭を基に、10月7日と14日に中津川の市役所より人が来て、測量して新しい土地台帳を作成することになる。現在ある登記簿の地図は、ほとんど現状と形が違っていて、しかも正確ではないのだ。税金のための面積計算も多分かなりいい加減だったと思われる。そのために航空写真を利用しながら、正確な土地台帳を作成することになる。私たち兄弟は、いつも隣人の人たちに大変お世話になっていることもあり、ほぼ彼らの主張通りに杭を打った。11時半ごろに、我が家の土地と彼らの所有の土地との境のくい打ちが終り、解散した。

 それから、私たちは昼食を食べ、午後は、我が家の所有する土地の中を、山林、住宅地、畑、田、駐車場、倉庫などに分けて、区画の整理のための杭を打った。こちらは、兄弟だけで、現在の図面を参考にしながら、わかりやすく土地を区切り直した。8月12日に説明会があり、実態に合うように変更するのであれば、どんどん変更して良いとの許可が出ていた。今後売ったり、遺産相続をしするときにうまくいくように分割しておくと、そのための測量をしなくて済むという話だ。この作業にはかなり時間がかかり、終わったのは4時半頃だった。私たちは図面を確認し、夕食兼親族会議をするために、市街地のレストランに父を連れて行った。

 親族会議は1人欠席があったので、そこで何かが決定されたわけではないが、いろいろな問題点が浮き彫りになった。大きくは、問題が二つあり、一つは、今後の父の介護等をどうするかということであり、もう一つは父に何かあったらどうするかという問題だ。この二つは、かなり絡み合っていて、ややこしい。というのは、父は、中津川の家を継いでくれるものがいればそれに全てを託すと言っているからだ。ただ、問題は、そういうものがいないということだ。だから、少し話が複雑になる。というのは、中津川の土地にいろいろと執着している兄弟もいるからだ。私とすぐ下の養子に行った弟は、中津川の土地に執着はなかった。

 この問題の解決の選択肢は、次の三つしかありえない。①誰かが父と中津川の土地の面倒を見る。この場合は、全てそのものに任せる。遺産は、父の指示従い彼のものになる。②中津川の土地や父の資産を使って、父に老人ホームなり施設に入ってもらう。全ての資産をそれに使い、残ったら均等に分ける。③みんなで共同で父の面倒を見、土地等は皆で均等に分け、それぞれをそれぞれが責任を持って管理する。この三つである。相続のためには、いろいろな問題が発生するが、それらは一応個別に対応するしかない。第一、土地はすぐには売れないという問題があり、資金は、銀行等を通じて借りることになるかもしれない。しかし、一応、可能な選択肢である。

 すぐ下の弟は、①の意見を述べ、場合によっては孫でもいいと言う。私は、どちらかと言えば②の意見。あと、二人の弟は、①と③で揺れている。私の理解では、いままで、②の選択肢は検討されてこなかったような気がする。夕食を食べながら、そんな提案をしたが、皆は不審そうに口をつぐんでいただけだった。それは、特養老人ホーム等の探し方が、できるだけやすい所というように考えられていたことからも分かる。しかし、私は、最近自分が年を取ったせいか、親は子どものために資産を残す必要はないと考えるようになっている。もちろん、子どもが確実に自立できるように支援するのは当然だが、それ以上の資産は必要ないと思う。

 父は、一人で中津川に住み、自分の年金や資産で誰からの仕送りもなく生活してきた。もちろん、息子たちは、父から沢山の資産をもらったわけではないが、一番下の弟が50過ぎており、だれも父の援助など必要としていない。とするならば、父は、自分の資産をフルに活用して、自分で満足できる生活をしてもらいたい。父親は、年金等も含めて年間約300万円の収入があり、約1町近い土地を所有している。それは、資産としては恵まれていると思う。その資産は、死んだら誰かのものになってしまうだけだ。

 この話は、まだ、終わったわけではないので、これから早急に話し合わなければならない。10月の下旬に全員が集まることを確認して、その日は分かれた。私とかみさんは、ホテルに泊まり、次の日父親に会いに実家に寄る。午前中、少し作業をする予定だったが、あいにくの雨で、作業は中止になった。残った作業というのは、測量しやすいように、雑木林の伐採をすることだったが、後で業者に依頼することなった。道路事情が心配だったので、父をケアハウスに送ってもらうのを弟たちに頼み、そのまますぐに、中津川インターに向かった。それは、正解だった。
 
 休日・祝日等の高速道路の料金が安くなり、大型連休の高速道路はものすごい混みようだ。土・日の下りと、火・水の上りの道路の混み具合は半端ではない。丸一日覚悟しないといけないくらいだ。確かに、中津川は我が家から280キロあるが、車をプリウスにしたら、ガソリン代は3000円くらいになり、高速道路の料金も往復で3000で済んでしまった。つまり、6000円あれば中津川に行って帰ってくることができる。普通に、新幹線を使って夫婦二人で中津川まで行くと、交通費だけで5万円近くかかってしまう。優雅な旅行にできるのだ。ただ、混雑しなければだが。

 22日の火曜日は、9時に中津川インターから入り、途中3回ほど休憩して、飯能に着いたのは1時半だった。雨のおかげかもしれない。雨が降らなければ、出発が午後になり、大渋滞に巻き込まれるところだった。そのときは、多分、夜中になったと思われる。中津川を出る前に、名物の栗きんとんを買おうと寄ってみたが、あまりの行列に買うのをあきらめた。途中、諏訪湖SAで休憩したとき、かみさんは諏訪大社の方に向かってお辞儀をしていた。多少渋滞しているところはあったが、車は止まることがなく、少しずつ動いていた。だから、休憩も取ることができた。そして、無事、飯能に帰り着いた。沢山の宿題を改めて出されて感じで、気が重いながら、家に帰ってきた。

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スーパー雑草「おもだか」

2009-09-13 22:43:01 | 政治・経済・社会

 9月7日(日)のクローズアップ現代は、「スーパー雑草大発生」だった。「今、除草剤が効かない"スーパー雑草"が拡大している。宮城県では田んぼに"オモダカ"という雑草が急速に増え、コメの収穫に影響が出ている」というのだ。私は、我が家紋の「おもだか」が非難されているようで、いやに気分になりながら、テレビを観ていた。そして、これは「おもだか」が悪い訳ではないということを知った。これこそ、人間の自己中心的な活動に対する自然の反撃だと思わないわけにはいかなかった。私にとって、「おもだか」は雑草ではなく、れっきとした観賞用植物だった。自宅で鉢植えにと近くの花屋さんをまわったこともあるくらいだ。

 「おもだか」がスーパー雑草になった経緯は、これまでに開発された除草剤を長年使っているうちに、遺伝子が突然変異して、この除草剤が聞かない雑草になってしまったことにある。問題は、これ以外の雑草は枯れてしまうので、「おもだか」は逆に繁殖してしまうことになる。つまり、田んぼでは、稲と「おもだか」が元気よく育っている。そして、その結果「おもだか」は憎まれることになる。もちろん、稲のほうは、はじめからこうした除草剤が効かない特性を持っていることになる。「おもだか」は、稲に負けないように繁殖しているだけなのだ。だが、宮城県の農家にとって、田んぼの養分を吸収してしまう「おもだか」は、にくい敵なのだ。

 これは、なにも植物だけではない。新型インフルエンザというのは、こうしたスーパー雑草と同じで、ウィルスが自ら突然変異してきたからだ。もちろん、ウイルスだけではなく、いろいろな病原菌が今突然変異して、薬が効かなくなっている。これは、環境に適合するために生物の生きる力だということができる。もちろん、人間の側からみれば、それはとんでもない事態である。他方、植物の側からみれが、あまりにも身勝手な人間の反応であり、人間に対して怒っているかもしれない。しかし、私も人間であるので、ここは、何とか人間に頑張ってもらうしかない。

 ところで、東京大学の研究者によって、東南アジアを原産とするチョウの一種が東京都内で繁殖しているのが見つかったという。これは、地球温暖化の影響で、生息地が本来の熱帯から北へ広がってきている可能性があるといわれている。そして、この小さなチョウは、幼虫の時に亜熱帯のソテツの新芽だけを食べるという特徴を持っているという。その結果、このチョウは、繁殖すると家庭に植えられているソテツに被害を与えるおそれがあると指摘されている。これは、遺伝子の突然変異によるものではない。むしろ、環境の変化自体が、繁殖地を広げている例だ。

 また、先日、鎌倉の友人宅に行ったとき、アライグマの被害の話を聞いた。こちらも、NHKでレポートされていたが、今や、日本全国にアライグマが繁殖していて、アライグマによく似た狸が絶滅しそうになっているという。アライグマは、カナダが生息地であるが、ペットとして飼われていたものが、野生化したと考えられている。アライグマは、かなりどう猛であり、いろいろな被害を与えている。鎌倉の友人の話によれば、ニワトリがおそわれているそうだ。勿論、もともとそこに存在していなかった動物や植物が何らかの理由で突然出現し、繁殖する例はたくさんある。植物の種が鳥などの動物によって運ばれるということ自体の中に、そうした可能性の目がある。それも、植物の生きる知恵である。

 こうした生態系の変化については、よくよく考えてみるべきだと思う。単に、よく効く薬は、諸刃の剣であり、生態系のバランスを崩してしまうのであり、崩れたバランスは、また新しいバランスができあがるまで変化していくことになる。政治の世界では、もうすぐ新しい政権がスタートする。ある意味では、政治の生態系に大きな変化が起きたわけであり、これから新しいバランスを求めていろいろなものが変化していく。いろいろな人たちが、いろいろな処方箋を書いている。大切なことは、変化した方がいいものと、変化してしまっては困ることを見極めることだ。

 確かに、ある種の熱気で、政権交代が起きた。半藤一利の『昭和史──1926~1945』を読むと、「国民的熱狂」が何をもたらしたかが書かれている。特に、マスコミの責任は重いのであり、おそらくそうした熱狂をマスコミが煽ってきた。そうしたマスコミがあおる熱気がどんな結果をもたらすかについて、私たちは、自分の頭でしっかりと考えておくことが大切だと思う。私たちは、生活者として細部にこだわり、自分たち1人1人がよく知っている小さな幸せを大事にして、それを基盤としてみんなの幸せを追求していけばいいのであり、それに敵対するものを批判して行けばいいのだ。もちろん、それが本当の幸せであるかを確かめながら。「おもだか」の運命を考えながら、そんなことを思った。

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石川遼と鳩山由紀夫

2009-09-06 22:09:25 | 政治・経済・社会

 第37回フジサンケイクラシック最終日、単独首位でスタートした出た石川遼は4バーディー3ボギーの70で回り、通算12アンダーで2位に6ストロークの差をつけて今季3勝目をあげた。これでツアー通算4勝目。賞金2200万円を獲得して、今期賞金ランキングのトップに立った。私は久しぶりに、テレビで石川遼の姿を見た。赤と白のウエアを着こなし、とても落ち着いたプレーだった。とても、17歳とは思えないプレーであり、試合後のインタビューだった。ジャンボ・尾崎が登場した時より、格好いいような気がした。

 一方、女子ゴルフは、23歳の諸見里しのぶが今季5勝目をあげて、賞金を今期1億円にのせた。女子の方は、宮里藍や横峯さくらの若手がツアーを盛り上げ、男子ツアーより、人気が高く、それは当然賞金に反映している。日本の女子ゴルフツアーは、アメリカの女子ツアーより、賞金はいいくらいで、韓国の選手たちもかなり日本で活躍している。日本の男子ツアーは、アメリカツアーと比べると1桁以上の違いがある。それだけ、日本ツアーとアメリカ-ツアーの力の差があると言ってもいいかもしれない。

 しかし、日本の男子ツアーにも、石川遼に続く若手の選手がもっと増えてくると、もっと面白くなり、活性化するに違いない。青木功、ジャンボ・尾崎、中島常幸らが作っていた、日本の男子ツアーの黄金時代は、やはり、彼らの個性に支えられていたと思う。スポーツには、スターがいなければならない。スターがいて、そして、そのスターのライバルが現れ、苦労しながらも最終的にはスターは勝たなければならないのだ。今のところ、石川遼のライバルは先輩たちだが、同世代や自分より年下のライバルが現れてきて、本当に石川遼の輝きが増してくる。

 初日は、片山晋呉、丸山茂樹と一緒にまわり、彼らよりスコアがよく、4位だった。2日目からは、常に首位を守り、最終日では、2位に2打差のスタートだったが、終わってみれば6打差をつけて優勝していた。私は、最終15ホール目から石川のプレーを見た。昨年見た石川とはまったく別人だと思った。とにかく、安心して見ていられた。逆に、石川を追うべき2位以下の選手たちがあまりにあっけなく、ボギーをたたいていたが、彼らのフォームや仕草を見ていると、そうなってしまうのが当然のように、何となくぎこちなく、不安定な印象だった。失礼かもしれないが、石川と同じ組で回っていた久保谷健一と武藤俊憲は、本当に脇役という感じだった。

 私たちは、スポーツを観戦している時、スターに感情移入しながら見ている。つまり、そうした感情移入できるようなスターがいないと、スポーツを見ていても楽しくない。私たちには、ミラーニューロンがあり、スポーツ選手の動きを自分の動きとしてイメージして見ている。つまり、脳の中では、あたかも自分がそうした動きをしているかのように思って見ているのだ。私たちは、石川遼のティーショットを見ながら、できるだけ遠くまで飛ばそうと思って、彼のスイングを追っている。また、絶対に入れるつもりで、パターを動かし、ボールの行方を目で追う。そして、入った時に、快感を覚える。あたかも、自分がそれをやっているかのように。

 これは、政治家たちの姿を見ている時もそうかもしれない。自民党の小泉純一郎が首相だった時、多分私たちの多くは、スターを眺めるように、彼の行動や言葉を、眺め、聞いていた。彼が、「自民党をぶっ壊す」と言った時、私たちは、自民党に総裁であるにも関わらず、彼に喝采を送った。「政権交代でしか、実現できない日本がある」というスローガンを掲げて、その言葉だけで、実際に政権交代をさせてしまった、民主党の鳩山由紀夫が、小泉純一郎に代わるスターになれるかどうかは不明だが、可能性がないわけではない。そして、おそらく、国民は、いい悪いは別にして、おそらく鳩山にスターであることを期待しているに違いないと思われる。スターになることが悪いことではない。どんなスターになるかが、問題だ。

 しかし、もちろん、政治はゴルフとはまったく違った世界である。よりよい政策とそれを実現できる力があればいい。スターなどいらないと言えば言える。鳩山政権の成立は今月の16日が予定されているが、今、着実に人事が決まりつつある。それだけを見ていると、自民党の党と政府人事と比べて、とても充実しているように見える。確かに彼らは、今まで野党にあり、政府自民党を批判していたので、より鋭く見えるのかもしれない。いずれにしても、現在の政治経済構造が直面している問題は、1人前の与党の政策のせいだけで生み出されたわけではない。むしろ、彼らがやろうとしたことがあまりにも中途半端だったという側面もあった。そのことよくよく理解して、自分たちの一挙手一投足が、今、最も注目されているのだと言うことしっかりと自覚して、日本を変えてもらいたいものだ。

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