社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

いま患者が求めるホスピス緩和ケア 野沢一馬(2006) ぱる出版

2008-11-16 21:35:52 | その他
全国6か所の、在宅ケアを実践している組織の紹介及び、ホスピス・緩和ケアの概要について説明。

緩和ケア病棟の紹介2か所、在宅医(診療所)2か所、ボランティア団体等2か所が紹介されている。
どの組織も「ボランティア」の存在に注目し、在宅ケアを支える可能性について触れている。

その中の一部…
患者の話し相手になるとか、背中や手足をさすってあげるとか、あるいは周りの環境整備をするとか、そういうのは(医療者ではなくても)ボランティアの参加があればできる(ケアタウン小平・山崎氏)。

⇒医療者特に看護師は、病棟では慢性的な人手不足もあり、ナースコールを押してもすぐに対応できない場面も多い。本当は時間をかけて行うべき「対話」のようなものが、機械的に済まされてしまい、お互いに「仕方がない」とケアの限界を作ってしまう。そういった溝…というか穴のような部分を、ボランティアに担ってもらうことで、ケアの底上げが期待できるのだろう。


NPOを設立し、有償ボランティアとして、看護・介護の手が不足しているところの“スキ間”を埋める形で、患者・家族を支援している(在宅サポート・さくら)。

⇒介護保険等を使い切ってしまい、それでも担い手がないと生活が成り立たない人も多くいる。そういった「プラスαのケア」を実現することが、安心・安全な在宅療養生活の継続につながるのだと思う。



ボランティアは、職員の手が回らない「雑用」をこなす存在ではなく、あくまで患者・家族のための人材である…ということを痛感した。
ボランティア自身にその価値を見出してもらう、その役割を与え、継続させていく…このことは、今の日本ではまだまだ不足している感覚かもしれない。
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