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②舞台『ガラスの仮面 惹かれあう魂』大阪松竹座

2016年09月13日 | ライブ・公演・舞台

舞台冒頭の、長~くて しかも早口でわかりにくい、説明台詞が終わった。

そのあとマヤは「ふたりの王女」のオーディションに臨む。 おそらく「ガラスの仮面」ファンなら大好きなエピソードではないだろうか。マヤの天性の、生まれつきの女優魂がここで発揮される。覚えていますか?あのオーディションの台詞、与えられたセリフを元に、各自が思ったままの自由な演技を要求される…

「毒…!」
「わたしが、この毒を手に入れたことを知る者は誰もいない…。誰の運命をどうすることも、すべて思いのまま…」
「あのひと…」
「これから先の、あのひとの人生、運命、命…、それがすべてわたしのこの手の中にある」
「もう思い通りになんてさせやしないわ…!」
「裏切り…、ごうまん…、あなたはいつだって身勝手に生きてきた…。わたしの心をずたずたに切りさいて、血がふきでるのをあなたは楽しんでいる…!」
「笑ってらっしゃい。これはわたしの切り札よ…。ポーカーフェイスをよそおって、あなたの前でいつも通りの表情をみせてあげる…!」
「これが体にはいり消化されるにしたがって、しだいに毒がまわって、四時間後には心臓マヒと同じ症状で死ぬ…!」
「毒は体に残らない…。」
「これをほんのひとたらし…、ふたたらし…。あなたは、それをほんのひと口ふた口…。それですべてがおわる…。」
「わたしは苦しみの鎖からときはなたれる…」
「わたしの、切り札…!」 


「毒…!」

その昔、私もマヤよろしく この台詞を語りたいと思った事があったわ(笑)

貫地谷しほりさん演じるマヤが、キッチンで野菜を刻むパントマイムを交えながら、今にも毒をもるかのように見せながら、また毒の瓶を台所の棚に戻す、あのシーン。おお、あの名シーンが生の俳優の演技で見られるんだわ~ ワクワクした! 

ところが・・ です。 

同じオーディションを受けるライバルたちが、マヤの動きに「あれは何々しているのね!」「あれは、何々だわ!」と、 いちいちいちいちいち マヤの演技、動きの説明をする。漫画の原作に沿っているんだろうけど、生の舞台にそんなウルサイ説明はいらない。黙ってマヤの演技を見せて欲しい。 

貫地谷さんの演技が上手いのか下手なのか、周りの台詞の煩さのせいで全然 頭に入らんかった。また、ワザといの、脇役のその演技が・・しょせん脇役ね ほんまにウルサイだけ(ーー゛)  

それはともかく、続いてホテルの執事とのパントマイムなど、オーディションはマヤの独壇場。めでたく、マヤはオーディションに合格し 「ふたりの王女」のアルディス役に選ばれた。


 

「ガラスの仮面」の大きな魅力のひとつは、原作の中でマヤが演じる劇中劇です。

特に「ふたりの王女」は魅力のある作品で、今回「ふたりの王女」の舞台を見ることができるのは、原作ファンとしてはとても嬉しい。粗筋⇒http://kenzi.uiui.net/kara/futari.html

ここから、あゆみさん役のマイコさんが大活躍をする。

背は高いけど、それほど美女というほどでも・・・ と思っていたマイコさん、俳優歴だってそれほどでもないよね?と思っていたけど、大変失礼いたしました。原作のあゆみさんと顔は似ていないが、バタ臭い顔立ちと抜きんでた背の高さが 中世の重たいような豪華なドレスにピッタリと映える。日本人離れしたルックスに、コスチュームプレイがとてもよく似あいます。

「寒い・・・寒いわ」

長い凍り付くような冬に閉ざされたラストニアの女王として、裏切りと背信の中でオリゲルドは生きてゆく。マイコさん、ふんわりした優しい印象だったけど、冷酷なオリゲルドがはまっている。まだ若いのに女王の威厳と気品がある。何よりも大きな存在感があって、演技も素晴らしかった。 ジュリエットに扮し、バレエを踊る姿は可憐で優雅で、あゆみさんには似合わないと思った私を許してください。✨✨ 私はこの舞台での演技賞はマイコさんに差し上げたい!

そして「ふたりの王女」の劇中劇と並ぶハイライトは、マヤとあゆみさんの「ふたりの王女」の舞台稽古シーンと、真澄さま、桜小路君の二人の激白が交錯するシーンだった。

シンプルな、ただ足場のように3階に組まれたセットが場面によって事務所になったり、舞台になったりと、その場で各シーンに合わせてイメージを変える。もうひとつのカーブのようになった大きな不思議な曲線、この上での演技は、まるでその曲線が登場人物の心の内を映すかのよう。 

その大きなカーブの中で、舞台の稽古をするマヤとあゆみさん。その二人と同じ場所に立って、真澄さまと桜小路君が、互いに自らのマヤへの思いや胸の内を激白する。

立場の違う四者四用の台詞が、同じ舞台上でぶつかり合い、火花を散らし、せめぎ合う。

その台詞の迫力。4人の台詞は、今にも空中でぶつかるようでぶつからず、しっかりと聴く者の心に飛び込んできた。 ここでは冒頭では気になった俳優の早口の台詞も、大きな迫力となって観客の心をとらえ、短い時間で観客に一気に4人の心の内を伝えることに成功していて、とても良い演出だと思った。もちろん、俳優たちの演じる力量が無くては無理だと思う。

そして、マヤは「ふたりの王女」で演技賞を受賞し「紅天女」への候補に選ばれて、紅天女の郷へと旅立った。

最後の見せ場は、一路真輝さん演じる月影千草が、紅天女の美しい打掛で 優雅に幽玄に舞う姿・・・ 

一路さんの紅天女は文句なく美しくて、ただ見惚れました。すべての観客は声もなく惹きつけられたと思う。この舞台のラストに相応しい、美しい幻のようなシーンで、この先のマヤとあゆみの演じる紅天女を、誰もが見たいと願ったに違いない。


「恋とは相手の魂を乞うること」 

この月影先生の魂の叫びのような台詞に痺れました。 魂を乞うる ああ、なんて素敵な言葉。✨✨ あの時、客席の私はその魂を乞うて、例え返事が無くても、ジュリ~♪と叫んでみたくなった(笑) はい、マジにです。ジュリーからは門前払いだね~ 

舞台『ガラスの仮面 惹かれあう魂』 最初は大仰な大芝居ではないかと引きました。 が、誰もが知る長い長い大河ドラマの粗筋を、大胆にカットし抜粋しトリミングした舞台は、生身の俳優が演じる名シーンの連続で、原作には無い3次元の感動を観客にもたらしてくれた。

配役には、なるだけ原作に忠実であろうという製作側の努力が見えた。月影先生は、衣裳と髪形だけでどうにかいけるが、水樹さんに源三さんは、まったく漫画そのままで笑うほど似ていた。 そっくりショーは、水樹さん役の東風さんに差し上げます!

見る前は、誰やねん?真澄さまに相応しく無かったら許さへんで・・・だった真澄さま役の小西遼生さん。漫画そのままの白いスリーピース姿には 「ホストですか?」と笑いましたが、原作との違和感がなく とってもハンサムでカッコ良かった。 悩む姿もカッコよく、マヤでなくても惚れるわ~♡ これまた漫画から抜け出てきたような婚約者の、美しい鷹宮しおりさんも、あの真澄さまには絶対惚れる。(しおりさんなんてマヤの恋敵なんで、どうにか早く消えて欲しいわっ!と心の中で思っているけどね)

イメージが一番原作と似ていないのが、あゆみさんのマイコさんと、マヤの貫地谷さんかな?と思ったが、2人の演技力で有無を言わさずに こちらの文句もねじ伏せられたので、似ていないのは許します。桜小路君のイメージが私的にはいまいち・・ でもジャニーズ枠は1人は入れないといけないのかも。


舞台は衣裳にも大変こだわっていて マヤの普段着がチェック柄など、ぼんやりした色柄で垢抜けない。 あッ これは原作のままのデザインだ!と気がついた。

けったいな柄のTシャツなど、そういえば同じ柄を漫画のマヤは着ていた!と思いだした。下は変な柄のTシャツ。 下のチェック柄のスカートも舞台でマヤが着ていた。真澄さまも、同じトレンチコート姿で出てきました。カッティングなどの細かい部分まで同じにしてあるそうな。全ての出演者は、漫画と同じ服装だったのだ、凝ってるでしょう~!

         

美内先生のファッションセンスは、正直いまいちな気が昔からしていて、一番ダサかったのがマヤが、真澄さまにレストランに招待されて行った時に着ていった、ピンク色の三段重ねのフリフリワンピース。舞台では漫画よりもさらにセンスが悪く、とてもダサかったです~(笑) 先生、服装のセンスはどうにかしてくだされ。他には文句はいいません。

いや、さっさと最終回を描いて下さい! 

早く物語の結論が見たいです。

今回の舞台、大阪は日曜で終わりましたが東京はこれからです。原作のイメージを損ないたくない!というガチガチファンには薦めませんが、俳優達の熱演で充分に楽しめました。

2016年9月16日(金)~26日(月) 新橋演舞場map

        

松竹座の前に2本立っている、装飾的な円柱。右の古い建物は、料理や肉を売っている「はり重」です。一度、ここのお弁当が食べてみたい。

            「はり重」は大正年間の創業

    

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