坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

フランスの詩と版画ーひびきあう魂の航跡

2011年06月28日 | 展覧会
町田市立国際版画美術館はご存じのように本格的な版画専門美術館として、豊かなコレクションを基盤に質実な内容の企画展を展開しています。
本展はそのタイトルに惹かれて、紹介したくなりました。近代から現代まで詩や文学から画家は多くのインスピレーションをえて、自己のスタイルへと昇華していきました。時代の美学の先駆者であったボードレールやヴェルレーヌ、ランボーなどのフランスの詩集に時代のリーダーである画家たちが挿絵を試みました。
・掲載作品は、ヴェルレーヌの詩に象徴派のモーリス・ド二の挿絵の『叡智』です。(1911年)©ADAGP,Paris&SPDA,Tokyo,2011
サルバドール・ダリの挿絵のロートレアモンのシュールレアリスムの作品『マルドロールの歌』、ピカソ、シャガール、ルオーの他に、ジャン・アルプなどの珍しい挿絵など、約180点の版画作品が展示されています。
油彩とは異なる画家の線のタッチや色彩の配列など、また趣の異なる作品が楽しめそうです。今年も猛暑になりそうですが、じっくり思索の時間が流れる企画だと思いました。

◆フランスの詩と版画ーひびきあう魂の航跡/開催中~8月7日/町田市立国際版画美術館 Tel 042-726-2771


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