『立命館産業社会論集』第45巻第1号
近年、わが国において増加している、「男性介護者」(妻を介護する夫、親を介護する息子)の実態と課題を把握し、今後の研究のの射程を欧米の先行研究から抽出することを目的としている。
筆者のこれまでの調査研究の報告もあり、男性介護者の実態をわかりやすく提示している。
引用
・(調査報告より)(介護の担い手として)「嫁」の割合の劇的現象の一方で、介護の担い手としての男性-夫、息子-が台頭してきている。
・(調査報告より)男性介護者が介護で困っていることとして最も多かったのが「入浴介助」である。
・家事を中心とする男性の生活的自立能力が問われており、家事スキルの有無が、男性介護者が抱える困難や負担の最初の分岐点となっている。
・介護以前に家事という生活的自立という課題と突きつけられる男性介護者が多いということだけではなく、現在の介護サービスが、家族介護者の家事スキルの習得を与件としていることを逆照射する結果となっている。
・Harrisは、男性介護者を4つのタイプに類型化している。第1のモデルは、家の外での仕事の延長線上に介護を捉えようとするタイプ。第2のモデルは、愛情としての介護であり、あらゆる時間とエネルギーを被介護者に注ぎ込むタイプ、第3のモデルは義務としての介護、第4のモデルは岐路に立つ男性としての介護者というタイプである。
Harrisが提唱している介護者の4つのタイプは、各々にリスクがある。その人がどのタイプに属するか(もしくは近いか)を知ることで、支援の糸口を見つけることができるかもしれない。
女性が行うことが当然とみなされてきた家事や介護は、介護保険によってその認識が少し解き放たれ、そして男性をも担うものとなっている。
子が親を介護する、配偶者同士で助けあう。当たり前のことであるが、各々の立場を見ていくとそんな簡単にはうまくいかない。それは男性のみならず、女性にも言えることであろう。
少子化で、ますます家族介護が厳しくなっていく今後に向けて、女性/男性が共通して抱える問題点、性別によって異なる問題点…ひとつづつ、そして確実に把握し、整備していく時期にきているのだと、感じさせられた。
近年、わが国において増加している、「男性介護者」(妻を介護する夫、親を介護する息子)の実態と課題を把握し、今後の研究のの射程を欧米の先行研究から抽出することを目的としている。
筆者のこれまでの調査研究の報告もあり、男性介護者の実態をわかりやすく提示している。
引用
・(調査報告より)(介護の担い手として)「嫁」の割合の劇的現象の一方で、介護の担い手としての男性-夫、息子-が台頭してきている。
・(調査報告より)男性介護者が介護で困っていることとして最も多かったのが「入浴介助」である。
・家事を中心とする男性の生活的自立能力が問われており、家事スキルの有無が、男性介護者が抱える困難や負担の最初の分岐点となっている。
・介護以前に家事という生活的自立という課題と突きつけられる男性介護者が多いということだけではなく、現在の介護サービスが、家族介護者の家事スキルの習得を与件としていることを逆照射する結果となっている。
・Harrisは、男性介護者を4つのタイプに類型化している。第1のモデルは、家の外での仕事の延長線上に介護を捉えようとするタイプ。第2のモデルは、愛情としての介護であり、あらゆる時間とエネルギーを被介護者に注ぎ込むタイプ、第3のモデルは義務としての介護、第4のモデルは岐路に立つ男性としての介護者というタイプである。
Harrisが提唱している介護者の4つのタイプは、各々にリスクがある。その人がどのタイプに属するか(もしくは近いか)を知ることで、支援の糸口を見つけることができるかもしれない。
女性が行うことが当然とみなされてきた家事や介護は、介護保険によってその認識が少し解き放たれ、そして男性をも担うものとなっている。
子が親を介護する、配偶者同士で助けあう。当たり前のことであるが、各々の立場を見ていくとそんな簡単にはうまくいかない。それは男性のみならず、女性にも言えることであろう。
少子化で、ますます家族介護が厳しくなっていく今後に向けて、女性/男性が共通して抱える問題点、性別によって異なる問題点…ひとつづつ、そして確実に把握し、整備していく時期にきているのだと、感じさせられた。
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