坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

ジャクソン・ポロック展のオフィシャルサポーター

2011年10月27日 | 展覧会
戦後アメリカ、抽象表現主義の扉を開いたジャクソン・ポロック。生誕100年を記念して日本で初めての大規模な回顧展が開催されます。掲載作品は彼の代表的な作品「ナンバー7、1950」(ニューヨーク近代美術館)。1947年、ポロックはキャンバスを床に広げて、絵具をふり注いで描く彼独特のドリッピング画法で描き始めます。キャンバスの中に足を踏み入れ、身体的なリズムと一体となった「アクション・ペインティング」で、全米的な注目を集めます。
そうした彼の手法の開拓には、30年代後半からアンフォルメルの画家、アーシル・ゴーキーからの影響による不定形の物体が浮遊するコンポジションのシリーズが前段階にありました。
シュルレアリスムの自動筆記の方法論と一体となってアクション・ペインティングという絵画の物質性や形式などの大きさを問う表現が確立されました。映画などでもご存じのようにアルコール依存症でもあった彼は、病気と闘いながら新たな地平を切り開いていったのです。
突然の交通事故により44歳という若さで亡くなり、アメリカン・ドリームの明暗を体現したアーティストでもありました。
いろんな分野で活躍中の石井竜也さんが、本展のサポーターとして、オリジナルテーマソング〈Where is Heaven〉を11月初めにリリース。ポロックのダイナミックな爆発力に触発された曲が楽しみです。

◆ジャクソン・ポロック展/愛知県立美術館/11月11日~12年1月22日
 東京国立近代美術館/12年2月10日~5月6日

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