坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

川又 聡展 次世代の日本画

2011年11月26日 | 展覧会
埼玉県の東松山市の県こども動物自然公園で7月に生まれたレッサーパンダの赤ちゃんの名前が「ハナビ」に決まったという写真入りのニュースや、同県の志木市、荒川で人気者になっているゴマフアザラシの「あらちゃん」が魚を捕まえた様子の写真にニンマリ。犬、猫、同居人の私には動物もののニュースは癒される瞬間です。

それはさておき、創作の世界で動物をテーマとして描く、注目する若手作家の一人に川又聡さん(1978年~)がいます。和紙に墨で描く作風は、疾走する馬や瞬間的な動きをとらえた鳥、象など幅広い動物をテーマとして、野生の生命体として躍動感を墨の伸びやかな諧調で描きだしています。
掲載の作品は、「足音」。「象は大きさ、物悲しい目、足音、立ち姿など魅力的な要素がたくさんあります。神秘的な印象が自然とわいてきます。」(『美術の窓』の談より抜粋)と川又さんが話すように、作者の描く象は威厳さえ漂わせたたたずまいに生命の尊厳が伝わってきます。勢いのある筆致が個展でも楽しみです。

◆川又聡展/12月22日~28日/池袋東武

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