坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

マックス・エルンスト 幻視の森

2012年04月23日 | 展覧会
シュルレアリスムの画家の中でも、多様なイメージの領域を生み出したマックス・エルンスト(1891-1976)。日本ではコラージュ小説『百頭女』や版画集「博物誌」、油彩では「森」の連作が知られていますが、色彩的には少し暗いイメージがあるように思います。現在開催中の本展では、新たなエルンストのイメージを開いています。
たとえば、所蔵先のポンピドゥーセンターでも人気の大作(2m×3m)では、黄、白、青の色相の中に魚や鳥や人や動物のフィギュアが乱舞する画面なども見どころの1点です。
掲載の作品は、「ユークリッド」1945年。エルンストの画風は、本当に緻密で技法的な実験が細部に散りばめらています。
国内外から集めた作品150余点の展示となっています。

◆マックス・エルンストーフィギュア×スケープ/開催中~6月24日/横浜美術館(西区みなとみらい)

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