坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

フラワースケープ 花のもつ永遠性

2012年05月23日 | 展覧会
展覧会のテーマは個人の企画展、国際的な巡回展などさまざまですが、各地域の美術館では所蔵作品を軸にいろんな切り口を模索し、現代的なテーマとして投げかけてきます。
千葉県の佐倉市にある川村記念美術館は、マーク・ロスコやバーネット・ニューマンの恒久展示で知られ、フランク・ステラやボックスアートのヨセフ・コーネルなどの収蔵も特記されます。
現在開催されている展覧会は、花をテーマにいかに各時代の作家たちが表現してきたかを多様なスタイルで見せています。
花は自然の象徴であり、生命の起源や神話などの題材にもなりました。花々の発する生命の輝きやはかなさは多くのインスピレーションを与えています。
本展の面白さは、時系列的な構成でもなく、スタイルや国、世代をこえた作品群が見られることです。
アメリカの原初的な大地と花を描いたジョージア・オキーフと大衆文化のポップアートのウォーホル、リキテンスタイン、写実派とプリミティヴな詩情をたたえた有元利夫の作品などが並び、花のテーマの奥深さを知らせてくれます。

◆FLOWERSCAPES フラワースケープ 画家たちと旅する花の世界
 開催中~7月22日/DIC川村記念美術館(佐倉市)

★軽井沢に現代美術館がオープン
 リゾート地美術館の発祥でもある軽井沢ですが、現在ではアウトレットの波も押し寄せいろんな顔を見せています。
 アートのリゾート地の面目躍如というところでしょうか、4月に、軽井沢ニューアートミュージアムがオープンしました。
 第1回の展示は「軽井沢の風 日本の現代アート1950-現在」。
 草間彌生、村上隆、松井冬子などの作品で幕を開けます。
 いい季節になりましたので、ドライブにお出かけのときは寄ってみてはいかがでしょうか。

 軽井沢ニューアートミュージアム(軽井沢町1151-5)

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