人材マネジメントの枠組みに関するメモ
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異色の通販会社フェリシモの紹介記事。カタログ雑誌という媒体は同じながら、その媒体のポテンシャルを追求することで、顧客との間に心理的な絆を形成し、その絆を基に、普通の通販と全く違うビジネスモデルを形成したという。

生活の意味や楽しさを、顧客とともに築く・・・そのような価値を提供する、一種の会員制「買い物クラブ」「手芸クラブ」と言ってよさそうである。そこへさらに、手芸などにおいては顧客の参加も取り入れているようである。「ビジネス2.0」的とも言える。

「信頼関係」、「人間的なハイタッチな関係」、「価値を同じくする同志的関係」、そしてそれらを表象する「ブランド」によって、一般市場ではなかなか提供/入手できない価値を提供し、市場の力から顧客との関係を守る防波堤を形成するとともに、市場に影響を与える橋頭堡を形成している。

・・・これは特殊なビジネスとしてではなく、全てのビジネスが目指す方向性として見るべきだろう。

このようなビジネスは意外と身近にあるのであって、「コープ」や「大地を守る会」の食材宅配サービスにも似たところがある。進研ゼミにもそのようなところがある。家庭用品の一大帝国を築いた米国のマーサ・スチュアートなどにも、そのようなところがありそうである。

ここで必要になる要素は「信頼関係」であり、さらにより前向きな「同志的関係」、あるいは「あこがれの関係」も必要である。その点、「コープ」も「大地を守る会」も筋金入りの清貧の?歴史とブランドを持っている。進研ゼミは、学習指導要綱と先生の赤ペンが信頼の拠り所を与えている。マーサ・スチュアートはマーサ・スチュアート本人が「アメリカの理想の家庭」をタレント豊かに演じた。

フェリシモにおいて、それらに相当するようなブランドの拠り所は何か?それは正社員の大多数を占める「プランナー」の「志とセンス」にあるようである。カタログという舞台=プラットフォームの上で、選りすぐって採用したプランナー一人一人が誰よりも顧客の期待に対して責任を負い、また顧客の反応の前に謙虚であれば、ブランドの拠り所にもなるようだ。



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