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アマチュア局の無線設備の占有周波数帯幅の許容値

2022-01-18 12:47:30 | アマチュア無線

 スペアナを購入したので、無線機のスプリアス発射強度などを測定して遊んでいます。購入した目的は、自分の無線設備が法令の基準を満足しているかどうかを調べたかったからです。「技適機種なのだから、法令の基準を満たしている」と言えば、それまですが、パワーアップする場合には通用しません。高調波などのスプリアス領域の不要発射は、LPFやBPFで除去できるかもしれませんが、搬送波の周波数近傍にある帯域外領域のスプリアス発射は、除去が困難であると想定されるので、エキサイターが法令の基準を上回る性能であることを確認しています。

 その為には、スペアナの使い方は勿論、関係法令を正しく理解しなければならないので、彼方此方の法令を読みながら、スペアナで測定するということをしています。次の図は、IC-9700の測定結果です。周波数を1280MHz、モードをRTTY、RF Powerを100%にしてTRANSMITボタンを押して送信した時のものです、IC9700のアンテナ端子(1200MHz帯)にbirdの300W30dBのアッテネータを接続し、スペアナ側には20dBの同軸アッテネータを接続して、この間を外径約2.5mm長さ1.5mのテフロン同軸で接続しています。なので、測定値に50dBを加えた値が出力電力です。50-11.85=38.16dBm  ... 6.16Wとなりますが、測定値が低いのか出力が定格よりも低いのかは、1200MHz帯に対応した電力計を所有していないので不明です。

 1200MHz帯での帯域外領域及びスプリアス領域の境界の周波数は、無線設備規則の別表第三2(3)でBN<100kHzの場合はfc±250kHzと定めらているので、スパンは500kHzとしました。

 fc=1280MHzを中心とした必要周波数帯幅(BN)の外側が、帯域外領域です。必要周波数帯幅とは、無線設備規則別表第二号第54の規定に基づくアマチュア局の無線設備の占有周波数帯幅の許容値で告示されている占有周波数帯幅です。スペアナのスパンを500kHzとした理由は、この告示にA1A, F1D, J3Eの占有周波数帯幅はそれぞれ500Hz, 2kHz, 3kHzと規定されているので、BN<100kHzに該当するからです。

 しかし、注記を見ると、次のようにあります。

注4 1,260MHzから1,300MHzまで、2,400MHzから2,450MHzまで、5,650MHzから5,850MHzまで、10GHzから10.25GHzまで又は10.45GHzから10.5GHzまでの周波数の電波を使用する場合の占有周波数帯幅の許容値は、占有周波数帯幅の許容値の項に規定する値にかかわらず、17MHz以下とする。

 この注記がなければ、F1Dの占有周波数帯幅は2kHzなのに、17MHzというあまりにも広い8500倍に拡大されているのです。これって、本当なんでしょうか???スパンを500kHzとして測定して、帯域外領域のスプリアスを評価しようとしていますが、17MHzはという値は、このスパンを超えているので、「1.2GHz帯には、帯域外領域は無い!」とも解釈できます。2.4GHz帯、5.6GHz帯、10GHz帯も同様です。

 注3では430MHz帯のことが規定されていて、30kHzに拡大されています。これくらいなら分かるんですが、一体の注4の値はどういうことでしょうか?もしかしたら、C8W(VSBのATV)など元々3MHzの占有周波数帯幅として規定されているグループに限って付されるべき注記ではないのでしょうか?

 ちなみに、帯域外領域でのスプリアス測定は「無変調」で行うと規定されているので、J3Eでは0Wとなり、測定しなくても良いとされています。A1Aの場合は、無変調とは何か?という別の議論があるようなので、それには触れないことにしてF1Dの場合の無変調とは特定のサブキャリアの電波が連続されている状態なので、先の図に示した測定方法で良いと思います。

 注4がなければ、1200GHz帯における占有周波数帯幅は2kHzとなるので、fc±1kHzの外はスプリアスとなり、マーカ(M2, M3)で示した箇所は、それぞれ-56dBc, -57dBcなので、-60dBc以下という基準を満たしません。もしも、430MHz帯と同じく占有周波数帯幅が30kHzに拡大されていれば、M2、M3の周波数は除外されて、基準を満たすことになります。

 総務省のホームページに告示として明記されているので、誤りじゃないかなどと素人無線家が騒ぎ立てるなど言語同断だとは承知しているのですが・・・注6には次のように書いてあるので、これがF1Dなどに適用さればリーズナブルだと思います。

注6 1,260MHzから1,300MHzまで、2,400MHzから2,450MHzまで又は5,650MHzから5,850MHzまでの周波数の電波を使用する場合の占有周波数帯幅の許容値は、占有周波数帯幅の許容値の項に規定する値にかかわらず、40kHz以下とする。

 私の調査不足なのか、解釈の間違いなのか?深入りすればするほど謎が深まりました。

 

 

P.S.(1月20日追記)

 心静かに頭を冷やして、もう一度条文を読むと次のような解釈に辿り着きました。

1)JT65やQ64などのF1Dで表される電波形式の占有周波数帯幅の許容値は、平成21年03月17日総務省告示第125号の規定により、1200MHz帯の場合、17MHzである。

2)無線設備規則 別表第三号1(5)の規定より、必要周波数帯幅は、占有周波数帯幅の許容値である。

3)無線設備規則 別表第三号2(3)の規定より、帯域外領域及びスプリアス領域の境界の周波数は、fc±42.5MHzである。

 よって、指定周波数1280MHzにおいて無変調キャリアを送信したときの、帯域外領域は1237.5~1271.5MHzおよび1288.5~1322.5MHzである。

 

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