坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

メトロポリタン美術館③

2012年10月15日 | 展覧会
私は野球好き、というかテレビ観戦が好きで、西武ファンです。今、CSステージの最終試合でソフトバンクに1点負けてこれからどうなるか、というところです。
この作品は、「ライオンの頭の兜」イタリア、1460-1480年頃。ルネサンスイタリアの古代風の自然主義に基づくモチーフの甲冑としてつくられました。ギリシャ神話に基づく東洋にはない発想で、これを被った者は、口の部分から外を見たといわれています。



フィンセント・ファン・ゴッホ「糸杉」1889年。同年にサン=レミの療養所に自主的に入院した直後に描かれた作品で、その後の集中的な作品によりゴッホスタイルの完成期に到達していきます。うねるような力動感のある筆線が画面からみなぎり画面にムーヴマンを掘り起こしています。オダリスクのような美しい糸杉に魅せられ自己を燃焼させていったのです。



「タコのあぶみ壺」ミュケナイ 紀元前1200年頃。タコが水の中で浮遊しているような躍動感と美しいすっきりとしたデザイン性がありました。



ベルナール・パリッシー派 フランス 1575年ー1600年。楕円形の大皿の中心にくねくねと進むヘビを中心としていろんな水の生物が周囲にデコラティヴに盛り込まれています。これは日本の美学にはないもので、キッチュな面白さがありました。



クロード・モネ「マヌポルト(エトルタ)」1883年。モネはジヴェルニーに居を構えてのちも、ノルマンディーの海岸の旅を続け1日のうちで変化する光の印象をこまやかなタッチで描き込んでいきました。エトルタの連作の中でもスケール感のある視点でモネの真骨頂が表わされていました。

◆メトロポリタン美術館展/開催中~1月4日/東京都美術館

最新の画像もっと見る

コメントを投稿