坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

日本画の前衛1938-1949

2010年12月24日 | 展覧会
今夜は雪のクリスマスイヴになるかもしれません。北国の方ではこんなロマンチックなことを言ってはいられないですね。ドカ雪で大変な日々と思います。
1月の初旬から東京国立近代美術館らしい企画展が始まります。日本画という定義は洋画に対して明治期に確立したもので、従来の大和絵から連綿と連なる伝統画を示す一方で、現在では和紙や顔料、墨を用いて前衛的な志向で描く画家も多く、日本画の概念は広がりつつあります。
この展覧会では、1939-1949年という年代の枠組みを設けて、アブストラクト、抽象の旋風が起こった日本美術界における日本画への影響を探ります。その新たな日本画の模索の舞台となったのは、1938年に結成された「歴程美術協会」で、抽象やシュルレアリスム、バウハウスの理論に取り組んだ当時の前衛日本画家に焦点をあてています。
掲載作品は、山岡良文「シュパンヌンク」1938年  幾何学的構成で色相は日本画的な要素を取り込みつつ新たな空間構成を目指しています。他に田口壮、北脇昇、船田玉樹、丸木位里ら現代性をも感じさせる作品が並びます。

◆日本画の前衛展/東京国立近代美術館(東京・竹橋)/1月8日~2月13日

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