フライトシミュレーターの世界

経済アナリスト藤原直哉の、趣味のフライトシミュレーターのページです。主にX-Plane、PSXを飛ばしています。

金門橋は大きかった

2016-01-04 19:59:52 | 日記

フライトシミュレーターでほっと一息つくと、こういう飛び方をしたくなるものです。

X-Planeの道路はその上に着陸することができます。金門橋です。

鉄骨の間も飛ぶことができます。

ワイヤーの間も飛ぶことができます。

昔、MS-DOSの時代に日本語のフライトシミュレーターソフトがいくつかありました。もう名前は忘れてしまいましたが、サンフランシスコの山を越えた太平洋側にあるハーフムーンベイの空港を舞台にしたソフトがありました。小型機のシミュレーターでした。懐かしいのでハーフムーンベイ空港に行ってみました。

何かと賑やかな空港で、滑走路にこんな書き込みがあります!空港名と無線の周波数と標高。

さらに誘導路の入り口にはこれ。フライトプランをクローズしてください。

その反対側、滑走路の入り口にはこれ。騒音を防止するための飛び方。夜間と週末の午前中のタッチアンドゴーはご遠慮くださいとか、可能なら家の上は飛ばないでくださいとか。

エプロンの方向も看板で示してあります。

それにしてもパソコンベースのフライトシミュレータもずいぶん進歩しました。昔はメディアも5インチや3.5インチのフロッピーディスク。一番最初もう30年ぐらい前、ジェット機の夜間着陸をするソフトがありました。DC-8、B747、B707Convair880、B727、とあともうひとつ何かあった気が。当時はMS-DOSマシーンにはヨークもマウスもありませんから、全部キーボードで操縦するのです!このソフト、機種によって操縦感覚が違うのです。Convair880がスポーツカーみたいにレスポンスが良くて、DC-8がだいぶまったりしていたのを覚えています。

(おわり)


X-Plane10のB767-300ERでニューヨークからオークランドまで(2/2)

2016-01-03 19:57:42 | 日記

どこまでもどこまでも続くアイオア州の平原です。このあたりからグレートプレーンズというたいへん肥沃な平野で穀倉地帯になります。

やがてネブラスカ州に入ります。眼下はオマハの街です。下から上に流れていくミズーリ川に右からプラット川が注ぎます。

蛇行しているエルクホーン川を越えます。

左手にはネブラスカ州リンカーン市が見えます。ネブラスカ州に入るとグレートプレーンズは次第に丘陵地帯になっていきます。

やがてプラット川とループ川に分かれます。眼下はネブラスカ州コロンバス。

さらに丘陵地帯が広がっていきます。眼下はシャーマン貯水池。

 グーグルマップを見ても丘陵地帯が広がってきます。

やがてノースプラット川とサウスプラット川に分かれます。眼下はノースプラットの街です。

そして巨大なマコノーイー湖です。米国の平原を上から見ているとこうしたダムや貯水池がたくさんあります。

サウスプラット川が左から右に流れていきます。川の流れていく先にコロラド州デンバーがあります。もやが晴れればもう見える距離です。

さて、先ほど述べたようにここでコストインデックスを80に上げて対気速度を上げます。

いよいよロッキー山脈が始まります。山が見えてきました。左下に広がる街はコロラド州フォートコリンズ、そのもっと南にデンバーがあります。スキーリゾートで有名なアスペンは左奥です。

グーグルマップを見ます。I-80が航路の北の方を走っています。I-80はここから北西に向いて走っていき、ユタ州ソルトレイクに出ます。一方当機はまっすぐ西に向かいます。

正面に雄大なロッキー山脈の山々が見えています。まさにロッキーマウンテン国立公園。見える湖はグランビー湖とグランドレイク湖です。

ロッキー山脈を越えました。遠くにもさらにロッキーの山々が見えます。後方はエバンス山でしょうか。

左手に巨大な峡谷が見えます。コロラド川の峡谷です。

当機はすでにグレートベースンに入っています。ここがコロラド川の分水嶺です。実に壮大な地形です。

コロラド川の上流です。

右手側はワイオミング州です。蛇行している川はグリーン川。

やがてユタ州、ストロベリー貯水池が見えてきます。

グーグルマップを見ても荒涼とした場所を飛んでいます。左上がユタ湖

眼下はガニソン貯水池。

やがてユタ湖が右手に見えてきます。その先にはソルトレイクシティ―とグレート・ソルトレイク湖がありますが見えません。昔のブログでソルトレイクシティーにB757で来た記事があります。確かトラブルを抱えての代替着陸だったと思います。

グレートベースン中央部の巨大な砂漠です。巨大な塩湖が広がります。このあたりには軍用空域、制限空域が広がります。

右手に見える緑はフィッシュ・スプリングス。その先にはまた広大な砂漠が見えます。右奥がソルトレイクシティーです。

DELTA VORを出ました。荒涼とした地形が広がります。

ネバダ州に入りました。再び次第に山脈が走り始めます。写真右上のほうにヨセミテ国立公園があります。

では予定どおりFL320にステップクライムします。

中の島がある湖がモーノ湖、その奥に広がる山脈がシェラネバダ山脈ヨセミテ国立公園です。

ちょうどリノの南を通過しています。左手はヨセミテ国立公園。真下にシェラネバダ山脈が広がります。緑が濃くなっているところの先は平野で、その先は太平洋です。

既にカリフォルニア州です。右手の湖はネバダ州とカリフォルニア州の境にあるトパス湖。そしてエルドラド国立森林公園。

雄大な渓谷が続きます。スタニスロース国立森林公園。

山のふもとは断層で有名なサンアンドレアス。その先にカマンチェ貯水池。この先は太平洋まで平野です。

では予定どおり降下を始めます。離陸から5時間49分。

右手の山脈から左手の平野まではっきりと地形が分かれています。

前方にうっすらとサンフランシスコ湾が見えてきました。もう太平洋です!

あと22.2マイルでMANTECA VOR(ECA)。順調に降下しています。

高度の設定は最終進入開始地点の1800フィートまで下げておきます。

今日の進入速度はフラップ30度で142ノット。

FL180を過ぎます。QNHを合わせます。30.12インチ。FSGRWから読み取りました。離陸後5時間55分。

降下前のアナウンスです。

サンフランシスコ湾の一番奥です。平野が広がります。

サンフランシスコに近づいて大きな街が次々に広がってきました。ストックトンの街です。

グーグルマップにもサンノゼが見えてきました。当機の正面にディアブロ山があります。

ディアブロ山です。右手はサンフランシスコ湾。

機内からもサンフランシスコ湾と太平洋が見えてきました。オークランドは湾の手前、湾の向こうがサンフランシスコ。太平洋への出口の切れ目のところに金門橋がかかっています。

シートベルトサインをオン。

シートベルトサイン・オンのアナウンス。

だいぶ降下してきました。サンフランシスコ湾と太平洋がよく見えます。

10000フィートを過ぎました。降下開始のアナウンス。

速度を205ノットまで徐々に減速させていきます。フラップ5度の速度です。

眼下に目的地のオークランド・メトロポリタン空港が見えてきました。

今日は一度空港の北側に行ってから南に折り返して最終進入になります。かなり大回りになります。

NDの表示を標高にします。

車輪のブレーキの温度もノーマル。スピードブレーキをARMします。オートブレーキは3。

眼下にベイブリッジと金門橋が見えます。このベイブリッジがI-80です。I-80はニューヨークからサンフランシスコまで走ってきて、このベイブリッジを渡ります。ちなみにI-80はソルトレイクからリノ、サクラメントを通ってベイブリッジの対岸、バークレイに来て、ベイブリッジを渡ってサンフランシスコに入ります。

チョットぼやけていますが左手にサンフランシスコ市街が広がります。

さらにその先にサンフランシスコ国際空港があります。

金門橋とアルカトラズ島です。

では最終進入に向けて180度ターンします。

ベイブリッジとサンフランシスコの中心部が眼下に広がります。

正面にオークランド空港が見えてきました。着陸するのは10Rです。

ギアダウン、3グリーン。

続いてフラップ30度。進入速度は風を考慮して147ノット。このあとオートパイロットを切ってマニュアルで着陸します。

滑走路と角度を持ちながら最終進入が続きます。安定して降下していきます。

高度はゴーアラウンドの5200にします。オートスロットルも切ります。完全にマニュアルでの着陸です。

まもなく着陸です。空港の滑走路の表示は依然として9Rのままです。

到着機をタワーから見たところです。

というわけで無事着陸して誘導路に入ります。着陸は現地時刻で10時42分。気持ちよい朝です。

到着後のアナウンスです。

APUをオン。ストロボ灯をオフ。

フライトディレクターもオフ。

トランスポンダはスタンバイ。

ブレーキの温度は3です。正常な範囲です。

スポットインしてエンジンをカット。

シートベルトサインをオフ。

ドアをマニュアルにというアナウンス。続いてグッドバイのアナウンス。

ドアを開けます。乗客は右側からタラップとバスで降機します。

降機が始まりました。

続いて外部電源を接続。APUは切ります。

無事に降機が終わりました。

こちらは貨物ターミナルです。旅客ターミナルは滑走路の向こうに見えます。

グーグルマップで見た空港です。

IRSのズレを調べます。6時間15分飛ぶと上から3桁目まで誤差が出ています。特にIRS Rの誤差が大きいようです。

今日はこのままシャットダウンしますからIRSをオフに。

空調もオフに。

電源を落とします。

今回のフライトで操作したチェックリストです。ランディングギアダウンが正しく認識されないエラーがあります。バージョンアップで多分直されると思いますが。そこだけオーバーライドして、あとはすべて正常に実施しました。

では降機します。

故障ですが、燃料投棄のシステムに問題があります。これは直さないと離陸できません。

というわけで無事米国大陸の横断が終わり、オークランドに着きました。月が半分沈み残しています。

フライトシミュレーターは細かく見ていくとかなり細かな操作が可能です。そして地上の地形もかなり細かく表現されるようになっています。ぜひ楽しんでみてください。

(おわり)


北太平洋の飛行計画とETOPS、ETP

2016-01-02 17:25:25 | 日記

今日は北太平洋の飛行計画を考えてみます。ホノルル(PHNL)から羽田(RJTT)までのフライトプランと、途中の北緯33度東経170度のポイントからアラスカのアダク(PADK、占守島)へ行き先を変更する場合について飛行計画を作ってみます。

B767-300ERの双発機でこの区間を飛びます。まずPFPXで作ったホノルルから羽田までのフライトプランです。風を読み込んで最適なルートを計算すると北太平洋に事前に設定されたルート(PACOTS)ではなくてランダムなルートになりました。

距離は3555マイル、平均の風が向かい風72ノットです。強い偏西風のなかを飛びます。飛行時間は9時間04分の予定。燃料が増えて最大離陸重量の制限に引っかかり、旅客と貨物は限度いっぱい積むことができなくなりました。搭載燃料が123.8キロポンド。

それで、今日は双発機で飛びますからこの区間はETOPS運航が必要になります。ETOPS180で計算します。まず飛行中に代替着陸ができるAdequate(十分な)空港はPFPXが自動的に選んでくれます。そのなかで現在の気象(METAR)と気象予報(TAF)を見て、Suitable(適した)空港を選びます。日本国内にはSuitableな空港がたくさんありますが、今回の航路上はハワイを出るとジョンストン島(PJON)とミッドウエイ島(PMDY)があります。薄い黒い丸で囲まれたところが各空港からエンジン1基で60分の範囲です。ホノルル(PHNL)とこの2つの空港は60分以内の範囲が重なっていますから、ミッドウエイまではETOPS運航は必要ありません。しかしミッドウエイを出ると薄い黒い丸は日本近海までありません。そのためミッドウエイから日本までの間にETOPS運航が必要になります。

今回はミッドウエイと日本の間のETOPS区間をカバーするために、Suitableな空港からミッドウエイと羽田の2つのETOPS代替空港を指定しました。上の図を見るとミッドウエイと羽田から180分の範囲に引かれた太い黒い丸が重なっていて、この間にETOPS区間が入っています。この範囲がそれぞれの空港にエンジン1基で180分以内に行くことができる範囲です。すなわちこの2つのETOPS代替空港でETOPS区間をカバーできています。

しかしPFPXではETOPSの計算をする設定にして任意の2つの空港のペアを指定すると、その間のETP(等飛行時間ポイント)を計算してくれます。ETPというのはそこから先の空港に行くのと、そこから後ろの空港に戻るのと同じ時間になるポイントで、風の影響などを考慮すると等距離のポイントにはなりません。ETPの計算にはわかりやすい公式があって、手でも計算できます。飛行計画を作るうえでETPを計算してくれると大変便利です。そこで今回はホノルルも便宜的にETOPS区間のように装って、ホノルル/ミッドウエイ、ミッドウエイ/羽田の2つの区間についてETPを計算します。それが下の図です。

では、下の写真を見てください。まずETOPSの計算の部分です。

33E70(北緯33度東経170度)のポイントの手前238マイルのところからETOPS区間に入り(離陸後4時間01分)、38E50(北緯38度東経150度)のポイントの手前130マイルの所でETOPS区間を出ます(離陸後7時間08分)。したがってETOPS運航の区間は3時間07分。

計算に当たっては氷結を考慮し、また復航を1回行うものとしています。

ETOPS代替空港はETOPS運航の予定時刻に前後余裕を持たせて、この間の空港設備等や気象あるいは気象予報が飛行機の着陸に支障のない状況になっていなければなりません。ミッドウエイは世界標準時で9時26分から16時1分まで、羽田が15時33分から16時1分までです。今日はこの間の天気は良好で、この2つの空港はETOPS代替着陸に適した(Suitable)な空港です。もしこの間の空港設備等や天気が着陸に適さないとSuitableな空港として使えません。その場合には航路をずっと北か南にずらしてアラスカや他の太平洋の島をETOPS代替空港に指定するか、ETOPS270という、270分のETOPSができる機材にして、ホノルルと羽田の2か所のETOPS代替空港でカバーできるようにします。

次にETOPSのシナリオ分析です。ETOPSでは通常、3つのシナリオに基づいて、それでも安全にETOPS代替空港に到着できる燃料を確保します。シナリオの1はエンジン1基が止まって、エンジン1基の時の巡航高度で代替空港に行く。シナリオの2はエンジン1基が止まり、与圧が抜けてしまって10000フィートまで緊急降下し、10000フィートで代替空港に行く。シナリオの3はエンジンは2基動いているが、与圧が抜けて10000フィートまで緊急降下し、10000フィートで代替空港に行くというものです。いずれも非常に厳しい状況の設定です。下の計算を見ると全部で6つのグループがありますが、上の3つはホノルルとミッドウエイの間の計算ですから飛ばして、下の3つが今回のETOPSにおけるシナリオ分析になります。

シナリオ1ではFL210まで降下し、330ノット(TAS)で代替空港に向かいます。このとき、北緯38度東経150度のポイントの411マイル手前までにそういう事態が起きたらミッドウエイに行き、そこを越えたら羽田に行きます。ここがシナリオ1でのETPで、ミッドウエイに行っても羽田に行っても必要な燃料は40.754キロポンド、飛行時間は2時間34分、ミッドウエイまでの距離が1325マイル、羽田までの距離が914マイルです。今日は強い向かい風が吹いていますから、同じ時間を飛んでも羽田に行く方が距離が短くなります。

同じようにシナリオ2を見ると、シナリオ2のETPは北緯37度東経160度のポイントの9マイル手前。10000フィートまで緊急降下し、エンジン1基で330ノットの巡航。必要な燃料が42.813キロポンド、飛行時間が2時間59分、羽田まで1247マイル、ミッドウエイまで992マイルです。

シナリオ3はETPが北緯38度東経150度のポイントの479マイル手前、10000フィートまで緊急降下し、エンジン2基で310ノットの巡航。必要な燃料が40.602キロポンド、飛行時間が3時間09分、羽田まで1255マイル、ミッドウエイまで984マイルです。

さらに通常運航した場合のETPも計算されます。下の写真を見てください。HOOPAの次にETP 1 PHNL/PMDYとあります。これがホノルルとミッドウエイの間のETPです。北緯22度西経170度のポイントの44マイル手前です。さらに33E70の次にETP 2 PMDY/RJTTとあります。これがミッドウエイと羽田の間のETPです。北緯37度東経160度のポイントの9マイル手前です。たとえば急病人などが出て代替着陸が必要になった場合は、離陸後ETP1まではホノルルに戻り、ETP1からETP2の間はミッドウエイに行き、ETP2を過ぎたら羽田に行きます。上の地図にもよく見るとETP1とETP2が航路上に書いてあります。

さて、ではここでもうひとつの課題。33E70のポイント、すなわち北緯33度東経170度のポイントまで飛んできたときに、ある事情があって飛行機はアラスカのアダク(PADK)まで行くことになったとします。このときの飛行計画を計算しています。果たして残りの燃料で行けるのかどうかの検討を含めて。

まずコースですが、太平洋上ですから33E70からPADKまで直行します。アダクは結構遠くて、ミッドウエイからエンジン1基で180分の範囲から出てしまいます。しかしこれは本当に偶然ですが、アダクから180分の範囲にちょうど33E70のポイントが入っています!ですからこの場合ETOPS代替空港はペアの指定は必要なくてアダクだけの指定でもOKです。しかしETPも計算したいのでミッドウエイとアダクのペアで指定して計算します。

PFPXには上空のポイントから到着空港までの飛行計画を作成する機能がついています。In-FlightのPlan作成です。先ほどのホノルルから羽田までの飛行計画を見ると33E70での残燃料予定が59.700キロポンドでした。下の写真の33E70からアダクまでの飛行計画を見ると距離は1283マイルで追い風46ノット、飛行時間は2時間35分、飛行計画上で必要な燃料は合計で41.204キロポンド。しかし59.7キロポンド積んでいますから十分にアダクまで行くことができます。18.496キロポンド余剰な燃料を積んでいる計算になります。

33E70のポイントは引き続きミッドウエイを代替空港とする空域です。そこからアダクに飛んでいくとアダクから60分の範囲でETOPSが終わります。ここまでミッドウエイがカバーしています。そしてADKポイントを経てアダク空港に向かいます。

最後に全体の飛行計画をプロットしてみました。プロット図は米国連邦航空局が提供しているものです。

ということで今回はちょっとややこしい話になりましたが、PFPXを使うとここまで細かな計算ができます。さらにPFPXとX-Plane10の間はFSGRWを使うとよく整合性が取れることがわかっています。よりリアルなフライトを楽しむことができます。

補足ですが、ETPの計算は双発機に限らず3発機でも4発機でも同じようにPFPXで行うことができます。たとえば下の図は新千歳から那覇までの飛行計画です。新千歳/羽田、羽田/関西、関西/那覇の3つの区間のETPを計算したものです。色の境目がETPです。途中で行き先を変更する時は赤い線の区間は新千歳、青い線の区間は羽田、黄色い線の区間は関西、そして緑の線の区間は那覇に行きます。

(おわり)


X-Plane10のB767-300ERでニューヨークからオークランドまで(1/2)

2016-01-01 19:28:46 | 日記

今日は前回X-Plane10(日本語公式販売サイト)が強制終了してしまった原因となったアドオンシナリーを削除し、改めて有償のB767-300ERで米国東海岸のニューヨークから西海岸のオークランドまで北米大陸を横断飛行してみたいと思います。気象ソフトはSkyMaxxProを入れてあります。飛行計画の作成はいつものようにPFPXを使いました。PFPXのデータベースから気象データをダウンロードし、FSGRWを使ってNOAAのデータをX-Planeに送っています。

では今日の飛行ルートです。ニューヨークのJFケネディー空港を離陸し、ほぼ大圏コースに沿って続く航路に乗ってサンフランシスコの対岸のオークランドまで飛びます。これはSky Vectorのチャートです。

実はこのルート、米国の州間高速道路I-80にほぼ沿ったルートです。I-80は米国で2番目に長い州間高速道路であり、かつ米国で最も古い大陸横断道路として1915年に作られたリンカーンハイウエーに最も近いルートを通る高速道路です。1956年から建設が始まり、全線が開通したのが1986年。ニューヨーク・メトロポリタン・エリアにあるニュージャージーからサンフランシスコまで通っている高速道路です。

今日も天気はあまりよくありません。まず風と衛星写真を組み合わせてみます。特にフライトの前半は非常に強い西風が吹いています。航路のほぼすべてを雲が覆っています。東海岸沖には前線による悪天候域がありますが、これは今回の航路には重なりません。

VFRで離陸できない空港の範囲です。今日のフライトの出発、到着地は大丈夫です。ただ、ペンシルバニア州は天気が悪いようです。悪天候予想は今日の航路には出ていません。

さらにアイシング(氷結)とタービュランスです。アイシングはフライトの前半、タービュランスは今日のルート全域にわたっています。また山岳波は出発後と到着前にそれぞれ被っています。ただこのチャートは高度が書かれていないので、実際に当機が飛ぶ高度でどうなのかはわかりません。あくまでも概要を見るだけです。

そしてPFPXのチャートです。緑と黄とピンクの部分はタービュランスがある空域です。これは今日の最初の巡航高度FL300のものです。今回の航路にはかかっていません。

しかしその上のFL340には航路の後半、北側に強いタービュランスの空域があります。今日は後半にFL320にステップクライムしますからこのタービュランス空域の動きには要注意です。

一方、FL260を見ると今日の航路のずっと南にとても強いタービュランスの空域がありますし、航路前半もタービュランスにかかります。これは低い高度で飛ぶことは避けるべきです。

では飛行計画を見ていきます。最初のサマリーページです。5時間56分の飛行で、米国の国内ルールで燃料を計算し、搭載燃料が81.784キロポンド。REMAININGというのは何事もなく到着地に着いた時にいくら残っているかという数字で、予定では12.565キロボンド。

しかし赤字で書いてあるのが飛行中、飛行後に書き込んだメモで、今回は全般的に上空の気温が予想外に低く、またルート後半で予想外に向かい風が強く、途中で対気速度を上げましたが結局19分遅れの到着になり、さらに出発と到着の経路も予定より長くなって、残っていた燃料は9.9キロボンドでした。

飛行計画の詳細です。この便はGLN3580便として計算してあります。飛ぶ日は2016年1月1日。機体番号はN3521で、IFRでニューヨークのケネディー空港(KJFK)からオークランドのメトロポリタン空港(KOAK)まで飛行します。飛行距離は2298マイル。大圏コースが2235マイルですからほぼ大圏コースに沿っています。飛行時間は5時間56分の予定です。ただし、FMCに経路を入力するとSIDとSTARがPFPXのルートよりも長く、実際に飛んだのは2303マイルで5マイルほど長くなりました。巡航はロングレンジクルーズ(LRC)、最初の巡航高度はFL300、向かい風成分は67ノットです。ATCに提出した飛行計画に書いてある航路は下の写真の一番下に書いてあります。ニューヨークを離陸して475ノット(TAS)でFL300を巡航します。DEEZZ3デパーチャーを経てCANDRまで。そこからジェットルートの名前とポイントの名前が交互に続きます。そしてPAWLYで巡航速度が461ノット、FL320となり、MVAからECAに向かい、MADN5アライバルでオークランドに行きます。今回はこの申請どおりに管制承認が出たものとします。

離陸はJFケネディー空港のRWY31Rから。オークランド(KOAK)の着陸はPFPXでは09Rになっていますが、空港が方位の表示を改めたため、今では10Rになっています。磁方位の変化に合わせて空港も時々方位の表示を改めます。

当機のDOW(ドライウエイト)は197.005キロポンド。乗客は満席の235人、貨物は43.250キロポンド。合計97.995キロポンド積んでZFW(ゼロフューエルウエイト)は制限いっぱいの295.000キロポンド。離陸重量(TOW)は376.784キロポンド、着陸重量(LDW)は307.785キロポンド。計画を見るとPLNの上にMAXとあってそれぞれの重量の制限値が書いてあります。今日はZFWの制限が効いた飛行計画になりました。ZFW、TOW、LDW、この3つのうちどれが効いて今日のフライトが決まるかは興味深いところです。当機は長距離飛行用で大量に燃料を積めます。ですから今日は燃料タンクには空きがあり、ZFWが制限にかかりました。しかしもっと長距離を飛ぶ場合には燃料が増えていって、燃料タンクが満タンになり、TOWが制限にかかるようになり、乗客や貨物を減らさなければならなくなり、ZFWが制限より小さな値になります。またLDWですが、本当はLDWから先に計算をします。LDWはほとんど燃料が残っていない状態に乗客と貨物の重量を足した数字になります。これが制限より大きいとなると、最初から乗客と貨物を減らして計画を作らなければなりません。あるいは代替着陸などでまだ燃料が大量に残っている場合には、LDW以下になるように上空で燃料を投棄しなければなりません。

しかし重量の制限はこれだけではありません。離陸、着陸の滑走路の長さ、勾配、雨や雪の状態、風向、風速、気温で離陸できる重量と着陸できる重量に制限があります。たとえば真夏の大変暑い日に短い滑走路で離陸しなければならないとなったら離陸重量はかなり制限されます。着陸時も雪のなかを短い滑走路に着陸するとなったら着陸重量はかなり制限されます。今日は雨や雪ではなく、離着陸ともに長い滑走路ですから重量を減らす必要はありません。

こうした滑走路ごとの離着陸の制限重量や離陸、進入の速度の計算をしてくれるソフトがあります。TOPCATです。PFPXとTOPCATはリンクしていて、PFPXからTOPCATを呼び出して計算することができます。

TOPCATの計算によればJFケネディー空港のRWY31Rからの離陸の場合、離陸フラップは5度、離陸推力を設定するときに使う想定気温は41度C。エンジンのN1推力は97.2%、V1が151ノット、VRが153ノット、V2が159ノットです。

この離陸速度はFMCに出てくるレファレンス速度と違いますが、TOPCATの計算をここでは優先させています。また767-300ERのメニューから離陸のCGは21%、トリムは5.0。改めて搭載燃料は81.784キロポンド。

当機はケネディー空港のターミナル8、GATE1に泊まっています。トランスポンダの識別番号、スクウォークは管制から2645と指示されたとしています。

さらにその下に書いてありますが、当機の燃料タンクの容量は161.742キロポンド。LDWの制限いっぱいまで最大で12.215キロポンドの余剰燃料を積めますと書いてあります。また搭載重量が5千ポンド増えたら0.679キロポンド燃料を増やし、5千ポンド減ったら0.522キロポンド燃料を減らすとあります。これは飛行計画作成後に搭載重量の変更があった時に使います。また巡航高度が計画の予定より2千フィート下だった場合には燃料は0.912キロポンド増え、飛行予定時間は5時間57分、すなわち1分増えます。

上昇時の速度は1万フィートまでが250ノット、1万フィートを越えたら290ノットあるいはマッハ0.78のどちらか高い方の速度で飛びます。降下する時には1万フィートまでがマッハ0.78か290ノットのどちらか高い方の速度で、1万フィート以下は250ノットで飛ぶという前提で計算されています。

PFPXでは定期便、臨時便などさまざまな設定での飛行計画の作成ができます。この便は定期便として計画を作っていて、定時の出発時刻は世界標準時で1月2日の02時20分、ニューヨークの現地時刻で1月1日の21時20分、到着時刻は世界標準時で1月2日の0800時、オークランドの現地時刻で1月2日の0000時です。ニューヨークとオークランドの時差は3時間あります。定時では5時間40分のフライトです。これは飛行時間に空港での移動時間も含んだ、ブロックアウトからブロックインまでの時間です。しかし今回は西風が強くで飛行時間が5時間56分であり、ブロックアウトからブロックインまでの時間は6時間16分です。

ところが当機が実際に出発したのは予定より10時間遅れの世界標準時で1月2日12時07分、ニューヨークの現地時刻で1月2日の朝07時07分、離陸が27分。オークランドの着陸が世界標準時で1月2日の18時42分、オークランドの現地時刻で1月2日の朝の10時42分、ブロックインが48分。結局飛行時間は6時間15分、移動時間は6時間41分と定時より61分も遅れたフライトになりました。

実は今回のフライトは敢えてI-80に沿って飛びたくて、風の影響を考慮せずに航路を決めました。たとえば同じ1月2日のニューヨーク時間朝9時25分にニューヨークを離陸してオークランドまで飛んだジェットブルー167便は下の写真にあるように今回の航路よりずっと北の航路を飛んで、しかも途中でカナダの空域にまで入って飛行時間が5時間51分です。機材はA320。巡航高度はFL340です。上のFL340の風を見ると航路前半の非常に西風が強い空域を大きく北に避けて、さらに西海岸のタービュランスの空域も避けてオークランドに向かっていることがわかります。実際にはこうやって風の影響を考慮してルートを決めて飛んで、何とか定時を守ろうとしているわけです。このあたりが決められた時刻に決められた場所を通れば必ず定時に到着する鉄道とは全く違うところです。

しかし一応念のためにJetblueの時刻表を確認してみました。すると今の時期、機材はB6で167便のニューヨークからオークランドまでの運航時間は6時間36分になっています。冬はスケジュールの時間も長くとっているのでしょうか。スケジュールに従ったブロックインからブロックアウトまでの時間が6時間36分。今日のフライトが6時間41分。なんと実際には5分遅れですんだことになります。。

到着地の代替空港はサンフランシスコ国際空港(KSFO)でRWY10Rに進入着陸の予定。湾をはさんで目と鼻の先ですが南東向きにゴーアラウンドして北に戻り、改めて南下して進入しますから結構距離が長くなります。FL200、25分の飛行予定です。

さて各地点ごとの飛行記録です。赤字が飛行中に書き込んだ数字を清書したものです。まず一番右の赤い字は累積時刻です。離陸が12時27分ですから、それに累積飛行時間を足していくと到着予定時刻が出てきます。それを書き込んであります。


その左側は実際の到着時刻、その差が+3というように書いた数字で、例えば+3は予定時刻より3分遅れという意味です。FUELの所の赤い字はその時の実際の残燃料。マイナスで始まる数字はその地点での気温(SAT)、実際の風向風速、そして当機で計測した真対気速度(TAS)と対地速度(GS)です。

まず飛行時間の推移ですが、最初のSIDの所で3分遅れが出ています。これはPFPXとFMCでSIDの経路が少し違っていたためです。その後はほとんど新たな遅れがなく飛んでいきます。

しかし対気速度(TAS)は予定どおり出ていません。475ノット出すはずが455から460ノットぐらいしか出ていません。今日はLRCですからコストインデックスは通常使う最高の値を入れるべきです。先日紹介したボーイング社のHPを見るとB767でLRCに対応するコストインデックスは70です。でも今回のフライトでは後で紹介するようにコストインデックスは65を入れました。ですからLRCに相当近い数字です。それでも速度が出ないということになればMCPで明示的に速度を設定することになりますが、今回のフライトではこの時飛ん だ速度がほぼその時の制限速度に近づいており、これ以上FL300で速度を上げることは難しかったと思います。なぜTASが低いのか、それは気温(SAT)が計画より大幅に低いからです。マッハの数字でほぼ制限いっぱいの速度になっていても気温が低いとTASは低くなります。たとえばDANNRのSATはマイナス54度ですが、計画ではマイナス41度で13度も低くなっています。MVAではマイナス66度に対して計画ではマイナス41度と25度も低くなっています。ですから計画の時に実際よりもずっと高い気温でTASを計算することになってしまい、実際のTASと大きく違ってしまったのです。それでもHOBARからFROGSにかけては計画時の想定気温も下がってくるために計画のTASも下がってきて実際との差は縮まり、その後DTAから気温が急激に上がり、加えてコストインデックスを引き上げた効果が出てきてTASが上がってきたと思われます。

風向はほぼ計画どおり、風速はフライトの前半までは計画より弱かったです。ですから対地速度は計画とあまり変わらなくなり、遅れの拡大は起きませんでした。残燃料も次第に計画の数値に近づいていきました。


しかし次第に対気速度は下がっていき、計画より15ノットぐらい低い値になりました。それでも風速の弱まりから対地速度はむしろ計画を上回るようになりました。

ところがアイオア州に入ったあたりから風速が計画を上回るようになり、対地速度も計画よりどんどん下がっていって遅れの拡大が始まりました。ついにSNYでは対地速度が計画より26ノット遅くなって10分の遅れ。

そこでコストインデックスを80に引き上げました。このときTASは459ノット、マッハ0.819の速度になりました。しかし向かい風の風速は引き続き予定より強く、遅れはさらに拡大。結局降下開始時までに15分の遅れ。途中、予定どおりMVAの手前18マイルでFL320にステップクライム。ロッキー山脈を越えたあたりから対気速度はほぼ計画通りに上がっていき、対気速度も対地速度もやがて計画を上回るようになりました。それにしてもMKR(MEEKER)からDTA(DELTA)までの気温の上昇はすごいものがあります。この217マイル、約30分の間に気温が-72度から-59度に一気に13度も上昇しています。ちょうどロッキー山脈を過ぎてユタ州のグレートベースン(大いなる盆地)の乾燥地帯を飛んでいる頃です。

進入はPFPXのコースと違って少々大回りになり、結局19分遅れで着陸。天気が良くて既に最終進入開始地点で滑走路が見えていましたからビジュアル・アプローチ。RNAV(GPS)RWY10Rというアプローチですが、GPSが横方向の指示を出し、高度は気圧高度計の数字を使います。決心高度が471フィートで、滑走路がアプローチコースから13.17度左にずれています。

ゴーアラウンドすることもなく着陸。着陸後、燃料は先ほど紹介したように9.9キロポンド残っていました。油圧システムの油量ですが、飛行前が3系統とも0.86だったのが0.82あるいは0.81に、エンジンオイルが15が13に、酸素が1725が1699に減っていました。こうした機体の状況は自動的に保存されて、次の飛行はこの状態から再現することができます。足りなくなったものを補充したり故障を直すにはメニューのMaintenaceボタンを押します。

さて、では実際の飛行の様子を見てみます。ニューヨークのJFケネディー空港ターミナル8、GATE1にB767-300ERが泊まっています。

雲の設定は、層雲をまばらな積雲で表示するようにして、下界をよく観ながら飛んでいきます。また空の色をデフォルトとちょっと変えて、より濃い青にしました。

今のところ故障はありません。

 

先ほど飛行計画で見たように搭載の準備をします。地上支援車もつけます。旅客の搭乗は左側、ゲートからです。

扉を開けます。旅客は前方左側。貨物とバルクの扉もあけます。

操縦室に入ります。

操縦室はコールドアンドダークの状態です。

ではバッテリーを入れ、外部電源をつなぎ、機体に電気を通します。

IRSの調整を始めます。

FMCに現在位置の座標を入力します。

あらかじめPFPXで作ってファイルにしておいた飛行計画を読み込みます。離着陸の滑走路、SID、STARも読み込んでくれます。

SIDをチェックします。



ちなみにこれが離陸滑走路の進入チャートです。31Rの滑走路方位は315度。

STARもチェックします。

これが今日の進入のチャートです。詳細はすでに述べたとおり。最終進入はENCOL、1800フィートからです。ゴーアラウンドはHAYZEに行って5200フィート以上でホールディング。

入力後のデータをMAPで確かめます。離陸後は左に上昇旋回して再び滑走路上に戻ってくる航路です。

 

航路の入力が終わりました。以前のブログで書いたようにX-Planeの気象は極めて大雑把なデータしか取り込んでいません。ですから飛行時間や残燃料の予測も実際とは相当違います。しかもこの段階では重さのデータをまだ入れていないので飛行の計算をしていません。ここでは目的地までの距離を確かめています。2303マイルです。

オーバーヘッドパネルの設定を続けていきます。

 右席の後ろにあるフライトレコーダーもNORMにします。

現在の空港の気象状況です。FSGRWの画面です。このデータがX-Planeに送られます。風は310度から11ノット。気温は7度、露点マイナス2度。雨は降っておらず、視程は9999ですから10キロ以上。なぜ43キロとなっているのかはよくわかりませんが・・・。雲高は3900フィート。気圧は1019ヘクトパスカル=30.09インチ。離陸には全く問題ありません。

ECASのチェックをします。CANCEL、RECALLで普段見ないメッセージがないか確かめます。気温はちゃんと7度になっています。

エンジンオイルの量を確かめます。左右ともに15。警告は出ていません。

油圧システムの油量は0.86、APUの油量は14、酸素は1725。いずれも警告は出ていません。舵は油圧が入っていないので垂れています。車輪のブレーキ温度も異常なし。

PFDに各種表示が出るか確かめます。

気象レーダーのテストです。

テストが終わったらWXに戻しておきます。

続いて標高の表示のチェックです。

トリムはラダー、上側エルロン、下側エルロン、ともにゼロ。

酸素マスクのテスト。コミュニケーションのチェックはできませんが良好。

さてこれでプリフライトチェックを実施。客室の準備も整いました。

これから乗客の搭乗、貨物と燃料の搭載を同時に行います。

地上の様子です。まだ陽が十分に上がっていなくて外は薄暗い状況です。旅客は左手のゲートから搭乗します。

貨物の搭載は右手からです。

燃料の搭載が進みます。燃料が積み込まれるにしたがって残燃料計の数字が上がっていきます。

そして搭乗と搭載が終わりました。

ではFMCに重さを入力します。GWは376.8キロポンド、リザーブは7.7キロポンド、巡航高度はFL300、コストインデックスは65です。ステップクライムのサイズは2000にしておきます。

今日の離陸はフラップ5度。想定気温41度。V1=151、VR=153、V2=159です。CGは21%、トリムは5.0です。

MCPの設定です。左、右とフライトディレクターをオン。IASにはV2の159を入れ、HDGはRWY31Rの方位315を入れます。高度はとりあえず10000にしておきます。これでLNAV、VNAVのボタンを押してランプが点灯。正常です。もしランプがつかない時はFMCの入力を直します。その後、一度フライトディレクターをオフにし、それからもう一度オンにしてからLNAVとVNAVのボタンを押します。正常ならランプが点灯します。

PROGページの状況です。飛行時間は5時間6分になっています。FMCが読み込む風のデータはX-Planeが独自に読み込むデータでたいへん大雑把です。ですから実際の風を読み込んで飛ぶ場合にはだいぶずれます。

では出発前の準備です。油圧を全部オン/AUTO。APUを起動します。

すべての扉を閉めます。

ドアをオートマチックモードにという業務放送。

客室ではウエルカムのアナウンスです。

APUが立ち上がり、十分発電機が電気を作るようになってからAPUに電源を切り替えます。起動してRUNの白いランプが点灯した直後に切り替えても停電してしまいます。

地上支援車をすべて離し、プッシュバックの牽引車を取り付けます。赤色旋回灯を点灯。

APU、油圧、舵は正常です。油圧が正常に動いていないとブレーキや操向が働かないかもしれません。

ではビフォースタートチェックリスト実施。まもなくプッシュバック開始。

ではプッシュバック開始。ブロックアウトは世界標準時で12時07分。ニューヨークの現地時間で朝の7時07分。

プッシュバック完了。パーキングブレーキをセット。牽引車を離します。

PACKを両方ともオフにし、1番エンジンからスタート。

順調に起動していきます。

機内ではセイフティーデモンストレーション。

エンジンを起動後、APUをオフ。

エンジンその他計器も正常です。

舵のチェックをします。

トリムを5.0にセット。

トランスポンダはスタンバイ。

フラップ5度。ビフォータクシーチェックリストを実施。続いてタクシー開始。今日は空港の南側をぐるっと回ってRWY31Rに向かいます。結構長いタクシーです。

駐機場から周回タクシールートに乗ります。

たくさんの飛行機が泊まっています。ちなみにこのニューヨークのシナリーは有償のものです。

途中で滑走路を横切ります。

まもなく離陸滑走路です。離陸許可が出ました。

トランスポンダをTA/RAに。

着陸灯、ストロボ灯をオン。オートスロットルもARM。

PACKを片側オフに。

客室に離陸のアナウンス。

ビフォーテイクオフチェックリストを実施。

滑走路に正対しました。

離陸です。

計器類も正常です。

では累積時間計をオンにして離陸滑走スタート。ぐんぐん加速していきます。

スムーズに離陸しました。

オートパイロットをオン。

離陸後は左旋回です。海に面してラガーディア空港があります。次第にマンハッタンの北の方が見えてきます。

いま離陸したJFケネディー空港が見えます。ジャマイカ湾の上です。クロスベイ・ブルバードも見えます。

離陸後4分。順調に上昇を続けています。

一旦ロングアイランドのほうに向かいます。

10000フィートを越えました。着陸灯をオフ。

再びJFケネディー空港上空に戻ってきます。高度1万2千フィートを上昇中。離陸後7分。

空港の上を通り過ぎました。層雲の上に出ました。本当は厚い雲に阻まれて下界は何も見えません。

ハドソン川が見えます。ニューヨーク州です。

18000フィートを過ぎました。高度計の気圧を29.92インチにします。

上昇を続けていますというアナウンス。

ロングアイランド、大西洋がよく見えます。手前のハドソン川の左岸はマンハッタンです。

巡航高度FL300に達しました。巡航のアナウンス。

続いて飲み物と軽いお食事のアナウンス。

機は西に針路を変え、ペンシルバニア州に入ってきます。幾重にも連なる山並みはアルゲニー(アパラチア)山脈。それを横断するように流れる川はサスケハナ川です。しかし、この川は不思議です。まるで運河を掘ったように山脈を横断して流れています。一体どうしてこんな地形ができるのか。なんでも山脈ができる前から川があったのだそうです。

アルゲニー(アパラチア)山脈は幾重にも褶曲していて、上から見ると地殻変動の様子がよくわかります。

グーグルマップの画面です。上の方に青地に白で80と書いたマークが見えます。これが先ほど紹介した州間高速道路I-80で、ニューヨークを出てサンフランシスコまでずっと続いています。

上空には月が出ています。

アパラチア山脈が続きます。レイスタウン湖が見えます。人口の貯水池ですが、実はこのペンシルバニア州のレイスタウン湖にはレイという名の未確認生物がいると言われていて、写真が撮られています。

左下からからアルゲニー川、左上からモノンガヒラ川が流れてきて、合流するところがペンシルバニア州のピッツバーグ。ここからオハイオ川となって右のほうにずっと流れていき、何とケンタッキー州の先でミシシッピ川と合流します。

 右手には既に五大湖のひとつ、エリー湖が見えています。正面に見えるのはモスキトー・クリーク湖、三日月形をしているのがパイマチューニング湖。

オハイオ州に入ります。正面がラデュー貯水池。

オハイオ州クリーブランドの南です。

グーグルマップで見るとこのあたりを飛んでいます。

眼下にクリーブランド国際空港が見えます。クリーブランド国際空港と言えば・・・

サンダスキー湾です。

サンダスキー湾とそれに流れ込むモーミー川です。

食事も出し終わったので映画の上映をします。

やがてオハイオ州からインディアナ州に入り、ミシガン湖が見えてきました。

眼下はミシガン湖。ミシガン湖にそそぐキャルメット湖にはゴルフ場や大きなマリーナがあります。そして右上のほうがシカゴ市街。

そうです!よく観るとシカゴ・メイグスフィールド空港があります。かつてマイクロソフトのフライトシミュレーターはデフォルトの空港がここでした。だからここで小型機の練習から入ったフライトシマーはたくさんいます。滑走路の方位が36/18で大変わかりやすいのです。しかし残念ながら本物の空港は2003年に保安上の理由から閉鎖されてしまって、今は公園になっています。

インディアナ州を過ぎてイリノイ州に入ってきました。どこまでも一面の平野が続きます。貫いて流れるのはイリノイ川です。

やがて正面に巨大な川、ミシシッピ川が見えてきます。

ミシシッピ川流域の街、ダベンポート市上空です。見えている空港はクワッドシティー空港。

 やがてレッドロック湖が見えてきます。左手に流れ出す川がデ・モイン川です。

 

眼下はアイオア州デ・モインの街です。

(つづく)