社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

「きょうだいリスク」平山亮・古川雅子(2016)朝日新書

2017-08-08 14:01:21 | その他
 「親」という防波堤を喪った後に、きょうだい間での支え合いはどうなっていくのか?
貧困、家族、絆といったキーワードを柱に、介護や扶養等について論じている。専門用語の使用を極力避けている印象で、広く一般書として読みやすくなっている。

引用
・「依存状態」にあるきょうだい(*非正規雇用で収入が不安定で仕送りが必要なきょうだい等)を丸抱えし続けることは「家族が支え合う」の実践ではない、ということです。それはただ、きょうだいを支配し、従属させ続けること。それは「支え合う」からイメージされる対等性からは程遠い存在です。
・「ケア=女性の責任」とする性別分業の構造のもと、いまだに家族に介護を頼らざるを得ない制度的状況が、親が子どもたちの間に持ち込む差別‐性差別、生まれ順差別、そして「子どもの出来」による差別‐の背景にはあります。依存先が家族に限定されるからこそ、親は生存をかけて子どもたちの関係に介入し、自らの依存先を確保しようとするのではないでしょうか。


昔は当然のことであった、家族間での支え合い。それは戦後の経済成長、核家族化によって様相が変わり、いまとなってはきょうだいが「重荷」に感じることさえある。
そんなことを事例を入れながら、学術的な先行研究を交えながら、紹介していた。
私的には、未婚のオジが3人おり、70代に突入する。姪の立場でどこまで介入をすべきか、しなければならないのか…そんなことを考えながら、読み進めた。

きょうだいの存在、つながりがあまりない親戚の存在、疎ましく感じるのか、心配な存在として感じるのか。ありきたりだけど、幼少期の関わりや親との関わりなど…それまでの生きようが影響をあたえるのだと、
しみじみ思った。


きょうだいリスク 無職の弟、非婚の姉の将来は誰がみる? (朝日新書)
クリエーター情報なし
朝日新聞出版
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