坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

日本赤十字社所蔵アート展

2011年11月27日 | 展覧会
東日本大震災チャリティー企画として開催される本展は、日本赤十字社が所蔵している100点を越える作品の中から秘蔵の絵画を中心に約50点が展覧されます。
通常は、本社社屋に飾られていて、一般の目に触れることはない作品ばかりで、絵画のジャンルや時代をこえた内容の濃い作品となっています。日本油彩画の近代性を開拓した梅原龍三郎、荻須高徳、東郷青児、エコール・ド・パリの藤田嗣治、日本画の東山魁夷、結城天童は日本風土に根差した山の景色にも両雄の懐の深い作調が見どころです。
本展の観覧料収入は、東日本大震災の義援金として寄付されます。
日本赤十字社の美術コレクションの成り立ちは、1977年、100周年記念として、新社屋を飾るために日本美術界を代表する作家へ寄贈を呼び掛けて集まったものです。
・掲載の作品は、小磯良平「集い」1977年。端正な女性像の室内画で知られる大家ですが、この作品においてもベージュの諧調を基調に淡い光の中で、中央の女性を中心に円を描くように配置された群像表現は、室内合奏の準備の穏やかで平和なひと時を見事に表わしています。

◆日本赤十字社所蔵アート展/12年1月7日~2月19日/損保ジャパン東郷青児美術館(西新宿)

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