四方山雑氣帳

日常の出来事や思考、氣付きなどを雑多(よもやま)に書き込むブログ。

そこまでやるかの迫力

2012年05月29日 | 建築・デザイン
今日は、midさんと平塚市美術館へ行き、棟方志功展と木下晋展を観てきました。

どちらがメインで観たかったかというと、木下晋さんの作品でした。
しかし、棟方志功さんの板画(はんがと読ませていたそうです)作品も
初めて観るので圧巻でした。

木下晋さんの作品は、以前一部観たことがありました。

木下さんは、新潟の最後の瞽女(ごぜ:盲目の女旅芸人)、小林ハルさんを
描いています。

2005年にハルさんが105歳でお亡くなりになり、翌年の2006年に
ハルさんが最期にお住まいだった新潟県胎内市の施設で、一周忌の催しがあり、
そこで木下さんのハルさんの絵が展示されていたのです。

小千谷のmidさんの実家から親父さまと3人で車で行きましたが、
同じ新潟県内なのに胎内市はすごく遠かった・・・・・
その先が村上堆朱のアニキ、小田さんが住んでいらっしゃる村上市です。
小田さんも車で十日町まで来るのもえらい大変だ!といっておられたのが
よく理解できます。
新潟県の人でさえ、新潟はタテに長く広いので、県内でも知らないところが
結構ありますと言っています。

あっ脱線した・・・・

で、木下さんの作品の画材は、なんと鉛筆のみ。
10Hから10Bまでを使用して描かれたモノトーンの絵です。

胎内市での施設で観たときに驚いたのは、シワや髪などが精緻に描かれていることと、
必然的に対象を浮かび上がらせるために背面スペースは暗く(黒く)しているのですが、
その黒い部分もべたーと塗ってあるのではなく、線描でホワイトスペースを埋めています!

A4サイズとかの小さい面ならともかく、畳1枚くらいある画面でやるのだから
半端ではない根気と集中力・・・・・
鉛筆の黒鉛の色が深みを出しています。

今回の作品展において、木下さんも書いておられましたが、
昨年の東日本大震災以降何を描くべきかと考え想い至ったものが、
世界中で不変である祈りの姿、「合掌」だったそうです。
その合掌画はすごい迫力で迫ってきます。

6月10日(日)まで開催しているので、是非、ご興味のある方は実物を
ご覧になったらいかがでしょう。
ちなみに、棟方志功展は3日(日)までです。

棟方志功さんのドキュメンタリー映像(40分)が無料で観られます。

板面に顔がつくくらいに近づけて、鬼気迫る勢いで削り出している姿のみを
以前TVで観たことがあったので、人嫌いな偏屈な人なんだと勝手に思い込んで
いましたが、そのドキュメンタリーを観てびっくり!
よくしゃべるちょっとおちゃめな少年のような人でした。

「わだは、ゴッホになる!」と画家を目指して上京した青年が、日本が世界に誇る
板画の巨匠になられたのです。

ゴッホと違って生きているうちに売れて良かった~と、midさんと喜んでしまいました。
(大きなお世話だね)

今の世の中、有名無力(無名有力)、そんなのばかりだから、
本当に才能がある人たちが正当に評価されるのはうれしいことです。

木下晋さんが取り上げられたNHK日曜美術館は、6月3日(日)の午後8時に
再放送されるようです。
私も観ていないので、観てみようと思います。
しかし、TV画面ではあの迫力は伝わってこないだろうなぁ~

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