四方山雑氣帳

日常の出来事や思考、氣付きなどを雑多(よもやま)に書き込むブログ。

世界が変わる

2012年09月11日 | 建築・デザイン
いやはや…暑い。
風は完全に秋の気配なのに、日差しがキツイ。

さて、今日は目線を変えると世界が変わるというお話をしたいと思います。

世界情勢などの難しいことではなく、『気づき』の話です。

私は仕事柄、寸法やバランス、プロポーションがとても気になります。
(それもミリ単位で)

一般の方は建築の設計というとプランニング(間取り、平面計画)と同義のようですが、
空間を認識するのは3次元なので、高さ方向がとても重要になってきます。

平面の広がりに対しての高さのバランスで、天井の高さ、建具の高さ、
壁面に取り付けるものの高さなど決めます。

天井の高さは構造上の制約がありますが、イスに座る、床に直接座る、食卓か居間か、
などで変化をつけるとメリハリがきいてとても気持ちがよくなります。

不特定多数の人が利用する場所と住宅では決め方が少々違ってきます。

そこに住まわれて生活される方の身長(目線)が影響するからです・・・・

私(設計者)の身長は175センチです。
無自覚に計画しますと自分の都合のよいものになってしまいます。

身長の低い方(だいたい女性とお年寄り)に対しての配慮が足りないと
私からの見え方はよいけど使いにくくなります。

我家の子供がまだ小さかった頃、しゃがんで子供の目線になったときに見えた
周り景色がこんなにも低いのかと驚きました。
(テーブルの上は見えない、出っ張りは危険、やけに天井面が広いなど)

子供を抱き上げて「お父さんに見える景色」と見せてやると
子供もとても驚いて喜んでいました。

midさんは153センチ(あったが子供が生まれて若干低くなった)。
midさんに目線を合わせるとやはりずいぶんと世界が違います。
(なるほど見えないところはホコリたまるわけだ・・・)

これだけ見え方が変わるのだから、自分の目線(自己中心)で全てを考えてはいけない、
そう感じました。

相手の目線に立つ思いやり、これは人間関係全般にも通じることです。

踏み台に立ったり少しかがんでみたりして、周りの景色(思い)を眺めてみると
新鮮な感慨が得られること請け合いです。

ちなみに、建築展に行く機会があって会場に建築模型があるようでしたら、
是非ともしゃがんでスケールダウンした人間の目線で見ていただけたらと思います。
ちょっと不思議な感動が得られるかも・・・・

スカイツリーの展望台から見た景色は、鳥のよう?
地球を外から見た景色は・・・・
気持ちが大きくゆったりしますね。

自分の見方、考え方で世界は変わる・・・

そこまでやるかの迫力

2012年05月29日 | 建築・デザイン
今日は、midさんと平塚市美術館へ行き、棟方志功展と木下晋展を観てきました。

どちらがメインで観たかったかというと、木下晋さんの作品でした。
しかし、棟方志功さんの板画(はんがと読ませていたそうです)作品も
初めて観るので圧巻でした。

木下晋さんの作品は、以前一部観たことがありました。

木下さんは、新潟の最後の瞽女(ごぜ:盲目の女旅芸人)、小林ハルさんを
描いています。

2005年にハルさんが105歳でお亡くなりになり、翌年の2006年に
ハルさんが最期にお住まいだった新潟県胎内市の施設で、一周忌の催しがあり、
そこで木下さんのハルさんの絵が展示されていたのです。

小千谷のmidさんの実家から親父さまと3人で車で行きましたが、
同じ新潟県内なのに胎内市はすごく遠かった・・・・・
その先が村上堆朱のアニキ、小田さんが住んでいらっしゃる村上市です。
小田さんも車で十日町まで来るのもえらい大変だ!といっておられたのが
よく理解できます。
新潟県の人でさえ、新潟はタテに長く広いので、県内でも知らないところが
結構ありますと言っています。

あっ脱線した・・・・

で、木下さんの作品の画材は、なんと鉛筆のみ。
10Hから10Bまでを使用して描かれたモノトーンの絵です。

胎内市での施設で観たときに驚いたのは、シワや髪などが精緻に描かれていることと、
必然的に対象を浮かび上がらせるために背面スペースは暗く(黒く)しているのですが、
その黒い部分もべたーと塗ってあるのではなく、線描でホワイトスペースを埋めています!

A4サイズとかの小さい面ならともかく、畳1枚くらいある画面でやるのだから
半端ではない根気と集中力・・・・・
鉛筆の黒鉛の色が深みを出しています。

今回の作品展において、木下さんも書いておられましたが、
昨年の東日本大震災以降何を描くべきかと考え想い至ったものが、
世界中で不変である祈りの姿、「合掌」だったそうです。
その合掌画はすごい迫力で迫ってきます。

6月10日(日)まで開催しているので、是非、ご興味のある方は実物を
ご覧になったらいかがでしょう。
ちなみに、棟方志功展は3日(日)までです。

棟方志功さんのドキュメンタリー映像(40分)が無料で観られます。

板面に顔がつくくらいに近づけて、鬼気迫る勢いで削り出している姿のみを
以前TVで観たことがあったので、人嫌いな偏屈な人なんだと勝手に思い込んで
いましたが、そのドキュメンタリーを観てびっくり!
よくしゃべるちょっとおちゃめな少年のような人でした。

「わだは、ゴッホになる!」と画家を目指して上京した青年が、日本が世界に誇る
板画の巨匠になられたのです。

ゴッホと違って生きているうちに売れて良かった~と、midさんと喜んでしまいました。
(大きなお世話だね)

今の世の中、有名無力(無名有力)、そんなのばかりだから、
本当に才能がある人たちが正当に評価されるのはうれしいことです。

木下晋さんが取り上げられたNHK日曜美術館は、6月3日(日)の午後8時に
再放送されるようです。
私も観ていないので、観てみようと思います。
しかし、TV画面ではあの迫力は伝わってこないだろうなぁ~

セミナーに行ってきました

2012年05月18日 | 建築・デザイン
昨日の夜中は激しい雷雨でした。
あまりに激しいのでしばらく外を眺めていましたが、こういう天候がこれから
多くなるんだろうかと考えたら少々怖くなりました。
それにしても雨が多いです・・・

さて、昨日は建築金物メーカーの新作発表会とそのメーカー主催のセミナーを
聞きに関内まで行ってきました。

家具や建具でよく使うメーカーなので参考までに見てきましたが、
まぁいつもあまり特殊な金物は使わないので、どちらかというと、
セミナーの方がメインでした。

セミナーの講師は、フェラーリのデザイナーで著名な工業デザイナー、
奥山清行氏でした。

「日本のものづくりの進むみち」~これからの100年をデザインする~
というセミナータイトルでした。

建築家よりも工業デザイナーのほうが、デザインに関してはとてもシビアなので
好感がもてますし、勉強になります。
(そういえば、建築家の講演会なんて1度しか行ったことないなぁ)

尊敬するデザイナーの川崎和男氏は、日本を代表する某有名建築家をレベルが
低すぎるとこきおろしていました。

今回の奥山氏も数年前、TVでの特集を見てから興味をもっていました。

講演の内容は、タイトルにもあるとおりですが、200年前から都市の変遷と
交通機関の関係や、ブランド商品と日用品のこれからなどなど、
とても面白くためになりました。

一番前のディスプレイ画面の真ん前に陣取り拝聴してきました。

もっと怖い感じの人かと思っておりましたら、ユーモアがありソフトな
感じの方でした。
(実際の仕事では厳しく激しいかも)

会場には250人の聴衆が集まったようですが、見知った顔はなかったなぁ。

奥山氏はイタリアでは厳しい経済状況で仕事を続けていたそうですが、
その後の布石になると綿密に計算していたとか・・・・たくましい!

消費に対する精神的な側面から、少々疑問に感じるところがありましたが、
しかし、一流の仕事の話を聞けて大変貴重な時間だったと思います。

やってやれないことはない

2012年04月23日 | 建築・デザイン
今日は雨が朝から降っています。
そして寒い!もうじきゴールデンウィークだというのに・・・・

新潟小千谷のmidさん実家の庭は、まだ雪が残っているそうだ。
(こんなことは初めてだそうです)

さて今、ある治療院のちょっとした工事を行っています。

私が患者としてお世話になっている訳ではないのですが、私たちの考え方に共感して
下さっていることから、何かあった時にはお願いしたいと言ってくださっていました。
(そう言ってくださる方が大勢いる・・・ありがたい)

今月初めから打合せ、計画・見積りなどを済ませ、先週の土曜日から着工。

鍼灸院なので、足の不自由な患者さんもおいでになります。
そのために、土間レベルから20センチほど高いフロアに上がるために、
床の一部を一段下げる計画もしていました。

さて土曜日、一通り段取りを済ませ事務所に戻ると大工Aさんから連絡あり。
「コンクリートなんすけど・・・・

なんとその床が木造の床組みではなく、コンクリート充填の上フローリング貼り
となっていたのです。

重量のある機械類などを設置する場合には、その部分をコンクリートで下地を
作ることはありますが、平屋建ての木造建築で靴を脱いで使用するフロアレベルが
全面コンクリートなんてちょっと考えにくい・・・・・

さぁ大変!それを壊す人工(にんく・手間賃)もみていなし、ましてそのコンクリートの
ハツリ仕事を急に頼むことができる人もいなし・・・木工事は進めないといけないし・・・

いっそにことその部分を切り下げないで、「手前に踏み台でも作るか」と考えましたが、
利用者のことを考えると、面積を少し小さくしてでも当初のように一段下げようと
決めました。

で、昼に大工Aさんにピック(削岩機)を取ってきてもらい、午後からハツリ始めました。
・・・誰がやるかって、そうりゃ私しかおりません・・・・

まぁコンクリートの固いことたらありゃしない。

一般の人のイメージでは、豆腐のようにぺろぺろと剥がれるような感じらしい。
(そんなわけあるかいな)

遅々として進まず午後5時過ぎ、今日はもうこれで終了と言わんばかりに、
大工Aさんのピックは異音をさせて壊れた・・・・・

「えー!どうすんの!半分くらしか進んでないのに~

気もそぞろで、心当たりがある人に電話すると貸してくれるとのこと・・・・
ありがたや。

それで私、昨日の日曜日は午前中、黙々とハツリ仕事をしておりました。
ありがたいことに大家のKさんも手伝ってくださいました。

あーピックを使ってのハツリ作業・・・・高校生以来だなぁ。
中学、高校と春、夏、冬休みは家業の手伝いに駆り出されて土方してたっけ・・・・

絶対に建築業なんかやるもんか!と思っていたのに今、設計から工事までやってます。
施工のことがわかる設計者はそう多くはないでしょう。

その時の経験も十分に生きているのでありがたいです。
人生に無駄なことなんてひとつもないと思えます。

さすがに二日続けてハツリ作業をすると疲れたし手も痛いですが、
出来上がりに喜んでいただければ、やった甲斐があるってもんです!


一年点検のはずが・・・

2012年01月24日 | 建築・デザイン
昨日は、2010年末に完成した練馬S邸の一年点検にお邪魔しました。
(Sさんのお仕事がら、年末はお忙しいので年明けにしました)

竣工時の食事会に呼んでいただいた際は、車で行って酒を飲まなかったので、
今回は電車でくるようにとのご指示が出ましたので、公共交通機関を利用して
伺いました。
湘南新宿ライナーにて新宿まで出て、都営大江戸線に乗り換え終点まで行き、
そこから循環バス・・・・・
ちょっと遠かった・・・・・でも予定どおりに到着できました。

久しぶりにお会いしたSさんご夫妻と建設会社社長Oさんが、
お元気そうでなによりでした。

早速、Oさんと建物を点検させていただきました。

竣工後からOさんがこまめに対応してくれていたので、
大きな問題はありませんでしたが、昨年の東日本大震災の揺れによる
漆喰壁のヒビ割れが2,3ヶ所出ていました。

大壁(柱が見えない壁)での漆喰塗なので、ボードのジョイント部分での
割れが多く出ているのではと心配していましたが、その程度でほっとしています。

施工中に、割れのことを左官職人のSさんに聞いた際に、「下塗りも入れて6ミリ以上
塗っているのでそうそう割れることはない」と言っていたのが実証された感じです。

一まわり見せていただきましたが、飾られている蒐集品(骨董)の博物館か
美術館にいるような感じになりました。
(入館料を払わなくていいのか)

ご夫妻が楽しんで住んでくださっているのが、またまたよーく感じられました。

一通り点検が済んだ後は、昼食をごちそうになりました。

ワラスサと黄土を入れた漆喰で壁天井を塗りまわした、骨董品が品よく展示された
和室にて、奥様が用意してくださったおいしい料理とお酒をいただきました。

たぶんあの空間に入れるのはごく限られた一部の人だけです・・・・
(最高に贅沢な気分だ)

Sさんご主人は日本酒がお好きで、珍しいあまり手に入らない貴重な酒を
飲ませていただきましたが、なにぶん私は日本酒が不得手なものですから、
もっぱらOさんに飲んでもらいました。

酒の話や趣味の話、Sさんのお話はとても面白いです。

本の話になったとき、日本原住民の歴史のことが共通点として出た時には、
私にその方面の興味があることに驚かれていました・・・・
(フフフ、日本の歴史のウラに興味があるのです)

楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、3時過ぎにはおいとましました。
帰りにはお土産まで持たせていただいて・・・・・もう恐縮するばかりです。

Sさんもおっしゃっておられましたが、
人との出会いはどこでどうなるかわかりません・・・・・・
出会いって不思議です。

私に設計を依頼してよかった、Oさんに工事を任せてよかったと、
そう言っていただけるだけで感激なのに、こうして快くもてなしてくださって・・・・
ほんとうにうれしです。

帰りがけにSさんが「またやりましょう」と声をかけてくださいました。

一年点検に伺ったのに、なぜか親戚の家に飲み食いしに行った・・・・・そんな感じ。
ありがたい!

Sさんご夫妻、ほんとうにありがとうございました。


無事竣工

2011年12月20日 | 建築・デザイン
瀬谷区のO邸が無事に完成し、昨日、工務店からOさんへの引き渡しに
立ち会ってきました。
   
引き渡し時の工務店からの説明が一通り済んだあとに、
Oさんご夫妻とお子さん4人より、プレゼントと感謝の言葉を添えた
写真付きのカードをいただきました・・・・・
添えられた言葉に・・・・・

設計を私に頼んで本当によかったと言っていただけたことに、
ただただうれしいのとお役に立ててよかったという喜びでいっぱいです・・・・

ありがとうの感謝の言葉とねぎらいの言葉をかけていただくだけで胸が熱くなります。

ご家族皆さんの喜ぶ笑顔に感謝です!

住む方の顔の見えない、不特定多数のお客様を想定した建物を計画されている
設計者さんでは決して味わえない感動です。
(それが悪いというわけではない)

私とmidさんは、人との出会いに恵まれているとつくづく感じます。
本当にありがたいです。

今回施工を担当してくださった小野寺工務店の小野寺さんにも
きめ細やかな対応をしてもらって、私もOさんも大変に感謝しております。
(次回も機会がありましたらよろしくね

この新しい住まいが、今以上の和のある家庭を築いていける
舞台であってほしいと願っております。

完成してしまうと少々さみしいですが、
また人の役に立てたことが本当にうれしいと感じたひと時でした。

Oさんご夫妻にご用命いただけたこと感謝!
ありがとうございました。

それから、工事にたずさわった職人の方々にも感謝申し上げます。
ありがとうございました。

整理整頓は、気持ちが良い

2011年10月19日 | 建築・デザイン
今日はO邸の現場監理でした。

昨日までは少し動くと汗ばむような気候でしたが、
今日は、現場にいても長袖シャツ一枚では寒かったです。

O邸の木工事は順調でしたが、外壁の板金工事が遅れているとのこと。
板金屋さんが先月の台風で壊れた屋根の修繕に追われているそうです。

現場は、工務店の小野寺さんの管理がよいのでとても安心です。

先週の中間検査の際にも、ビシッと必要書類や添付図書が用意されていて
とても助かりました。

現場も整理整頓がきちんとなされていて気持ちが良いです。
さすが小野寺工務店!

いつも思いますが、建築中や新築時の匂いは本当にいいですね。
ワクワクします。
Oさんご家族も当たり前ですがワクワクしていますね。(見ていてよーくわかります)

現場にはこれから張るヒノキのフローリング材も納入されていましたで、
これが敷き詰められたら益々よい香りでしょう。


さて、早いもので、もう今週の土曜日は恒例の「たまりBar」です。早っ

そして、翌日の日曜日からは、ひこばえ展の第二弾の尾身伝吉木版画展が
始まります。

ですので、今回のたまりBarは壁面に尾身さんの作品が飾られたなかで
行われます。

今までに年に何回は、たまりBarと作品展をドッキングさせていたのですが、
結構大変なのです、たまりBarの翌日が・・・・
展示をもとに戻さなければならないのですが、ワタクシが二日酔いなもんで・・・・

明日、尾身さんから作品が送られてくるので、早速、展示作業をしなければ!

祝・上棟

2011年09月25日 | 建築・デザイン
このブログもだいぶ間が開いちゃってましたね。
久方ぶりに更新します。
更新しないと勝手に変な広告が書き込まれてしまうのですね・・・・コワッ!


さて、昨日は、瀬谷区のO邸の上棟でした。
おめでとうございます。

仕事のしやすい良い天気のなか、無事に構造体が組みあがり、
堂々とした姿を現しました。

ご主人のスピーチにも、すごく喜ばれているのと完成を楽しみにされているのが
十二分に表れていました。

家族皆がワクワクしているのがよく分かります。
出来上がっていく過程は本当に楽しいですからね・・・・・


そして、現場からとって返して、夜は恒例のたまりBar。

midさんが準備をしてくれていたので助かりました。
でも、同日の午後2時から行っている音楽イベントでは、予想以上の来場者の
対応に1人でテンヤワンヤだったそうです。

毎月楽しみにしてくださる常連さんに初めてのお客様と、
これまた大勢お越しいただきました。(ありがとうございました

つくづく感じるのは『人の縁はありがたい』ということと
『生かしていただいてありがたい』ということにつきます。
感謝!

いつ何時、何が起こるかわからない毎日のなか、縁、地縁が
ほんとうに必要です。
知識偏重、物質中心の生き方では、これからの時代(時間)は
生き抜けないと感じます・・・・

おっ、そういえば、土村さん木村さんご夫妻は、明日からコペンハーゲンとパリに
旅行に行かれるとのこと。

彼らには、同地に友人がいて、向こうでライブも行うそうです。
これも世界規模の縁ですね。

私の母とmidさんは、「なんであんな鉄のカタマリが空を飛ぶのか?怖いー!」
という人たちなのでたぶん一生日本から出ることはないでしょう・・・・

肉体は移動できなくても、こころは自由に飛ばせることができるので、
身近ななかにそれぞれ楽しみを見つけるのでしょうね。


てわざ・てしごと

2011年07月01日 | 建築・デザイン
今日から7月。
もう今年も半分過ぎてしまいました。

今年の前期はすごい出来事(大災害・大事故)が発生しましたが、
後期半年は何事もなく無事であって欲しいと願います・・・・・・

昨日、去年竣工した練馬のSさんから雑誌が2冊送られてきました。

どんな雑誌かというと、「世界の古美術・骨董の情報誌 小さな蕾(つぼみ)」
という骨董愛好家のための情報誌です。

それの7、8月号にSさんが「民芸行路/てわざ・てしごと」というコラムを
書かれているのです。

Sさんの文章と長年蒐集された民芸民具類のご自宅に飾ってある様子が、
掲載されています。

設計中や竣工時にいろいろ貴重な品物を拝見させていただきましたが、
「えっ!こんなものもあるの?」とその雑誌を観て驚きました。

雑誌記事にもあるのですが、寝室として造ったスペースが、なんと!
アイヌの装束や道具、装飾品などを展示する空間になっていました・・・・・
こりゃすごい!

竣工後から展示を楽しむ空間になっているのは知っていましたが、
アイヌとは今回初めて知りました。

で、どこにご夫妻は寝ていたのかというと、ロフトです。
寝るのに支障はないとおっしゃっていました・・・・・が、
この暑さのため下の和室に下りてこられたようです。

ロフト(小屋裏収納)を寝室にすると絶対に夏場はいられません。
(エアコンがあれば別だが)

掲載されている写真には、室内の仕上げが骨董を引き立てくれている様子が
よく分かり設計者としてとてもうれしいです。

Sさんのコラムのタイトル「てわざ・てしごと」にあるように、
建築はその最たるものでした・・・・
しかし、安く・早くと造ってきたばかりに、大事なものを無くしてしました。

Sさんの家は、昔ながらの漆喰塗りや古い建具の転用など、かろうじて
職人の技量をいかすことができた貴重な住宅です。

Sさんの手紙に「我が家はとても快適です」とありました。
ありがたい・・・・

Sさんに出会わせていただき、お役に立たせていただき、
ありがとうございます。


久々の読書三昧

2011年06月20日 | 建築・デザイン
梅雨のうっとうしいのはしょうがないので、受け入れて流していきましょう!
でも、なんか首筋がこわばってすっきりしないのは、イヤだなぁ~

昨日は久しぶりになんにもないOFFでした。
で、朝から読書三昧。

ベーシスト土村和史氏からお借りした本を読了。
佐藤栄佐久著『知事抹殺』つくられた福島県汚職事件 
帯には「福島原発事故の元凶」とあります。

原発マフィア、霞ヶ関官僚の原発推進派に陥れられた実情を訴えた
ノンフィクション作品です。

佐藤知事が検察に捕まってしまってからの話はどこかで読んだことがあるような・・・
そう、外交官佐藤優氏の『国家の罠』に出てくる検察とのやり取りが
もうそのまま展開されています。

佐藤元知事も書いていますが、これは“国策捜査”以外の何ものでもない。
邪魔者は排除ということで、はめられたわけです・・・・・

この本では、原発に関する東電の情報隠しや管理のずさんさ、政治と原発における
金の問題等などがよく分かります。

文章も平易で読み易い本でした。
ご興味をもたれた方、お奨めです。

原発事故処理、国策捜査、冤罪事件・・・・
国が、国民を守るということはないということがよく分かります。

明治新政府がつくった太政官制度(古代日本の律令制)は、官僚が統治するという
システムのこと。
「知らしぬべからず。寄らしめるべし」
(原発の事故状況を隠蔽し、今すぐどうということはないと言っているのもそう)
戦後66年経ってもなんら変わりがないのです。

詳しくは、これまた国家の罠にはめられた政治経済学者の植草一秀氏の
『日本の独立』を読んでみるといいいでしょう。


さて、話変わって。
先週の土曜日は、瀬谷区Oさんご夫妻とたたき台での打合せをさせていただきました。

前回書きましたが、どうしたら楽しく家族が生活できるのか・・・と
あーでもない、こーでもないと考えてこれがいいと思えるプランをお持ちしました。

Oさんご夫妻、とても喜んで気に入ってくださいました・・・しかし、
「99%いいのですが、玄関ドアを東面に設けてほしいのですが・・・・・」と奥様。

「うっ!」となりましたが、理由を聞くとご親族の助言だそうです。

お見せしたプランになるまでにもちろん東面に玄関ドアも考えましたが、
ある使い勝手を両立させようとすると北面にもってきた方がベストだったので、
あえてそうした次第でした。

私は、大事なところを押えておけば、なにも固執することはないので、
なにごとも円満に治まるように柔軟に配慮するように心がけております。
(大丈夫ですよ!Oさん)

10年以上前の鎌倉のSさんの住宅計画でのお話。
Sさんの土地は、南面に道路があるとてもよい敷地でしたが、方角としては
真南より若干西に傾いていました。

Sさん「風水では、玄関ドアが真南に向いていた方がいいので、
ドアだけ真南に向けてくれ」と言うではありませんか・・・・

Sさんにとって良いことだったのかは忘れましたが、「へい合点承知」と
本当にドアだけ真南に向けました。

外観上はドアが平らな壁面に、なんでへこんでいるの?それも平行にじゃなくて
右側だけ押し込んだみたいに・・・・という感じです。

でも、これ結構いいのですよ。アクセントになってるし、ドアの開閉時のポーチ
との兼ね合いなど・・・・・やってみるものですね。

あと火が燃えるもの(ガス給湯器付風呂釜)は北面の真ん中にもって来る・・・・
だったかな?

Sさん家では、midさんと二人でまだ全然認知されていなかった
ドイツのオスモカラーを塗って「これでオスモ渡り職人になれるね」なんて
言っていたこともあったけ・・・・あー懐かしい。

だから全然へっちゃらですよOさん!

あっ話題が二つだっら二回に分ければ次回のネタにこまらなかったのに・・・・・