坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

歳時記と日本画

2011年07月11日 | 展覧会
やまと絵や花鳥画、季節の移ろいのなかで伝統的な行事にテーマをもとめてきた日本画は、現代においても四季の自然の移ろいは重要なモチーフとなっています。
七夕は過ぎてしまいましたが、掲載の宮北千織さん(1967年~)の「天の川」は、笹に願いをかいた短冊をつるし、若い女性が両手をそっと合わせています。日本画の印象派とも言うべきロマンチックな色彩のにじみを生かした筆触で、女性の心を映し出すようです。
宮北さんは、日本美術院を舞台に活躍されている実力画家で、何気ない日常の一こまの女性像など陰影に富んだ色彩で現代の日本画の新しい雰囲気を盛り込んでいます。
この作品は、日本庭園でも有名な島根県の足立美術館所蔵の作品で、現在その新館で開催されている展覧会に出品されています。

◆現代日本画名品選Ⅰ/開催中~9月27日/足立美術館新館(島根県安来市)

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