社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

『死別に伴う「悲嘆夢」が遺族の喪の作業に与える影響 夢から覚醒後の諸反応の検討』

2010-08-19 19:48:08 | その他
濱崎碧/山本力『心理臨床学研究』第28巻 第1号 2010年

故人の登場する夢は、遺された人々にどのような影響をもたらすか。
遺族の手記をもとに分析をしている。
「喪の作業」に故人の登場する夢はどのような影響を与えるのか。知識として持っていると、援助の際に効果的に活用できると感じた。

引用
故人の登場する夢⇒「悲嘆夢」
・悲嘆から前に踏み出すことは故人のことを放置するようで自責の念を呼び起こしがちである。しかしながら、故人の遺志やメッセージに触発されて行動を起こす場合は自責の念は生じにくい(←悲嘆夢によって、一歩を踏み出せることもある…という考察)。
・喪の作業を成功させるためには、悲嘆というpassion(受苦的な経験)からワークというaction(能動的な行動)へと主体的に切り替える必要がある。(中略)遺された人が、夢と言う形で「故人が来訪してくれた」と考え、故人に感謝するという新たな認知は、passionからactionの転換をもたらす力の一つにある。


喪の作業のプロセスには、様々な出来事、もの、ひと…が存在する。「夢」もそのひとつであろう。
遺族から語られる言葉を重んじ、それを受け止め、伴走していくために、援助者は多くの知識や技術(少し乱暴な表現かもしれませんが…)、そして経験が求められる。
「悲嘆夢」というものがあるのだと、勉強になった。

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