長生き日記

長生きを強く目指すのでなく良い加減に楽しむ日記

182   ガリラヤの湖

2016-05-07 20:13:50 | 日記
 昨日に続きカトリック教会の葬儀に。まあ子供の見張り役なのでずっと参列したのではなかった。教会では葬儀用のお説教・お祈り・聖歌をまとめた50ページくらいの聖書ダイジェストが用意してあって、次は何ページを、とか示しながら式が進められる。キーワードは「いつくしみ」のようだった。イエスが何をされたとか、復活した・・とかのお説教がイタリア人らしい名前の神父さんのかなり上手な日本語で語られる。僕はそれを聞きながら、別のページを見たりしながら訪れたことのあるガリラヤの湖とその周囲の風景を思いだしていた。まだ18年しか経っていないのか・・この間いろいろあったから2000年も前のように感じる。ガリラヤ湖は・・・情報の現代である、興味のある方は検索してください。
 中東・地中海東岸の空の下、ガリラヤ湖は青く広がっていた。ごく周囲はリゾート的であったが、そのすぐ外側は黄土色の崖に石・コンクリート・素掘りの小さな家やアパートが張り付いていた。平地には緑が濃くイスラエル人の農地や住宅がならんでいた。僕たちはその一つのキブツで湖沼における太陽紫外線の影響についての国際学会を開いていた。あれ、この話は「はじめてのうずら日記」にも書いたかな・・。欧米から数十人、アジアから僕一人、パレスチナ人を含むアラブ系・地元系の人は一人もいない集団だった。非常な違和感といくばくかの罪悪感を覚えたものだ。ガリラヤ湖はイスラエルの最重要水源で周囲の軍事基地もいかめしかった。
 「イエスは良き肉と良きパンを与えた」・・・説教が聞こえる。2000年よりも前から、彼の地の人たちは普段良き肉なんでなかなか食えなかったのだろうな、記憶と説教が統合される。式に飽きてぐずりだす子を連れ、控室のホワイトボードでお絵かきさせていると、壁の横に「パレスチナに平和を」とかのカトリック系団体のポスターが貼ってあるのに気づく。いろいろな人種的集団、いろいろの国、いろいろの宗教、いろいろの科学、何とか調和させて次の2000年くらいを過ごせないだろうか。