坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

ミン・ウォン展 私のなかの私

2013年05月17日 | 展覧会
銀座の資生堂ギャラリーでは、現在、赤瀬川原平、内藤礼ら5作家の多様な表現形式の企画展が開催されていますが、この夏には、ドイツ、ベルリン在住のシンガポール人アーティスト、ミン・ウォンの個展が開催されます。
1971年生まれで、彼は象徴的なワールド・シネマの傑作に、リメイクという手法を通じて自ら入り込み、脚本や演出技法に新しい解釈を加えることで、オリジナルの映画との差異を際立たせ、人種的・文化的アイデンティティー、ジェンダー、言語、ナショナリティーといった問題に言及したユニークな映像作品を制作しています。
本展では、日本映画や日本の伝統芸能から着想を得て制作した新作「私のなかの私」を発表します。
日本での初の滞在制作で、殻は日本映画とその歴史を調査、分析し、「時代劇」「現代劇」「アニメ」の3つのジャンルに分類することを試みました。
「西洋の映画」は、写真の延長に存在し、日本の映画は歌舞伎や能といった伝統芸能の延長にあると指摘します。
ミン・ウォンが典型的な日本映画にどのように入り込み、意識の差を生み出していくのか楽しみです。

◆ミン・ウォン展 私のなかの私/7月6日~9月22日/資生堂ギャラリー(銀座8丁目)

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