電脳くおりあ

Anyone can say anything about anything...by Tim Berners-Lee

ダイエーの再生機構活用先送り

2004-10-12 22:24:41 | 政治・経済・社会
 ダイエーは一体どうなってしまったのだろう。いつの間にか、政治問題にまでなってしまった。11日の臨時閣議で小泉純一郎首相がダイエー再建問題について「関係閣僚で話し合ってもらいたい」と指示したと言う。それにしても、既に2回も借金を棒引きして、その上に態度が煮え切らない。NIKKEI-NETに、金融相「ダイエー再建、民間の検討を慎重に見守る」という次のような記事があった。

 伊藤達也金融担当相は12日午前の閣議後の記者会見で、ダイエーの再建問題に関し「債務者と債権者である金融機関が責任ある立場で判断するべき問題で、政府としては民間関係者の検討を引き続き慎重に見守りたい」と語った。さらに「一般論」と断った上で、「企業再生の手段には様々な選択肢がある」との認識を示した。
 再生機構の活用に関しては、「法律上、時間的制約がある」とした上で、「機構の支援は、厳格な資産査定やその結果を踏まえた再生計画の判断などが前提で、こうした点は関係閣僚の共通認識」と述べた。

 ここでも、問題を丸投げしてしまっているような気がする。再生機構は12日が起源だといっていたのだが、小泉首相の発言などもあり、政府自体が先送りを許しているようなものだと思う。だれもが、責任を放棄しているように見える。ただ産業再生機構の斉藤惇社長だけが、必死のように見える。あとは、UFJ、三井住友、みずほコーポレートの主力3銀行がどう決断するかに任せてしまっているのだ。

 経団連の奥田会長が「借りた金は、返すのが基本」というのは当たり前のことだと思う。不良債権処理の問題が起きてから、そうしたモラルが低下してしまったように思う。もちろん、資本主義社会であり、競争に敗れ没落していく企業はある。そうした企業が消え、新しい企業として起業家も従業員も再生していくのが理想だ。そのためなら、国税が使われるのも納得する。そうではなく、「借りた金は返さない、その上生き残りたい」というのはどういう発想なのだろうか。

 私たちは、既に大企業が倒産して消えていった例を知っている。日興證券の社員たちの引き際は、それなりに見事だったと思う。ダメなのは、そのときの経営者たちだったと思う。どこかの段階で決断をすべきだと思う。一日決断を遅らせることで、不良債権はさらに膨らむということもあり得る。ダイエーも西友のようになりたいのだろうか。西友とダイエーがウォルマートに支援してもらうというのは、しかしこれは何だろう。もちろん、外資に拾って貰っても、特別日本が危機になることはないと思うが、何となく釈然としないことは確かだ。